乖離広がる株式市場と商品市況

Market Overview 

チャート

9日の欧米株式市場は中国の内需縮小(10月の輸入が前年同月比18.8%減)、米金融引締めそして原油価格の下落を背景に総じて軟調地合いとなった。株安を受け海外外為市場では円高優勢の展開に。一方、米金利は小幅に上昇。USD/JPYは株安の影響を受け、今年高安のリトレースメント76.40%レベルで上値がレジスト。一時123円台を割り込む局面が見られた(安値122.97)。クロス円も総じて円高優勢の展開となった。一方、EUR/USDも株安を背景にショートカバーの展開に。ただ、米欧金融政策のコントラストが鮮明となる中、上値は限定的。1.0750レベルでこう着状態が続いたまま本日の東京時間を迎えている。

Fundamentals Analysis Highlights

週明けの欧米株式市場は、総じて1%超の下落。株安を受け、外為市場では円買いで反応した。EUR/JPYとCHF/JPYの下落を考えるならば、やはりリスク回避局面(=株安局面)では円が最強通貨になりやすい状況が確認された。昨日のレポートで指摘した通り、円高リスクの再台頭はグローバル株式の動向次第となろう。

その株式市場だが、現下、先行き不透明感が強まってきた世界経済のファンダメンタルズ(=中国をはじめとしたデフレギャップ)と米金融引締めのショックを人為的な金融緩和で何とか相殺するという歪な状況となっている。
ただ、下のチャート(青ライン:MSCI World Index 赤ライン:CRB指数)を見ると、今後グローバル株式市場は神経戦に陥ることを示唆している。商品市況(CRB指数)が10月安値レベルを完全に下方ブレイクしたことで株式パフォーマンス(MSCI WI)との乖離が拡大しているが、この点は、商品市況では人為的な金融緩和がもたらす効果よりも、世界経済のファンダメンタルズに対するリスク(=新興国リスク・日欧景気後退リスク・米金融引締めリスク)に素直に反応していると言える。

株価も最終的にはファンダメンタルズで決まる。この点を考えるならば、商品市況が上昇することで乖離が収斂されるよりも、上記のリスク要因が意識され株式が下落することで、商品市況との乖離が収斂される可能性を常に意識すべきだろう。事実、株式パフォーマンスは11月以降頭打ち感が漂い始めている。今後1ヵ月、外為市場では「FOMCトレード」を背景にドル高基調が継続する可能性が高まってきたが、殊USD/JPYに関しては株式動向次第でドル安になるリスクが常にあることを認識しておきたい。

Today’s Outlook

アジア時間の焦点は、中国の指標データ(10月消費者物価指数・生産者物価指数)となろう。上述の通り、10月の同国貿易統計で輸入の減少傾向が確認された(12ヵ月連続の前年割れ)。根本的な問題が生産過剰にある以上、中国人民銀行(中央銀行)による金融緩和の強化のみでは同国の景気後退懸念を完全に払しょくすることはできない。この点を今日と明日の指標データが示唆するならば、商品市況のさらなる圧迫要因となることで、資源関連アセットを中心にリスク回避圧力が強まる可能性がある。外為市場では資源国通貨の軟調地合いが想定される。注視すべきは中国経済の動向に左右される豪ドル、原油価格の動向に敏感な加ドル、ロシアルーブルそしてノルウェークローネだろう。

海外時間は、株式市場の動向を注視したい。続落ならば、外為市場では円&ユーロのショートカバーが想定される。「株安+原油続落」ならば資源国通貨の下落幅が拡大しよう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.00:厚いオファー 123.59:リトレースメント76.40%
サポート 122.53:5日MA(青ライン) 122.00:ビッド

122.00-125.00を新たなレンジと想定。目先の攻防分岐は、リトレースメント76.40%となろう。昨日はこのテクニカルで上値がレジストされた。一方、下値は先週4日以降相場をサポートし続けている5日MAの維持が焦点。
尚、直近のオーダー状況だが123.60及び124.00にはオファーが観測されている。122.90及び122.00にはビッドの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.0886:10日MA(青ライン) 1.0800:オファー
サポート 1.0700:ビッド 1.0650:ビッド

RSIの動向を考えるならば、目先はショートカバーの展開を想定したい。ただ、反発余地は10日MAまでが限界か。1.0800及び1.10前後にはオファーが観測されている。
下値の焦点は昨日と変わらず。上記のポイントにはそれぞれビッドの観測あり。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 外国為替の取引方法

    世界最大で最も流動性の高い金融市場の仕組みについて理解します。どのように国際通貨が取引されているかをご説明し、ポピュラーマーケットの取引を開始する前に知っておくべき重要ポイントを押さえます。

  • はじめに

    アナリストがどのようにチャートを使っているのかを学び、投資家の行動を勉強し市場パターンを理解しましょう。利用可能な様々なチャートの使い方を学習し、チャートが示す価格パターンを確認します。

  • 商品の基礎知識

    商品は、ほぼすべての製品の裏側の不可欠要素として、近代経済になくてはならないものです。不安定ながらも価値の高い天然資源が、幅広い取引の世界でどのような位置を占めるのか学んでいきます。