グローバル株式を支える新たな要因

Market Overview-ECBが期待される役割

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24日のNY外為市場もドル高優勢の展開となった。冴えない独経済指標と市場予想を上回った米住宅関連指標を背景に、ユーロドルはサポートポイント1.2800をついに下方ブレイク。1.2774レベルまでドル高が進行した。ドル円は109円を挟み底堅い状況が継続。一方、資源国通貨や新興国通貨はグローバル株式の堅調な推移を受け、ひとまず下落トレンドには一服感が見られた。ただ、ドルの先高観は根強く、NY後半では再びドル買い圧力が高まり、ドル高地合い優勢のまま本日の東京時間を迎えている。

今週に入り俄かにリスク回避ムードが強まっていたグローバル株式市場だが、不透明感を払しょくしたのはやはり米国株式だった。昨日発表された8月の米新築住宅販売件数(季節調整済み、年率換算)が前月比18%増の50万4000戸と、2008年5月以来最大の伸びとなったことを受けダウ平均は3日ぶり、S&P500種は4日ぶりに反発した。リスク選好の先導役が戻ってきたことで主要な欧州と新興国株価指数も軒並み堅調に推移。

米国のファンダメンタルズ改善期待以外に、今後グローバル株式市場を支えるもう一つの要因として注目すべきは、新たな緩和マネーの流入期待だろう。その担い手として期待されるのは、欧州中央銀行(ECB)だろう。
昨日発表された9月の独IFO企業景況感指数は104.7と、5か月連続の低下となった。域内経済のけん引役であるドイツ経済の失速は、FRBが導入している量的緩和政策(大規模な国債買い入れ政策)をECBが導入せざるを得ない状況に追い込まれると、マーケットに強く意識させよう。脆弱なファンダメンタルズに直面しているにもかかわらず、堅調な欧州株式の動向を鑑みるに、すでにその兆候は見られる。10月以降、米連邦準備理事会(FRB)に代わり、ECBが新たな緩和マネーの供給源の役割を果たすとの期待感は、今後グローバル株式市場のトレンドを左右する重要な要素となろう。また、ECBの緩和強化は、米金利の変動リスクを抑え込むという点でも注視すべきだろう。ECBが供給する緩和マネーが域内の金利低下圧力を強めることで、米金利の急激な上昇圧力を相殺する可能性があるからだ。

Today’s Outlook -焦点は各連銀総裁の発言

アジア時間に注目すべきは、日本時間11時30分に予定されているスティーブンス豪準備銀行(RBA)総裁の講演だろう。米ドル買い圧力が強まるタイミングで豪ドル相場の下落を誘発する発言があれば、次のサポートポイントである0.8800に向け豪ドル売りが加速しよう。

日本時間16時には、リトアニア中銀主催の会合にてドラギECB総裁の講演が予定されている。同総裁は22日、追加緩和導入の可能性について言及しているが、上述したFRBが導入している量的緩和政策にまで具体的に言及することがあれば(ECB内では依然としてこの政策への抵抗感が根強いが)、ユーロ売り圧力をさらに強めよう。また、日本時間21時30分に発表される各米経済指標が総じて強い内容となれば、ドル買い圧力も合わさることで、ユーロドルは重要サポートポイント1.2750レベルを完全に下方ブレイクし、1.26台を目指す展開を想定したい。

尚、日本時間21時40分にはカーニー英中銀(BOE)総裁の講演、26日2時20分にはロックハート・アトランタ連銀総裁の講演が予定されている。前者に関しては利上げ時期についての具体的な言及があるかどうか、後者に関しては直近の米経済指標の内容を鑑みよりタカ派スタンスへ軸足がシフトしているかが焦点となろう。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 110.00:心理的節目 109.50:レジスタンスポイント
サポート 108.25:9月23日安値 108.00:サポートポイント

目先の焦点は、厚いオファーが観測されている109.50レベルの突破となろう。根強いドル先高観を考えるなら、真の焦点はやはり節目の110.00突破だろう。このレベルには厚いオファーに加えオプションバリアも観測されている。一方、下値は108円台の維持が焦点となろう。本日は108.40以下より断続的にビッドが並んでいる。

ユーロドル

レジスタンス 1.2952:21日MA 1.2930:レジスタンスポイント
サポート 1.2750:サポートポイント 1.2700:サポートポイント

リトレースメント61.80%の1.2788を下方ブレイクしたことで、重要サポートポイント1.2750トライ(黄ライン)が視野に。上述のドラギ講演と米経済指標の結果次第では、1.2700ブレイクも想定しておきたい。米経済指標の低迷によりドル売り圧力が強まっても、ドイツ経済の失速とECBの緩和強化観測を鑑みるに、1.29台を回復するのが限界だろう。尚、1.27ミドル前後には厚いビッドが並んでいる。また、1.2755にはオプションバリアが観測されている。1.2700にも厚いビッドの観測あり。オファーは1.2820レベルに観測されている。

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