今週最大の焦点はイエレンFRBのスタンス

Market Overview -焦点はイエレンFRBの対話力

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注目されていたユーロ圏財務相会合では、ギリシャ金融支援に関して4カ月延長することで合意に達した。一方、ギリシャのツィプラス政権側は、今後実施すべき財政再建や経済成長を後押しする構造改革案を23日に提出することになる。ひとまずギリシャリスクは後退したものの、根本的な問題の解決には至っていないことから、今後もギリシャリスクを巡り紆余曲折があろう。実際、20日の欧州株式は総じて堅調に推移したものの、ドイツ5年債利回りが過去最低水準まで低下し、ユーロドルの反発は限られる等、欧州マーケットの反応はまちまちとなった。

ただ、先週のグローバル株式の週間騰落率を確認すると、ほとんどの先進国&新興国のそれらはプラス圏で推移した。特に米国株式市場ではダウ平均とS&P500ともに最高値を更新する展開に。ギリシャリスクに直面しながら主要な欧州株式も1%前後の上昇率となった。また、外為市場でも原油価格の反発基調を背景に資源国通貨での買戻し基調が継続する等、2月に入りグローバル市場は着実にリスク選好へと回帰している。

今週の焦点はこのトレンドが継続するかどうかだが、その鍵は米国にあろう。特に注目すべきは、24-25日に予定されているイエレン連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言だろう。1月下旬以降の米指標データは、雇用統計を除けば総じて冴えない内容が続いており、6月利上げの可能性を高めるものではない。それでもイエレン議長が金融正常化に向け積極的な姿勢を示した場合、米金利変動リスクが意識されることで短期的に米株が現在の高値圏から崩れる可能性がある点は要注意。この場合、グローバル株式市場も不安定化することで、外為市場ではリスク回避のドル&円買い圧力が強まろう。資源国通貨やファンダメンタルズ面で脆弱な新興国通貨は売り優勢の展開となろう。

一方、ハト派スタンスを鮮明した場合は、米株をはじめグローバル株式全体での株高維持の可能性が高まろう。この場合、米金利の低下によるドル売り圧力が強まると同時に、株高を背景に円安優勢の展開も想定される。資源国通貨や新興国通貨は対ドルで堅調に推移しよう。ただ、先進各国が緩和スタンスを鮮明にする中、米国までその動きに追随すれば中長期スパンでは資産バブルを生み出すリスクがある。

どちらの道を選択するにせよリスクはあり、今回イエレンFRBが問われているのはまさにマーケットとの対話力であろう。

Today’s Outlook -ユーロ相場に注目

ギリシャリスクはひとまず後退したものの、ユーロドルの戻りは限定的となっている。ツィプラス政権の選挙公約を考えるならば、今後もギリシャ情勢が事あるごとに欧州政治の火種としてあり続けることを市場参加者が意識していることがうかがえる。だが、指標データがその点をカバーすれば、1.1250レベルを維持する状況が継続している点を鑑みるに、短期的にはユーロのショートカバーを誘発し易い環境にあるとも言える。

本日は2月のIFO企業景況感指数が発表される。予想値は107.7と前回の106.5より回復する見通し。一時的にギリシャリスクが後退しているタイミングで予想以上の内容となれば、対ドルで積み上がったユーロのショートポジションを調整する動きが優勢となろう。また、ドイツのファンダメンタルズ改善期待を背景に欧州株式も上値トライとなることで円相場ではクロス円、特にユーロ円を中心に円安優勢の展開となる可能性が高いだろう。ドル円は株式とクロス円に左右される展開が継続しよう。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 120.00:レジスタンスポイント 119.50:レジスタンスポイント
サポート 118.43:21日MA(20日現在、赤ライン) 118.17:一目/基準線(20日時点、緑ライン)

今週も118.00-119.50を中心レンジと想定。ダウンサイドの焦点は、21日MA(赤ライン)及び一目/基準線(赤ライン)での攻防だろう。週初も基準線が推移するレベルから118.00にかけてはビッドが断続的に並んでいる。一方、トップサイドの焦点は、119.50レベルの攻防となろう。先週に続きこの水準にはオファーが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.1500:レンジの上限 1.1450:レジスタンスポイント
サポート 1.1279:2月20日安値 1.1250:レンジの下限

1.1250-1.1500を中心レンジとする状況は変わらず。上限と下限、どちらをブレイクするかが今週も焦点となろう。1.1250レベルの底堅さを考えるならば、短期的にはショートカバーの展開を想定したい。ただ、一時的にせよギリシャリスクが後退しているにも関わらず1.1450レベルで次第に上値が重くなっている現状は、ユーロが買えない通貨であることを示唆している。よって、中長期的には常にレンジの下限ブレイクを想定すべきだろう。

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