焦点はユーロ売りによるドル高再燃

アナリストの視点-週明けはドル高優勢

米ドル

20日の海外外為市場はドル買い優勢の展開となった。EUR/USDはギリシャリスク再燃を背景に21日MAで上値が抑えられ反落。USD/JPYは欧米株高を背景に米金利が上昇したことで、高値119.44レベルまで上昇する展開に。テクニカル面では日足の一目/雲の下限をローソク足の実体ベースで維持する状況がかろうじて継続した(ヒゲベースでは4営業日連続の下方ブレイク)。また、ニューヨーク講演でのスティーブンス豪準備銀行(RBA)総裁によるハト派発言を受け豪ドル売りが強まったことも、ドル相場をサポートした。オセアニアタイムは若干のドル&円売りで推移するも、大きな値動きが見られないまま本日の東京時間を迎えている。

昨日の欧米株式市場は、中国の緩和強化や大幅増益となったモルガン・スタンレーの四半期決算を受け総じて堅調に推移した。しかし、米独金利は対照的な展開となった。米金利は株高を背景に2年/10年債利回りが共に上昇した一方、独連邦債利回りは8年物までマイナス化が常態化しているだけでなく、10年債利回りも0.10%割れが明確化しマイナス金利化も視野に入ってきた。米独金利差はEUR/USDの変動要因だが、その独金利が現在の欧州株高をもってしても欧州中央銀行(ECB)による緩和強化の影響を跳ね返す力がない事実は、対ドルでのユーロ売りが今後も継続することを示唆している。さらに今後1週間は、ギリシャ情勢の趨勢を見極める上で重要局面を迎える。ギリシャ側が支援国側(EU、IMF、ECB)を納得させるだけの構造改革案さえ示すことが出来なければ5月中のデフォルトリスクがマーケットで意識され、ユーロ売り圧力が再び強まろう。欧州株式を震源地にグローバル株式市場の不安定化も想定される。

外為市場は直近の冴えない米指標データを背景にドル高調整局面から脱し切れていないものの、ユーロ売りがドル相場をサポートすることで、ドル高優勢地合いが復活する事態を常に意識しておくべきだろう。

 

本日の焦点-EUR/USDAUD/JPYの動向に注目

先週とは打って変わってユーロ売りがドル相場をサポートするかどうか、この点を見極めるため、本日はギリシャ情勢に関する報道とともに日本時間18時の独ZEW感調査(4月、期待指数)内容にも注目したい。市場予想は55.3と前回(54.8)よりも改善する見通しとなっている。独景況感の改善は株高/ユーロ買いを誘発する可能性が高い。しかし、ECBによる緩和強化とギリシャリスクを背景に独金利の反発が限定的ならば米独金利差は埋まらず、結果ユーロのショートカバーは限られよう。上下のチャートポイントに関しては下記「Technical analysis highlights」を参照されたい。

円相場は引き続き株式にらみの展開となろう。本日の日経平均は昨日の欧米株式の流れを引き継ぎ堅調に推移することが想定される。USD/JPYは21日MAトライを想定したい。株高継続ならばクロス円もサポートされるだろう。だが、ドルストレートで再びドル高圧力が強まっている点を鑑みるに上値は限られよう。クロス円の中でも注視すべきはAUD/JPYの動向だろう。日本時間10時30分にRBA金融政策会合議事要旨が公表される。将来の利下げを示唆する内容となれば豪ドル売り圧力が強まり、短期サポートライ(4/2安値90.20-1/15安値90.48)のトライを視野に91円台の攻防へとシフトしよう。

NYタイムは引き続き四半期決算を受けた米株の動向が焦点となろう。米株続伸ならば米金利の反発基調が継続することでドル相場をサポートしよう。円相場は一転して堅調なUSD/JPYがクロス円をサポートする展開となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 119.93:一目/基準線(緑ライン) 119.62:21日(赤ライン)
サポート 118.53:4/20安値 118.21:リトレースメント61.80%

かろうじて日足の一目/雲の下限をローソク足の実体ベースで維持する状況が継続中。ただ、RSIが売り買い分水嶺の50.00を下回る水準で推移し続けている状況を鑑みるに、完全にドル高/円安トレンドへ反転したと判断するのは早計。まずは21日MAを上方ブレイクできるか、この点を見極めたい。一方、下値は昨日安値の118.50レベルを維持できるかが注目される。下方ブレイクした場合は122.03からの61.80%戻し118.20レベルが次のサポートポイントとして浮上しよう。尚、直近のオーダー状況だが119.50-60レベルにはオファーが並んでいる。ビッドは118.50(輸入/オプション絡み)&117.50レベルにそれぞれ観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.0800:レジスタンスポイント 1.0790:21日MA(緑ライン)
サポート 1.0700:10日MA(赤ライン) 1.0625:4/16安値

引き続き21日MAの攻防が焦点。日足の一目/基準線もこのMAレベルまで上昇している。一方、下値は昨日ユーロをサポートした10日MAを維持できるかが注目される。尚、直近のオーダー状況だが1.0800にはオファー、1.0700にはビッドがそれぞれ観測されている。

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