冴えない米指標と綱引き相場

Market Overview-綱引き状態に陥ったマーケット

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週明けの米国株式は総じて堅調に推移。冴えない米指標データが嫌気され上値の重い局面が散見された。だが、原油相場の底入れ期待が下落圧力を相殺し主要3市場は後半に上昇幅を拡大。それぞれ前日比+1%前後で取引を終了した。主要な欧州株式も後半の米株に連動するかたちで堅調に推移した。原油価格の反発と堅調な株式動向は米金利の小幅な上昇を誘発。ただ、海外外為市場では冴えない米指標データが続いていることからドル売り優勢地合いに。米株が下落した局面でドル円は117.11レベルまでドル安/円高が進行。クロス円もドル円や米株に連動し「円高→円安」と上下に振れる展開となった。ユーロドルはユーロのショートカバーが継続し、1.13台でレンジ色を強める展開に。また、原油価格の反発を背景に対ドルで資源国通貨を買い戻す動きも散見された。AUD/USDは0.78台を回復。USD/CADは1.26台を割り込むと1.25ミドルレベルまでドル安が進行した。新興国通貨も対ドルで買戻し基調となり、USD/MEXは14.96前後から14.85レベルまで下落した。

現在の市場はリスク選好と回避の「綱引き状態」に陥っている。昨年12月以降、グローバル株式の不安定化を誘発していた原油相場だが、直近は反発する局面が散見されている。ストライキの影響というイレギュラーな事態が背景にある点を考えるならば、ボトムが見えたと判断するのは早計だろう。だが、その兆しが見え始めてきた点は株式市場にとってはプラス要因のはずだ。しかし、グローバル市場でリスク選好へ回帰するムードが感じられない背景には、2つのリスク要因があるからだろう。

ひとつはギリシャリスク。トロイカ団(EU、ECB、IMF)とギリシャ側の軋轢とその拡散リスク(スペインでは先月31日、首都マドリードで反緊縮財政を掲げる新党「ポデモス」が主導する大規模なデモが行われ、支持率も上昇している)を背景に、昨日の欧州株式市場では南欧のそれらが軟調な地合いとなる一方で、独連邦債利回りは一時0.297%まで低下した。

だが「綱引き状態」に陥った真の理由は、冴えない米指標データが続いていることだろう。リスク選好の土台であり続けた米ファンダメンタルズ改善期待の後退を意識させるからだ。今後の指標データが総じて冴えない内容となれば、米株での「1か月調整パターン」が崩れると同時に米利上げ時期の後退観測も台頭することで、外為市場では円とユーロを買い戻す動きが強まろう。

Today’s Outlook -焦点はRBA、原油相場そして欧米株式動向

東京時間は、豪準備銀行(RBA)の動向にマーケットの注目が集まろう。先月28日の四半期(10-12月期)消費者物価指数(CPI)でコアインフレを示すトリム平均の上昇率が予想以上となったことで、利下げ観測が若干後退している感がある。だが、低迷する新興国経済や不安定な商品市場の動向を鑑み、予想外に利下げに踏み切る可能性は否定できない。予想通り据え置きとなっても、声明文でハト派スタンスを鮮明してくれば、一度脱したかに見えた利下げサイクルに逆戻りするとの思惑から豪ドル売り圧力を強めよう。特に対ドルでは金融政策のコントラストを背景に、1月29日安値0.7720レベルを下方ブレイクする展開を想定したい。

海外時間の外為市場では、原油相場と欧米株式市場にマーケットの焦点が集中しよう。前者の反発基調が継続すれば株式市場のサポート要因となろう。結果、外為市場での円高圧力も後退しよう。逆に冴えない米指標データが続く中、原油相場が反落すればリスク回避の動きから外為市場では円高優勢、資源国&新興国通貨売りの展開となろう。

また、ギリシャの債務交渉の行方と米FEDスピーカー(ブラード米セントルイス連銀総裁、コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁)の言動にも注視する必要があろう。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 118.05:21日MA(赤ライン) 118.00:レジスタンスポイント
サポート 115.85:1月16日安値 115.50:リトレースメント38.20%

かろうじて117.00-119.00の中心レンジを維持している。ただ、21日MAすら突破できない現状は、ドル円の地合いの弱さを示唆している。このMAを突破しても、115.85からの61.80%戻し118.90レベルを突破しない限り、常に117割れリスクを警戒しておきたい。尚、直近のオーダー状況だが118.00、118.50そして118.85レベルにはオファーが観測されている。後者の水準上にはストップの観測もある。一方、ビッドは117.10-00、116.50そして116.00レベルにそれぞれ観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.1400:レジスタンスポイント 1.1370:レジスタンスポイント
サポート 1.1200:サポートポイント 1.1100:サポートポイント

相変わらず日足の一目/転換線の突破に四苦八苦する状況が継続している。短期レジスタンスラインとクロスしつつある点も考慮するならば、目先の重要レジスタンスポイントは1.1400となろう。1.1400を上方ブレイクすれば、2日現在1.1575前後で推移している21日MA(緑ライン)を視野に入れる展開となろう。ただ、ファンダメンタルズ的にユーロを買う材料はなく、あくまでもショートカバーであることを意識しておきたい。下値は1.12台の維持が焦点となろう。
尚、直近のオーダー状況だが1.1365から1.1400にはオファーが並んでいる。ビッドは1.1250から1.1200にかけて断続的に並んでいる。

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