米イベント前の調整相場継続を想定

アナリストの視点-リスク回避の中外為市場は調整相場

チャート

週明けの海外グローバル市場はリスク回避一色の展開となった。欧米株式の続落と低迷する商品市況を受け安全資産である米国債券市場に資金がシフト。米金利の低下を背景に外為市場ではドルロングを調整する動きが加速し、ドルインデックスは14日以来となる96.28レベルまで急落した。
一方、海外時間の円相場は強弱まちまちの展開に。ドル売りの受け皿となったユーロは対ドルで13日以来となる1.1130レベルまで急伸。これを受けEUR/JPYも137円台を一時回復する局面が見られた。一方、USD/JPYは「株安・米金利低下」を背景に123円割れ寸前となれば、株安と商品市況の低迷を背景にCAD/JPY、AUD/JPYそしてNZD/JPYもNYタイムに円高優勢となりアジア/欧州時間の上昇幅を消す展開となった。

中国リスクの再台頭をきっかけに投資家心理は急速に悪化中。週明けのグローバル株式はリスク回避一色となり、商品市場ではNY原油先物が4か月ぶりの安値水準をつけ、さらに景気動向に敏感な銅先物価格(LME3ヵ月物)も節目の5000ポイントを視野に下落基調が止まらない。また、昨日のVIX指数は12.00から15.60まで急上昇している。リスク回避が台頭すると、外為市場では「ドル買い・円買い」の傾向がみられるが、昨日は「ドル売り・円買い」優勢の展開に。なぜドル売りとなったのか?上記の通り安全資産、潤沢な流動性そして日欧債と比較し利回り面で投資妙味があることから米国債券市場に資金がシフトしたことでドル売り圧力が強まったことも一因だが、主因はユーロショート(直近のシカゴIMMのユーロショートは11万枚の高水準)のポジション調整にあると考えている。実際、昨日のユーロ相場は対主要国通貨で軒並み上昇する展開に(リスク回避の圧力を跳ね除けEUR/JPYすら137円台へ一時到達する展開に)。このユーロのショートカバーをきっかけに、積み上がったドルロング(直近のシカゴIMMのドルロングは297.7億ドルと3週連続で増加し6月9日以来の高水準)の解消が進んだのが昨日のドル売りの真相とだろう。よって、ポジション調整によるドル売りは短期で終息するだろうが、この想定が崩れるならば、その要因は株式市場にあろう。中国リスクと米利上げ懸念を背景にグローバル株式の不安定化が長引けば、米国債券市場への投資妙味が増すことで皮肉にも米金利への低下圧力がさらに強まろう。結果、ドルロングを解消する動きが加速し、ドル売りトレンドが形成される可能性があろう。

本日の焦点-ポジション調整継続の可能性大

本日もリスク回避を警戒する1日となろう。焦点は再び中国株式市場に集まっているが、当局が株安対策に再び乗り出すかどうかが注目される。ただ、2度目の株式急落という事実は、当局の対策の限界を示すものであり、実際に対策に乗り出してもリスク回避ムードが後退するかどうかは不透明。中国株式市場が続落となればその影響はグローバル株式市場へ伝播し、さらに円高圧力を強めよう。特にCAD/JPY、AUD/JPYといった通貨ペアは下値模索の状況が継続しよう。

ドル相場は対ユーロの動向次第だろう。上述したようにユーロのショートカバーがドルロング調整を促す要因になっている点を考えるならば、米連邦公開市場委員会(FOMC)やGDP発表前にその動きがさらに加速してもおかしくない(米イベント後に再度ユーロ売り・ドル買いポジションを構築するため)。その場合、EUR/USDは1.12台、USD/JPYは日足の一目/基準線をターゲットにドル安が進行する可能性があろう。対ユーロ&円でドル安が進行すれば、資源国通貨や新興国通貨の下落幅も限定的となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 123.83:7/27高値 123.74:一目/転換線(緑ライン)
サポート 123.00:サポートポイント 122.45:一目/基準線(赤ライン)

21日MAを一時的にせよ下方ブレイクしたことで、本日は123円割れを警戒したい。122円台の攻防へとシフトした場合は、日足の一目/基準線が次のターゲットとして浮上しよう。このテクニカルをも下方ブレイクする展開となれば、雲の下限(122円台)の維持が焦点として浮上しよう。一方、上値は転換線のレベルを回復できるかが注目される。
尚、本日のオーダー状況だが124.00及び124.20にはオファー、123.00には厚いビッドが観測されている。122.ミドル前後そして122.00にもビッドの観測あり。

 

EUR/USD

レジスタンス 1.1200:レジスタンスポイント 1.1123:リトレースメント50.0%
サポート 1.1000:サポートポイント 1.0969:一目/転換線(赤ライン)

ポジション調整(ユーロのショートカバー)が継続すると想定した場合、焦点は1.12台の回復にあろう。1.12台再上昇の鍵の握るのは、直近安値からのリトレースメント50.0%レベルとなろう。一方、下値は1.10台の維持が焦点となろう。
尚、直近のオーダー状況だが1.1150にはオファー、その上にはストップの観測あり。一方、ビッドは1.10に観測あり。

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