「米株高/金利上昇」の共存関係に注目

アナリストの視点-米国マーケットにおける共存関係に注目

米国株式

25日の海外外為市場は、市場参加者が乏しい中、先週からの流れを引き継ぎドル高優勢で推移した。ドルストレートでのドル高は円相場でのクロス円下落を誘発。EUR/JPYはギリシャリスクの再台頭も合わさり、5月5日以来となる133.25レベルまで下落。他のクロス円も総じて円高優勢の展開となった。一方、UDS/JPYはドル高とクロス円の下落に挟まれ、121ミドルレベルでこう着状態が継続したまま、本日の東京時間を迎えている。

独金利が再び低空飛行状態へ逆戻りしつつあり、且つ6月に期限を迎える国際通貨基金(IMF)への返済に不透明感が強まっているギリシャ債務問題が再び意識され、EUR/USDは1.1の攻防に敗れつつある。このまま1.05-1.10のレンジ相場へ逆戻りするかどうか、それは米指標データ次第であることはすでに指摘した通り。今日以降、順次発表されるそれら指標データが総じてイエレンFRBによる早期利上げ期待を強める内容となれば、6月中に1.05再ブレイクをトライする展開も想定される。

一方、USD/JPYも米指標データ次第でトレンドが左右されよう。日米欧株価指数は世界的な緩和レースを背景に高値圏を維持している。しかし、122円台に近づくにつれUSD/JPYの上値が重くなっている背景には、2つの要因ある。ひとつは国内要因(=追加緩和期待の後退&国際収支の改善)。もうひとつは米金利の動向。筆者がより注視しているのは後者だ。先週のコアCPIやイエレン議長の年内利上げ発言を受けて尚、米2年債利回りは3月上旬のレベル(=0.72~0.73%)にすら反発することなく低空飛行で推移している。10年債利回りも2.40%台へ近づくと低下圧力が増す状況に変化は見られない。これら米金利の頭打ち感を打破するには、やはり1-3月期の景気低迷はイエレンFRBが指摘するように特殊要因に起因した一時的な現象であった、という証拠が必要だろう。

だが、良好な指標データは短期的に米株の圧迫要因となる可能性がある。よって円相場はEUR/USD以上に予測が難しい。特に直近の米国マーケットの動向は、「株高/米金利上昇」という共存関係の構築が難しい環境となっていることを示唆する局面が見られる。USD/JPYの122円超えは意外とハードルが高いのかもしれない。

本日の焦点-米指標データと株式の反応に注目

最大の焦点は、日本時間21時30分以降より順次発表される米指標データとなろう。総じて良好な内容となれば、米早期利上げ期待の再台頭を背景に「米金利上昇/ドル高」の展開が想定される。ギリシャ問題が再び意識され始めたタイミングで米早期利上げ期待が強まれば、EUR/USDは上述したレンジ相場(=1.05-1.10)へ逆戻りするムードが強まろう。
一方、USD/JPYが上値トライとなるかどうかは、米株の動向次第だろう。米金利の上昇のみではドル高圧力がクロス円の下落要因となり、結果USD/JPYの上値をレジストするからだ。良好な指標データに素直に株高で反応するならば、122円トライのムードが強まろう。

だが、現在の米国マーケットは「株高/金利上昇」の共存が難しい環境となっている。イエレン発言後の良好な指標データが、かえって早期利上げ「懸念」の方を想起させる可能性も常に意識しておくべきだろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 122.03:今年最高値 121.77:5/25高値
サポート 120.50:サポートポイント 120.00:サポートポイント

最大の焦点は年初来高値の更新。122.00レベルには厚いオファーと同時にオプションバリアも観測されており、3月同様上値をレジストする可能性を意識したい。だが、良好な米指標データ及び株高維持となれば、122.00上のストップを巻き込みさらなる上値トライの可能性が高まろう。その場合は、再び厚いオファーが観測されている122.50レベルが次のターゲットとして浮上しよう。尚、2007年7月17日以降、このレベルで上値がレジストされた経緯がある。
一方、下値は上記のポイントを維持できるかが注目される。121.00、120.50前後にはビッドの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1064:一目/基準線(赤ライン) 1.1035:5日MA(黄ライン)
サポート 1.0968:一目/雲の上限 1.0882:リトレースメント61.80%

短期サポートライン、1.10の攻防そして直近高安の50.00%戻しを下方ブレイク。RSIも売り買い分水嶺の50.00を再び割り込んできた状況を鑑みるに、さらなるダウンサイドリスクを警戒したい。目先の焦点は日足の一目/雲の上限での攻防だが、昨日1.10前後で上値がレジストされた状況を鑑みるに、61.80%戻しレベルまでの下落を想定しておきたい。
一方、上値は上記のテクニカルポイントをトライするかが焦点となろう。

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