ユーロドルは下値を模索

Market Overview-貿易赤字定着も

21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、今月3日以来となる高値水準まで上昇。S&P500種株価指数も5営業日続伸と、昨年10月以降で最長の連続高となった。一方、米金利は、不透明感が続くウクライナ情勢が意識され序盤は低下圧力が強まった。しかし、堅調な米株と景気回復期待を背景に引き際にかけては下げ幅を戻し、10年債利回りは2.71%前後にて引けた。NY外為では、ユーロ円での下落が円高を誘発する局面も見られた。しかし、米株高や日本の貿易赤字を背景に根強い円売り圧力が継続し、ドル円は102.60台、ユーロ円は141円ミドルレベルを維持したまま、本日の東京時間を迎えている。

リスクオンの先導役である米国株式に底打ち感が強まっているタイミングで発表された2013年度の貿易統計速報(通関ベース)は、13兆7488億円の赤字。これで赤字は3年連続となった。また、2014年3月の貿易収支も1兆4463億円の赤字。単月では過去4番目の大きさとなった。今後、原発の再稼働によるエネルギー輸入額の減少も見込まれ、貿易赤字額は減少していくとの指摘がある。しかし、アジアからの自動車部品の輸入は38.8%増、通信機(スマートフォン含む)の輸入は33.1%増となる等、国内企業の海外生産シフトは加速している。この貿易構造の変化は熾烈な国際競争の結果であり、加速することはあっても後退することはないだろう。また、原発の再稼働が本格化しても、国内で新たな成長産業が勃興しなければ肝心の国内需要と輸出が拡大せず、日本企業による国内回帰の可能性も低い。つまり貿易赤字は、日本経済が規制緩和等の構造改革により変容しない限り今後定着する可能性が高く、これは中長期的に円安トレンドが継続していく要因となろう。


Today’s Outlook -ユーロドルと米金利

円相場は、引き続き株式動向にらみの展開となろう。好調な米企業決算と経済指標の内容が続けば、総じて円安トレンド優勢の展開となろう。ドル円は日足の一目/基準線を完全に上方ブレイク出来るかどうか、この点が注目される。また、金利差拡大観測が意識されやすいNZD円は、88.45前後で推移している21日MAを上方ブレイクし、4月10日以来となる89円台へ上昇する可能性があろう。

ドル相場は米金利の動向次第だが、その米金利に対する低下圧力は直近の米株高と経済指標を背景に後退している。昨日の外為市場では、特段ユーロ売り材料が見当たらなかったにもかかわらず、ユーロドルは21日MAを視野に下落。背景には、欧州サイドからのユーロ高けん制発言に加えて、ユーロ圏のディスインフレ懸念とそれに伴う将来の金融政策の方向性の違いがあろう。4月上旬のユーロドル上昇は、ユーロ買いというよりも、米金利の低下を背景としたドル売りの側面の方が強かったが、上記の米企業決算や経済指標が総じて好調な内容となった場合、米金利への低下圧力がさらに後退する可能性が高い。その場合、米欧の金利差拡大観測を背景に、ユーロドルが下記「Today’s Chart Point」で指摘しているサポートラインを目指す可能性が高まろう。


Today's Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.97:89日MA 102.70:一目/基準線(日足)
サポート 102.00:サポートポイント 101.45:一目/基準線(週足)

→再び騰勢が強まっているドル円の焦点は、日足の一目/基準線(赤ライン)の突破となろう。今日現在、102.70レベルで推移しているこのテクニカルを突破すれば、103.00が視野に入ろう。テクニカル面では、89日MA(青ライン)の突破が焦点となろう。一方、下値は102円台の維持が焦点。101円台へ反落した場合は、週足の一目/基準線での攻防に注目。朝方のオーダー状況だが、102.80から103.10レベルにかけてはオファーが断続的に並んでいる。ビッドは102.20&102.00に観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3891:ボリンジャー上限 1.3865:4月17日高値
サポート 1.3794:21日MA 1.3730:サポートライン

→21日MAを完全に下方ブレイクした場合、ビッドが並んでいる1.3750レベルで反転するかが注目される。だが、テクニカル面では昨日指摘した日足のサポートラインの維持が重要となろう。今年2月以降の緩やかなユーロ高を支えているこのラインは今日現在、1.3730レベルに位置している。一方、上値は1.39台への再上昇どころか、ボリンジャー上限までの反転すら危うくなってきた印象だ。1.3865以上からは断続的にオファーが並んでいる。


今日のチャート

ドル円
ユーロドル

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