ドル高再燃の中、焦点は米株のトレンド

アナリストの視点 -「ドル高=米株安」の連鎖を断ち切れるか?

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先週の主要な世界株式市場の動向を振り返ると、トルコBIST100を除き主要な先進国/新興国株式は軒並み上昇した。その中でも筆者が注目したのは米国株式の動向だ。ダウ平均は3月24日以来となる1万8千ドル台を回復。S&P500は週間ベースでは約2カ月ぶりに2週連続上昇する展開となり、3月2日につけた最高値に迫った。現在のマーケットは「ドル高=米株安」と本レポートで指摘してきたが、先週は連鎖が見られなかった。
今週の外為市場のトレンドを見極める上で最も重要なテーマは、「ドル高=米株安」の連鎖を断ち切れるか否か、となろう。

今週以降の米国株式のトレンドを見極める上で注視すべきは、14日以降から本格化する四半期決算だろう。好調な決算内容が米株をサポートするならば、「ドル高=米株安」の連鎖を断ち切る期待感を背景に、円相場ではUSD/JPYが年初来高値122.03を視野に上昇圧力が強まる展開が想定される。クロス円は、USD/JPYの上昇と株高にサポートされる展開となろう。

ただ、S&P総合500種指数採用企業の2015年第1四半期利益は、前年同期比2.8%減少するとの予想がある(トムソン・ロイター調査)。実際、ISM製造業総合景況指数は昨年10月の57.9をピークに5カ月連続低下し、2013年5月以来の低水準に落ち込んだ。また、輸入指数は昨年10月以来の高水準となる55.5となり2月の51.0から上昇。明らかにドル高の影響を受けていることが読み取れる。また、直近の原油価格低迷の影響も合わさり今回の決算が総じて減収/減益となれば、過去1年間に見られた「四半期調整パターン」を繰り返すことになろう。「ドル高=米株安」の連鎖を断ち切れず米株が調整色を強めた場合、USD/JPYも株安(=円買い圧力)に反応し円相場全体で円高優勢の展開となろう。特に、下記で述べる欧州通貨(EUR/JPY、GBP/JPY)の動向には注意が必要だろう。


今日の焦点 - 欧州通貨の動向に注目

原油価格の反発に伴い、先週の外為市場では資源国通貨買い(ブラジルレアル、ロシアルーブル、豪ドル、マレーシアリンギット)が目立った。
対照的に軟調地合いが目立ったのがユーロだった。対ドルでは節目の1.05が再び視野にユーロ売り圧力が再燃。背景には2つのユーロ売り要因がある。ひとつは言うまでもなく、欧州中央銀行(ECB)による緩和強化。そしてもう一つは、ユーロ特有の問題であるギリシャリスクだ。特に今週は、ギリシャが14/17日に短期国債の償還を迎えることから、より後者の面がクローズアップされる可能性が高いだろう。同国の資金枯渇問題が今週以降鮮明化すれば、ユーロ相場は対ドル / 円でさらに下値を模索しよう。
また、英ポンドも総選挙(5/7実施)という特有のリスクに直面している。二大政党制の支持がそれぞれスコットランド民族党(SNP)とイギリス独立党に流れているという報道が早くも出始めている。インフレ鈍化懸念が台頭しているタイミングでこれら独立問題が現実的な懸念として浮上すれば、対主要国通貨でのポンド売りを誘発しよう。
また、これら特有の問題に直面しているタイミングで上述した米株が四半期決算で調整色を強めれば、EUR/JPYとGBP/JPYがクロス円での円高をけん引する可能性があろう。


Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 121.00:レジスタンスポイント 120.74:4/10高値
サポート 120.02:21日MA(緑ライン) 119.45:4/7安値

目先は、今日現在節目の120.00前後で推移している21日MAを維持できるかが焦点となろう。120.00、119.50レベルにはビッドが観測されている。
一方、上値はオファーが観測されている120.80レベルを突破し、121円台へ到達できるかが注目される。

EUR/USD

レジスタンス 1.0795:21日MA(青ライン) 1.0757:一目/基準線(赤ライン)
サポート 1.0500:心理的節目 1.0478:ボリンジャー下限(緑ライン)

1.05トライが今週の焦点となろう。1.04台の攻防へシフトした場合は、ボリンジャー下限(MA:21、σ:2.0)を維持できるか焦点として浮上しよう。一方、上値だが、まずは一目/基準線及び21日MAのトライとなるかが注目される。

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