ドル相場のトレンドは米指標データに

アナリストの視点-ドルロングの調整地合いが継続

トレーダー チャート

12日の海外外為市場は、ドルロングを調整する動きが加速した。中国人民銀行(中央銀行)によるドル売り介入観測や上値の重い米国株式の動向を受け米金利は横ばい圏で推移。これらの要因が絡み合い海外外為市場ではドル売りが加速。USD/JPYは4日以来となる123.80レベルまでドル安が進行した。一方、これまで積み上がったショートポジションを巻き戻す動きが加速し、EUR/USDも一時1.1214レベルと7月10日以来となる高値水準まで上昇する展開に。EUR/JPYやEUR/GBPも上値トライの展開となった。

筆者が指摘した通り、ショートポジションが積み上がっている円やユーロでのドルロング調整が加速している。特にユーロのそれが顕著だが、要因はポジション調整だけでなく米独の金利動向も関係していよう。
原油価格の急落を背景にインフレ期待が低下しているが、景気動向に敏感な米独の10年債利回りを比較すると、そのスプレッドは8月4日以降低下傾向にある。そしてEUR/USDチャートでは8月4日を境とし、ユーロ高/ドル安トレンドが加速していることがわかる。昨日は米金利への低下圧力が後退したことで、NYタイムではドル買い優勢の展開となった。しかし、原油価格が現在の低迷状態から脱することが出来なければ、米金利の反発は指標データ次第ということになろう。その指標データまでが冴えない内容となれば、米独利回りスプレッドの縮小傾向が継続することで(=米国のインフレ期待と9月利上げ期待の後退を背景に)、対ユーロでのドルロング調整地合いは長引く可能性があろう。

本日の焦点-米指標データ(小売売上高コア)

現在のドルロング調整圧力を後退させる要因が米指標データにある以上、本日のドル相場のトレンドを見極める上で最も注視すべき材料は、日本時間21時30分に発表される小売売上高(7月)となろう。市場予想は前月比+0.6%(コア+0.4%)。より注視すべきはコア指数の結果だが、予想以上ならば米金利の反発を促し、外為市場でのドル買戻し圧力を強めよう。また、同時刻に発表される新規失業保険申請件数で労働市場の持続的な改善が示されれば、EUR/USDは下記「Technical analysis highlights」で指摘しているサポートポイントを視野にドル高優勢の展開となろう。中国リスクに直面している資源国通貨も対ドルで下落幅が拡大しよう。
一方、円相場では、ドルストレートでのドル高がクロス円での下落要因となろう。特に8月に入ってから4円以上上昇しているEUR/JPYや92円及び82円レベルでレジストされる状況が継続しているAUD/JPYやNZD/JPYで下落幅が拡大する可能性がある。USD/JPYは125円台を視野に上昇幅が拡大する可能性があるが、米国株式市場で利上げ懸念が意識されれば、米金利の上昇圧力を相殺することから、上昇幅は限定的となろう。

逆に米指標データが総じて冴えない内容となれば、ドルロング調整地合いが継続しよう。この場合、EUR/USDは1.13台への上昇、USD/JPYは123.00トライとなるかが注目される。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.28:8/12高値 125.00:レジスタンスポイント
サポート 123.15:ボリンジャー下限(MA21  σ2.5) 123.00:サポートポイント

日足の一目/転換線(黄ライン)をローソク足の実体ベースで下方ブレイク。ボリンジャーの中心となる21日MA(青ライン)もヒゲベースで下方ブレイクする展開となった点を考えるならば、ダウンサイドリスクを警戒したい。目先の下値ポイントはビッドが観測されている123.50レベル。7月31日にサポートされた経緯がある。ただ、真の焦点は123円台の維持にあろう。ボリンジャー下限(MA21  σ2.5)が123.15前後で推移している。また、すぐ下の123.00にはビッドが観測されており、123.15-00をサポートゾーンと想定したい。

一方、上値は125円台の再上昇及び昨日高値の突破が焦点となろう。

EUR/USD

レジスタンス 1.1300:レジスタンスポイント 1.1220:レジスタンスポイント
サポート 1.1000:10日MA(赤ライン) 1.0980前後:21日MA(青ライン)/61.80%戻し

ダブルボトム形成に成功するか失敗するか。昨日、ネックライン(1.1120レベル、緑点線)の突破には成功したが、7月10日高値レベルで上値がレジストされた。ボリンジャー上限(MA21 σ2.5)を突破している状況も考えるならば、そろそろ反落する展開が想定される。その場合は、1.10付近まで上昇している10日MAを維持できるかが焦点となろう。8月に入ってからこのMAはレジスタンスライン / サポートラインとして意識されおり、且つすぐ下にはリトレースメント61.80%も位置している。これらテクニカルを下方ブレイクするならば、7月20日安値1.0808を起点とした短期サポートラインを視野に下落幅が拡大しよう。一方、ダブルボトム形成へ向けさらに調整相場が加速するならば、本日中に1.13台への攻防へシフトする可能性があろう。

尚、直近のオーダー状況だが1.1250、1.1280及び1.1300にはオファーが観測されている。一方、ビッドは1.1050及び1.1000に観測あり。

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