リスクオフトリガー要因としての商品市況

Market Overview 

7日の海外外為市場は、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)が意識されドル買い優勢の展開となった。USD/JPYはこう着状態が続いたものの、EUR/USDでは米独10年債利回りが再び拡大傾向にあることを背景に1.08割れの局面が見られた。また、石油輸出国機構(OPEC)の減産見送りを背景にNY原油先物価格が一時37.50ドルと、2009年2月以来(6年10カ月ぶり)となる安値を更新したことを受け、資源国通貨全般に対しドル高優勢となった。

この日の海外株式市場は、一部の欧州株価指数を除き米国株式及び新興国株は軟調地合いに。「ドル高+株安」を背景にクロス円は総じて上値の重い展開に。オセアニア時間では円売りが散見されるも反発は限られ、本日の東京時間を迎えている。

hikaku

Fundamentals Analysis Highlights

米利上げリスクを織り込んできたグローバル株式市場のパフォーマンス、特にリスク選好の先導役である米国株式のパフォーマンスが、今夏のように崩壊する兆しは今のところ見えない。しかし、そのトリガーとして注視すべきは商品市況の動向だろう。

石油輸出国機構(OPEC)内の減産を巡り意見対立が鮮明となる中(ウィーンの定例総会では減産見送り及び生産目標の明示取りやめという異例の事態となる中)、NY原油先物価格(1月限)は上記の通り約7年ぶりの安値水準へと下落。それに伴い、11月中旬以降レンジを形成しつつあったCRB指数にも再び下落圧力が強まる展開に。
原油相場をはじめとした商品市況低迷の根底にあるのが中国の内需縮小であることを考えるならば、(商品市況の)早期の反発は期待できない。よって、中国内需の回復と商品市況の遅れは、ブラジル、南アフリカ、チリそしてインドネシアやマレーシアといった資源が重要な輸出品目となっている新興国経済を圧迫し続けるだろう。その結果、新興国株式市場のパフォーマンスも低下し続けるだろう。事実、上の比較チャート(赤ライン:世界株式 青ライン:エマージング 緑ライン:BRIC赤ライン:世界株式 青ライン:エマージング 緑ライン:BRIC)では世界の株式パフォーマンスに比べ、新興国 / BRIC株式の低下基調が鮮明となっている。この影響が米国株式に波及する可能性は常にくすぶっており、それが米利上げリスクに変わるリスクオフ要因として再台頭すれば、USD/JPYはクロス円での円高が圧迫要因となり、125円台をトライすることなく2015年を終える可能性が高いだろう。また、別のトリガーとして注視すべきは「商品安+ドル高」のダブルパンチを背景とした米エネルギーセクターの急落だろう。前者は米国外のリスクオフトリガー、後者は米国内のトリガーとして注視しておきたい。

Today’s Outlook

本日の外為市場では、資源国通貨のダウンサイドリスクに警戒したい。商品市況の低迷を背景に7日の米国株式は下落。国内株式や中国上海総合でも米株安及び商品安が嫌気され資源関連株を中心に上値の重い展開となれば、資源国通貨は対ドル&円で軟調地合いが想定される。また、リスクオフ局面ではユーロ買い圧力が強まり易いことから、対ユーロでも上値の重い展開となろう。

一方、円相場だが「商品安+株安」となれば、クロス円を中心に円高圧力が強まろう。ただ、ドルストレートでのドル高は継続する可能性が高い。USD/JPYが現在のレンジ相場を維持することで、クロス円急落の事態は免れる可能性が高い。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.00:厚いオファー 123.76:11/18高値、オファー
サポート 123.00:重要テクニカルポイント、ビッド 122.47:12/4安値

日足の一目遅行線やRSIの動向を考えるならば、引き続きドル高地合い継続を想定。上値の焦点は11月18日高値の突破だろう。このレベルから124.00にかけては断続的にオファーが並んでいる。
一方、下値は123.00が攻防分岐となりそうだ。このレベルを挟んで一目基準線(赤ライン)、転換線(黄色ライン)及び21日MA(緑ライン)が密集している。また、ビッドの観測もあり。

EUR/USD

レジスタンス 1.0981:12/3高値 1.0950:レジスタンスポイント
サポート 1.0850:リトレースメント50.00% 1.0751:リトレースメント61.80%

ダウンサイドリスクを警戒。目先の下値ポイントは、リトレースメント38.20%及び50.00%。昨日は前者の水準でサポートされた。50.00%を下回る展開となれば、10日MA(緑ライン)がレジスタンスからサポートへ転換したかを見極めることが重要となろう。
一方、上値は1.0950レベルの攻防が焦点となろう。
1.10手前はオファー優勢、1.0730から1.0700にかけてはビッドが断続的に並んでいる。

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