中国情勢に翻弄される市場

Market Overview

2016年のグローバル株式市場は波乱の幕開けとなった。中国の指標データ(12月Caixin製造業購買担当者景気指数)の悪化を受け、同国の景気減速リスクが再び台頭。4日の上海&深圳の両証券取引所は急落しただけなく、この日から導入された「サーキットブレーカー」を適用する事態にまで追い込まれた。中国株式市場急落の影響は欧米&新興国株式市場にも波及した。

グローバル株式市場がリスク回避一色となったことを受け、外為市場では円高圧力が強まった。USD/JPYは欧州タイムに118.70レベルまで急落。クロス円も総じて円高優勢の展開となり、EUR/JPYは節目の130円を割り込み安値128.67レベルまでユーロ安/円高が進行した。ただ、NYタイムに入ると株安&冴えない米指標データ(12月ISM製造業景況指数)を背景に米金利が低下したことを受けドル相場全体がドル売り優勢地合いとなり、クロス円での円高圧力は後退。USD/JPYも119円ミドルレベルまで反発する展開となった。

中国株式

Analyst's view

今年最大の焦点は何か?と問われれば、筆者は日米の金融政策でも中東の地政学的リスクでもなく中国情勢と答える。4日のレポートでは、その中国情勢次第でUSD/JPYは節目の110円割れの可能性があると指摘したが、昨日の中国市場混乱を受けた円相場の反応は筆者の指摘の実現可能性を示唆するものだった。

2014年前半以降低下傾向にあった中国のマネーサプライ(M2)は、2015年4月に底を打ちその後上昇し続けているにもかかわらず(2015年11月の伸び率は前年同月比13.70%と2015年で最高)、人民元建て新規融資は2015年7月、つまり中国株式市場混乱のタイミングと呼応するように頭打ちなっている(2015年10月の融資額は5136億人民元と2014年7月以来の低水準)。過去1年を通しての度重なる金融緩和措置にもかかわらず新規融資が頭打ちとなっている現状は、中国国内における過剰供給問題の根深さを物語っている。そして過剰供給は内需低迷(貿易統計における輸入は2014年11月以降1年1ヵ月連続で減少)の根本的な問題である点を考えるならば、2016年の中国経済が劇的に改善(内需が急速に拡大)すると予測する市場関係者はほぼ皆無であろう。
よって、中国情勢の論点は景気減速のスピード、つまりソフトランディングとなるかハードランディングとなるか、この点に集約されよう。この道を分かつのは、中国政府の政策能力次第(不良債権に対する迅速且つ的確な措置 / 不動産投資の規制緩和 / 都市部への人口シフト政策 / 差別的な戸籍制度の改善等)であることは言うまでもない。
 

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.00:オファー 119.97:5日MA
サポート 118.70:1/4安値 118.00:厚いビッド・オプションバリア

2012年後半以降、ドル高/円安トレンドをサポートしてきた長期サポートラインをついに下方ブレイク。RSIの動向を鑑みるに目先の焦点は、昨年9月以降サポートポイントとして意識され続けてきた118円台の維持となろう。このレベルには厚いビッドとオプションバリアが観測されている。
一方、上値は120円台への再上昇が目先の焦点となろう。テクニカル面では120.00のすぐ下で推移している5日MAを突破できるかが注目される。120.00にはオファーが観測されている。

EUR/USD

       

レジスタンス 1.0950:レジスタンスライン・オファー 1.0946:1/4高値
サポート1.0900:サポートポイント 1.0800:サポートポイント 1.0727:リトレースメント61.80%

下値は1.08台(日足の一目/基準線)の維持、上値は1.095レベル(レジスタンスライン)の突破が焦点。後者のレベルにはオファーの観測あり。
RSI及びDMIの動向から、より注視すべきは1.08ブレイクの方だろう。1.07台の攻防へとシフトした場合、リトレースメント61.80%(昨年12月の高安)の水準にあたる1.0725レベルをトライする可能性が高まろう。

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