焦点は米指標データと株式の反応

Market Overview -米株安&ドル高優勢地合いは継続

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11日の海外外為市場でもドル高優勢地合いは継続した。米欧金融政策のコントラストを背景にEUR/USDは1.0511レベルまでユーロ安/ドル高が進行。一方、USD/JPYはクロス円での円買い圧力を世界的なドル買い圧力が相殺し、121円台を堅持する状況が継続した。また、本日早朝にニュージーランド準備銀行(RBNZ)は政策金利を3.50%に据え置くことを決定。その後公表された声明文では「今後の金融政策は指標データ次第」と中立スタンスを示したことでNZDは急上昇。対ドルで節目の0.7300レベル、対円で88.50レベルをそれぞれ突破する局面が見られた。

昨日のグローバル市場で注目すべきは、対照的な値動きとなった欧米株式市場と円相場の反応だろう。主要な欧州株式市場は欧州中央銀行(ECB)の緩和マネー流入期待を背景に、ストックス欧州600指数は約6週間ぶりの大幅高となる等、堅調さを取り戻す兆しが見え始めた。対ドルで12年ぶりの安値圏までユーロ安が進行したことで、輸出増による域内経済の回復期待も欧州株式全体をサポートした。一方、米株はイエレンFRBによる早期利上げ懸念を背景に不安定な値動きが継続。株式市場が円相場の変動要因であることは何度もこのレポートで指摘してきたが、海外時間のクロス円を振り返ると、欧州株高がドルストレートでのドル高圧力を相殺することなくむしろ米株続落の方に反応し、アジア時間と比較して総じて下値トライとなった事実を鑑みるに、米株と円相場の相関性が相当高いことがわかる。

また、米株続落に加え、過剰供給懸念を背景に原油相場(WTI4月限)までが再び下値を模索している状況を受けて尚、直近の米金利の低下幅が限定的である点も重要だろう。米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは0.70%付近を維持している現状を鑑みるに、背景にあるのは、明らかに米早期利上げ観測だ。来週の連邦公開市場委員会(FOMC)を意識し「米株安+金利上昇」傾向が鮮明となれば、ドル買いと円買いの両圧力に挟まれているUSD/JPYは再びレンジ相場へ突入する可能性が高まろう。また、中期的に米株安がトレンド化すれば、安全資産への投資妙味から米金利の低下圧力増大を誘発することから、下値トライの展開にも警戒する必要があろう。テクニカル面での焦点は下記「TECHNICAL ANALYSIS HIGHLIGHTS」を参照されたい。

Today’s Outlook -米指標データと株式の反応

円相場は引き続き株式にらみの状況が続くだろう。東京時間は国内株式動向にトレンドが左右されよう。ただ、上述したように最も注視すべきは米株の動向だろう。

その米株だが、日本時間21時30分に発表される小売売上高(2月)が市場予想を上回った場合の反応に注目したい。個人消費改善を素直に意識するか、「良好な指標データ=早期利上げ懸念」として捉えられるか。前者ならば値ごろ感もあり米株は反発しよう。その場合、USD/JPYは122円をトライすると同時にクロス円での円高圧力を相殺しよう。後者ならば、ドルストレートでのドル高も合わさりクロス円での円高がUSD/JPYの上値を抑えよう。

一方、本日の米指標データが総じて冴えない内容となれば、早期利上げ懸念の後退によりむしろ米株が反転する展開が想定される。ただ、この場合(米早期利上げ観測の後退)は米金利の低下を招く可能性がある。よって、外為市場ではドルロング調整地合いとなり、一時的な「株高オンリーのリスク選好」を背景に資源国通貨そして新興国通貨が対ドルで堅調に推移しよう。また、ユーロドルでもユーロのショートカバー優勢となり、下記「TECHNICAL ANALYSIS HIGHLIGHTS」で指摘しているレジスタンスポイントをトライする可能性があろう。
一方、円相場はドルストレートでのドル安と株高を背景にクロス円での円高圧力が後退するだろう。だが、USD/JPYは米金利低下に伴うドル売り圧力を受け、結局上値の重い状況が継続しよう。USD/JPYが122円を超えてさらなる上値トライとなるには、「米株高+金利上昇」が同時に発生することが条件というわけだ。

Technical analysis highlights

レジスタンス 122.50:レジスタンスポイント 122.03:3月10日高値
サポート 120.58:リトレースメント23.60% 119.63:21日MA(3/11現在、赤ライン)

上値の焦点は10日高値の突破となろう。122円台の攻防へとシフトすれば、昨日同様オファーとオプションバリアが観測されている122.50の攻防が次の焦点として浮上しよう。

一方、下値は120円台の維持が焦点となろう。テクニカル面では122.03からの23.60%戻し(120.57)での攻防に注目したい。このテクニカルポイントは9日の安値レベルに位置しており、尚且つ120.60-50ゾーンにはビッドが観測されている。また、120.20レベルにはストップ、120.00を挟んだ水準ではビッドとストップが混在する状況となっている。

EUR/USD

レジスタンス 1.0752:リトレースメント23.60%戻し 1.0650:レジスタンスポイント
サポート 1.0500:サポートポイント 1.0450:サポートポイント

目先の重要テクニカルポイントであった2000年10月安値0.8231レベルを起点とした長期サポートラインをも下方ブレイクしたことで、さらなるダウンサイドリスクを警戒したい。2003年前半の動向を振り返ると、重要サポートポイントとして意識すべきは1.05だろう。このレベルには、昨日同様厚いビッドとオプションバリアが観測されている。1.05ブレイクとなれば、同じくビッドが観測されている1.0450レベルが次の焦点として浮上しよう。

一方、ユーロのショートカバーとなった場合は、オファーが観測されている1.0650及び昨日安値(1.0511)からの23.60%戻し1.0752レベルまで反発するかが注目される。

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