焦点は引き続き米指標データと株式動向

アナリストの視点-米国株式市場、良好な指標データに反応せず

チャート

22日の海外外為市場でのドル相場は売り買いが交錯するも、良好な米住宅関連指標の結果と米金利の上昇を背景にドル高基調を維持する展開となった。米ドルの総合的なトレンドを示すドルインデックスは小幅に反発。USD/JPYも124円台へ再上昇する局面が見られた。ただ、米株が続落したこともあり高値124.15レベルで上値がレジストされた後は123円台へと反落した。クロス円は強弱まちまちの展開に。EUR/JPYは135.00-135.50のレンジ相場が継続する一方、利上げ期待が高まっているGBP/JPYは194円手前までポンド高の展開に。一方、CAD/JPYはNY原油先物相場が1バレル=50ドルを完全に割り込んできた影響もあり、95円前半で上値の重い状況が継続した。8時時点でUSD/JPYは123.90台、EUR/USDは1.090台でこう着したまま、本日の東京時間を迎えている。

昨日発表された6月の米中古住宅販売件数は、季節調整済みの年率換算で549万戸と市場予想(540万戸)を上回り、且つ2007年2月の579万戸以来、8年4カ月ぶりの高水準となった。また、販売価格も中間値で23万6400ドルと、ピークを付けた2006年7月の23万400ドルを上回った。17日に発表された住宅着工件数と許可件数も堅調な伸びを示した点を考えるならば、労働市場の改善(賃金の上昇)に伴い米国内の個人消費が持続的な拡大傾向にあると言えよう。これらの事実は、年内利上げをメインシナリオとして設定しているイエレンFRBの支援要因となろう。実際、米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは6月26日以来となる0.71%台を回復している。
問題はやはり米国株式市場の反応だろう。昨日の米国債券市場は良好な指標データに金利上昇で素直に反応したが、米国株式市場は下値を模索する状況が継続した。良好な指標データが冴えない企業決算のネガティブインパクトを打ち消すことができなった点は、それ(=良好な指標データ)が利上げ懸念を想起させ米国株式市場の圧迫要因となる可能性があることを示唆している。企業決算を何とか乗り切っても、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)や良好な指標データにより9月の利上げ観測が急速に高まれば、8月の米国株式市場は不安定化する可能性がある。そのような展開となれば、円相場は一度円高へ振れる可能性が高いだろう。

本日の焦点-米指標データと株式動向

米欧株式の軟調地合いを受け、本日の日経平均も上値の重い展開が想定される。このため東京時間の円相場は若干ながら円高優勢となる可能性があろう。

外為市場が大きく動くとしたら海外時間に入ってからだろう。注目は引き続き米指標データだが、新規失業保険申請件数が良好な内容となれば、米利上げ期待の高まりを受け「米金利上昇・ドル高」の展開が想定される。問題は上述した米国株式市場の動向だが、企業決算が良好ならば素直にリスク選好の展開となろう。逆に総じて冴えない内容が続けば続落する展開となろう。後者の展開となった場合、米国株式市場の下落に米金利が追随するかが注目される。昨日のように「株安・金利上昇」となればドル相場は堅調に推移するだろう(リスク回避のドル高)。一方、「株安・金利低下」となれば、ドルロングを調整する動きが優勢となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.57:リトレースメント76.40% 124.47:7/21高値
サポート 123.50:サポートポイント 123.20:21日MA(赤ライン)

上値の焦点は引き続き124円ミドルレベル(=リトレースメント76.40%)となろう。一方、下値のそれは123円ミドルレベル及び21日MAとなろう。
尚、直近のオーダー状況だが、124.50には相変わらず厚いオファーが観測されている。124.75にはストップの観測もある。一方、ビッドは123.50レベル及び123.00に観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.0994:日足の一目/雲の下限 1.0947:10日MA(黄ライン)
サポート 1.0811:7/21安値 1.0800:サポートポイント

目先の下限を1.08、上限を日足の一目/雲の下限と想定。ただ、連日10日MAで上値がレジストされていること、RSIが売り買い分水嶺の50.00を下回る水準で推移している点を考えるならば、1.08トライを常に想定しておきたい。
尚、直近のオーダー状況だが1.0970レベルにはオファー、上の水準にはストップの観測あり。ビッドは1.00850及び1.088に観測されている。また、1.0790レベルにも厚いビッドの観測あり。

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