最大の焦点は米FOMC後の動向

Market Overview

11日のグローバル市場はリスク回避一色の展開に。米エネルギー情報局(EIA)が11日に公表した月報で、2016年末まで供給過剰の状態は継続するとの見方を示したことが嫌気され、NY原油先物相場(1月限)は一時35.35ドルまで下げる展開に。期近物としては2009年2月以来およそ6年10カ月ぶりの安値圏での推移が継続した。原油安が株式市場の重石となり、主要な欧米株式は2%前後下落する展開に。新興国市場も軒並み総崩れとなった。

外為市場では円高優勢の展開に。「株安+米金利低下」を背景にUSD/JPYは11月3日以来となる121円割れ。クロス円も総じて円高優勢の展開となった。一方、資源国通貨は、低迷する商品市況を反映し対ドルで軒並み下落した。

MSCI CRB指数チャート

Fundamentals Analysis Highlights

15-16日の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。ただ、利上げに関し市場は既に織り込み済み。筆者も今回のFOMCでイエレンFRBが利上げに踏み切ると想定している(見送りならイエレンFRB自体の信任問題に発展するだろう)。よって、今週最大の焦点は利上げそのものではなく、FOMC後のトレンドということになろう。そのトレンドを見極める上で重要なのが、2回目以降の利上げペースだが、この点についてはこれまでのイエレン発言を考えるならば、声明文や議長会見でこれまで通り一貫して緩慢なペースでの利上げを示唆してくるだろう。また、直近の商品相場を考えるならば、市場はイエレンFRB以上に「相当」緩慢な利上げペースを想定しよう。よって、米債券市場では積み上がったショートポジションの調整(=米金利低下)地合いが想定される。それに伴い外為市場ではドルロングを調整する動きが短期的に加速する可能性が高いだろう。

問題は株式市場だが、「相当」緩慢な利上げペース観測を背景に反転するかと言えば、ことはそう単純ではない。何故なら、直近のリスクオフを牽引しているのは、米金融引締めリスクではなく商品市況の低迷だからだ。事実、このレポートで指摘してきたグローバル株式(MSCI)のパフォーマンスと商品市況(CRB指数)のそれとの乖離は、株式市場の下落によって収斂する兆しが見え始めている。よって、株式市場のトレンドは引き続き商品市況の動向次第ということになろう。

Today’s Outlook

本日は、リスクオフ加速を警戒する一日となろう。原油価格だけでなく鉄鉱石や銅といった景気に敏感な資源価格が軒並み下落する中、CRB指数が反転するならば、それは先週より指摘している短期的且つ投機的な買戻しくらいだろう。ただ、現状、それすら発生しない状況となっていること、そしてFOMC前ということも考えるならば、本日のグローバル株式市場は上値の重い展開が想定される。

外為市場では円&ユーロ買いを想定したい。円とユーロどちらの買い圧力が強いのか、この点はEUR/JPYがバロメーターとなるだろうが、目先、日足の一目/雲で上値がレジストされ短期レジスタンスラインが形成されている点を考えるならば、132円ブレイクを警戒したい。テクニカル面での攻防分岐は一目/基準線(132.10レベル)となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 122.64:21日MA 122.12:一目/基準線&転換線
サポート 120.85:一目/雲の上限 120.24:リトレースメント61.80%

先週指摘したレンジの下限121.00をあっさりと下方ブレイクした。日足の一目/遅行線(紫ライン)やRSIの動向を考えるならば、120円トライが現実味を帯びてきた。
本日、テクニカル面で注視すべきは一目/雲の下限での攻防だろう。
一方、上値は同じく一目/転換線(緑ライン)&基準線(赤ライン)が重なる122.12前後。前者の下方ブレイクは120円トライのシグナルと認識しておきたい。
後者を上方ブレイクした場合、次の焦点は21日MA(黄ライン)での攻防となろう。

EUR/USD

レジスタンス 1.1118:リトレースメント50.00% 1.1050:レジスタンスポイント
サポート 1.0925:サポートポイント 1.0871:10日MA

1.10を挟んでのレンジが継続中。本日は日足の一目/雲での攻防、特に1.1050レベルでの攻防が焦点となろう。このレジスタンスポイントを突破した場合は、リトレースメント50.00%(8月-12月の高安)1.1118レベルが次の焦点として浮上しよう。
一方、下値は目先、2日連続で下値をサポートした1.0925レベルの維持が焦点。このサポートポイントを下方ブレイクした場合は、10日MA(緑ライン)がレジスタンスからサポートへ転換したかどうかを確認することが求められよう。

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