各国指標データと米株にらみの1日

アナリストの視点-不透明感強める米国株式市場

チャート

23日の海外外為市場は、ギリシャ金融支援問題の解決に向けさらに前進が見られたことをきっかけにユーロのショートカバーが優勢の展開となった。EUR/USDは一時日足の雲の下限を上方ブレイクし、高値1.1018レベルまで上昇する展開に。ユーロクロスでも同様の展開となり、EUR/JPYは136円ミドル手前、EUR/GBPは14日以来となる0.71台へ上昇する局面が見られた。

一方、円相場はまちまちの展開に。上記の通りEUR/JPYは上昇基調を維持したものの、他のクロス円は、軟調地合いが継続した欧米株式や低迷する商品市況の動向を受け、円高優勢の展開に。USD/JPYは124円を挟んでこう着状態が継続したまま、本日の東京時間を迎えている。

米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控える中、主要な米国の株価指数では上値の重さが鮮明となってきた。株式下落の主因は冴えない四半期決算にあるが、筆者が注視しているのは、直近の良好な指標データがその(=冴えない四半期決算の)影響を相殺できない状況だ。17日以降に発表された米住宅関連指標は、労働市場の改善を背景に良好な内容が続いた。また、昨日発表された新規失業保険申請件数も25.5万件と、1973年11月以来、約41年8カ月ぶりの低水準まで低下し、且つ4週間移動平均は27.85万件と、節目となる30万件を17週連続で下回った。良好な米指標データが続いているにもかかわらず、FOMCを前に米株価指数の上値が揃って重くなり始めた事実は、利上げに対する警戒感が徐々に高まってきたこを示唆している。事実、景気動向に敏感なダウ輸送株指数(物流株のトレンドを示す指数)は、先週金曜日以降上値がレジストされ、7月8日の安値(8002.54)を再び視野に下落し始めている。

また、ドル高に対する懸念もあろう。直近のドル高トレンドが一因となり、国際商品指数の総合的な値動きを示すロイター・コアコモディティーCRB指数は、6年4か月ぶりの水準まで低下してきた。米利上げ観測を背景としたさらなるドル高の進行は、さらなる商品市況の低迷を促し、最終的に米国株式市場のさらなる不安定化を誘発する可能性がある。リスク選好の先導役である米国株式市場が崩れれば昨日のレポートでも指摘した通り、外為市場では円高圧力が強まろう。

本日の焦点-各国経済指標と株式動向

アジア時間は、中国の製造業購買担当者景気指数(7月、PMI)速報値に注目したい。同国の貿易統計によれば、輸入量は8か月連続で減少中。内需の縮小が企業活動の低迷につながっていることが確認されれば、同国の景気後退懸念とそれに伴う資源需要の縮小観測を背景に資源国通貨の圧迫要因となる可能性がある(6月の石炭及び鉄鉱石等を運搬する鉄道貨物輸送量は二桁のマイナス)。また、欧米株式の下落要因ともなろう。

欧州時間では、ユーロ圏の製造業購買担当者/サービス部門景気指数(7月、PMI)速報値に注目したい。総じて良好な内容となれば、さらなるユーロのショートカバーを促す要因となろう。ただ、そのような展開となっても、その持続性はNY時間に発表される米新築住宅販売件(6月)の内容次第だろう。市場予想(54.8万件)以下となれば、持続的なユーロのショートカバーが想定される。一方、市場予想以上ならば米利上げ観測が意識され対ユーロでドルを買い戻す動きが散見されよう。後者の展開となった場合は、米国株式市場と商品市場がさらに下値を模索する可能性があるため要注意。両市場で軟調地合いが継続すれば、外為市場では資源国通貨売り・円買い優勢の展開となろう。ドル相場は米金利の動向次第だろう。株安を背景に金利低下となればドル買いは限定的となる一方、金利のみが上昇する展開となれば「リスク回避」のドル高となる可能性がある。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.57:リトレースメント76.40% 124.47:7/21高値
サポート 123.50:サポートポイント 123.21:21日MA(赤ライン)

上値の焦点は引き続き124円ミドルレベル(=リトレースメント76.40%)となろう。一方、下値のそれは123円ミドルレベル及び21日MAとなろう。
尚、直近のオーダー状況だが124.20及び124.50にはオファー、124.75上にはストップが観測されている。ビッドは123.50及び123.00に観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1023:21日MA(赤ライン) 1.0994:日足の一目/雲の下限
サポート 1.0936:10日MA(黄ライン) 1.0811:7/21安値

日足の一目/雲の下限をトライするも、ローソク足の実体ベースの突破には失敗。すぐ上に21日MAが推移している現状も考えるならば、目先の焦点はこれらテクニカルポイントをローソク足の実体ベースで突破できるかどうかだろう。それに成功すれば、次のターゲットはレジスタンスラインとなろう。1.1050にはオファーが観測されている。
一方、下値は1.08台の維持が焦点となろう。1.0850及び1.0800には厚いビッドが観測されている。

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