調整からリスク回避への変化を注視

アナリストの視点-未だ調整の範囲内だが

チャート

9日の海外外為市場は、ドル安優勢の展開となるも材料難から大きな値動きは見られなかった。独金利の反発基調を背景にEUR/USDは1.12後半を中心にレンジ相場となった。前日の流れを引き継ぎ資源国通貨や新興国通貨も対ドルで堅調に推移。ただ、米労働省が発表した求人労働移動調査(JOLTS)で求人件数が5.2%増の約540万件と、統計開始(2000年12月)以来の高水準を記録したことで米金利にも上昇圧力が強まったことからドル売りは限定的だった。

円相場では、ドルストレートでのドル安傾向を背景にクロス円はNYタイムに円安優勢の展開に。USD/JPYは124円台を維持したまま本日の東京時間を迎えている。

「上昇基調を維持する米金利 / 軟調地合いの米国株式」という状況が継続中。VIX指数は14.00-15.00レベルで推移。また昨日は、石油輸出国機構(OPEC)が5日、減産見送りを決定したにもかかわらず原油相場が1バレル=60ドル台を回復し、外為市場では加ドル(CAD)をはじめとした資源国通貨が底堅い展開となっている点を鑑みるに、投資家のリスク許容度が縮小している傾向は確認できない。よって、現状の米株の下落は調整の範囲内と捉えたい。
だが、イエレンFRB議長の「年内利上げ」発言(5月22日)以降、米国株式市場では主要3市場が揃って上値を切り下げる一方、VIX指数は徐々に上昇しており、米利上げに対する警戒感が意識されているのは明白。米株が「緩和マネー依存症」に苦しんでいるこのタイミングで、明日以降の米指標データが総じて好調な内容だった場合、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感が強まろう。結果、米株での調整色がリスク回避色へ変化する可能性がある点に注視しておきたい。その場合、米金利の上昇圧力が相殺されることで、USD/JPYは目先のサポートポイント123.70レベル、21日MA(今日現在122.60前後)そして3月10日安値122.03レベルを視野に下落幅が拡大する可能性があろう。

本日の焦点-米独金利の動向に注目

本日も材料の少ない一日。また、明日以降の米指標データ待ちというタイミングも考えるならば本日も方向感のない展開が想定される。

注目は米独の金利動向だろう。景気回復期待(成長とインフレ見通しの改善期待)を背景に独金利の上昇基調が継続した場合、EUR/USDは下記「Technical analysis highlights」で指摘しているレジスタンスポイントを目指す展開が想定される。
米金利のトレンドは米株の動向次第だろう。独金利の反発基調に米金利が追随しても、米利上げ懸念が米株の下落幅を拡大させるならば金利の上昇圧力を相殺しよう。結果、EUR/USDは上記の通り上値トライ、USD/JPYは下値トライとなろう。ただ、目下クロス円はドルストレートにトレンドが左右されている。EUR/USDでのドル安が震源地となりドル相場全体がドル売り優勢となれば、クロス円の上昇がUSD/JPYの下落圧力を相殺しよう。目先、123.70レベルを維持できるかが注目される。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.86:6/5高値 125.00:レジスタンスポイント
サポート 123.70:サポートポイント 123.00:サポートポイント

上値の焦点は125円台の再上昇で変わらず。下値のそれは123.70レベルを維持できるかどうかだろう。このレベルには、昨日同様ビッドが観測されている。
123.70以下の攻防へシフトした場合は、ビッドとストップが観測されている123.50、同じくビッドが観測されている123.00が次のターゲットとして浮上しよう。
一方、オファーは124.80及び125.00にそれぞれ観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1380:6/4高値 1.1350:レジスタンスポイント
サポート 1.1145:一目/基準線、10日&21日MA 1.1100:サポートポイント

アセンディングトライアングルを形成中。目先の焦点は、6月4日高値の突破となろう。
一方、下値のそれは日足の一目/基準線(赤ライン)、10日MA(黄ライン)そして21日MA(緑ライン)が密集している1.1145レベル。
尚、直近のオーダー状況だが1.1310-20レベルにはオファー、1.1200レベルにはビッドがそれぞれ観測されている。

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