FOMCに波乱なし 焦点は国際商品市況の動向

Market Overview

16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でイエレンFRBは、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年0~0.25%から0.25~0.50%に引き上げた。実に9年半ぶりの利上げとなったが、既に米国株式市場では織り込み済み。且つ利上げスピードも緩やかになるとの期待から米国株式は総じて堅調に推移した。
「利上げ+株高」を背景に米金利は各ゾーンで上昇。特に金融政策の方向性に敏感な米2年債利回りは、2010年5月以来となる1.0%の水準を突破した。
「株高+米金利上昇」は外為市場でのドル買い圧力を強めEUR/USDは1.09割れ、USD/JPYは122円ミドル手前までドル高が進行した。しかし、目先のレンジの下限1.08及び上限123.50レベルをトライすることなく、ドル買いは失速。それぞれ1.0870前後及び122.50前後でこう着したまま、本日の東京時間を迎えている。

チャート

Fundamentals Analysis Highlights

イエレンFRBは予想通り9年半ぶりの利上げを決定した。最新のドットチャートでは、2016年末時点の予測中央値が1.375%と9月時点の予想から変わらず(3月時点:1.875% 6月時点:1.625%)。一方、声明文や議長会見では米経済の見通しについて自信を示すも、今後の金融政策については労働市場や物価動向、そして海外情勢の状況を見極めながら適切に対処していく方針を改めて示した。特段タカ派的な内容や言動が見られなかったことで、米金融政策における次なる焦点の「利上げのスピード」に関しては、これまでの想定通り緩慢なペース(=ベースシナリオは四半期毎の利上げ)となる可能性が高い。

イエレンFRBの忍耐強い「説得」が功を奏し16日の米国株式市場は堅調さを保った。対照的に国際商品市況では、NY原油先物1月限が前日比で4.9%下落。CRB指数も2002年1月の安値レベル144に向けて低下基調が継続している。米利上げがひとまずメインテーマから外れたことで、目先、市場の焦点は国際商品市況の低迷にシフトする可能性が高い。「商品安→株安」の展開となれば、11月以降、期待先行で構築された投機筋の米債券ショートポジションを調整する動きが強まろう(=金利は低下)。その動きに他の投資家も追随すれば、外為市場ではドルロングを調整する局面へとシフトする展開が想定される。

Today’s Outlook

16日の欧米株式市場が堅調に推移したことから、本日の国内株式も上値トライとなる可能性があろう。日経平均は12月高安の半値戻しのレベルであり且つ日足の一目/基準線が推移している1万9,300円レベルを視野に上昇する可能性がある。株高維持ならば、東京時間の円相場はUSD/JPYが円安の牽引役となろう。チャートポイントについては下記「Technical analysis highlights」を参照されたい。

問題は欧州タイム以降の株式動向だろう。米経済の成長期待とドラギECBによる緩和強化を背景に株高が維持されるならば、外為市場ではドル高優勢の展開が継続しよう。ただ、上述した国際商品市況がリスクオフの震源地となる可能性を常に意識しておきたい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 123.50:重要レジスタンスポイント 122.95:リトレースメント76.40%
サポート 121.38:一目/雲の上限 121.00ビッド

120.00-123.50のレンジは変わらず。堅調な株式市場の動向を考えるならば、目先の上値焦点はリトレースメント76.40%の122.95を突破できるかどうか。すぐ上の123.00にはオファーが観測されている。
一方、下値は日足の一目/雲の維持が焦点となろう。121.00にはビッドの観測あり。

EUR/USD

       

レジスタンス 1.1085:一目/雲の上限 1.0979:一目/雲の下限
サポート1.0900:サポートポイント 1.0830:12/8高値 1.0785:21日MA

1.09を下方ブレイクしていることで、本日は次のサポートポイントである1.08を維持できるかどうか、この点が焦点となろう。1.0880-70及び1.0850レベルにはビッドの観測あり。1.08ブレイクならば、21日MA(緑ライン)を想定したい。
一方、調整地合いとなった際の上値の焦点は、一目/雲の攻防で変わらず。1.1100にはオファーが観測されている。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 取引方法

    主要株価指数と非主要株価指数の目的、さらにその算出方法について理解します。世界で最もポピュラーな取引商品のいくつかを例に挙げ、株価指数という乱高下の激しい市場のエクスポージャーを得る方法を学びます。

  • CFD取引

    ここでは、CFD(差金決済取引)の取引とその仕組みについて例を挙げながら紹介し、CFD取引のメリットについて説明いたします。
    さらに、料金設定とファンディングコストについても解説いたします。

  • CFDの取引方法

    ここでは、IG証券の取引プラットフォームを紹介し、多様な資産クラスを提供するCFDを有効に取引するための方法について説明いたします。また、ストップ注文やリミット注文などの機能、レバレッジ取引の仕組みについても解説いたします。