リスク回避のドル高となる可能性も

Market Overview-米株、高値圏維持なるか

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週明けのNYタイムにドル円は2008年10月以来となる106円台の到達に成功し、高値106.09レベルまでドル高/円安が進行。一方、ユーロドルはサポートポイント1.2900を完全に下方ブレイクし、安値1.2881まで下落。ドル相場のトレンドを示すドルインデックスは昨年7月以来の高水準まで上昇する等、外為市場ではドル高が加速している。

現在のドル高トレンドの背景にあるのが、来週16-17日の日程で開催される連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感であることはすでに指摘した通り。ドル高に加え、米金利もこの点を示唆している。強弱入り混じる米雇用統計(8月)の内容を受けて尚、昨日の米債券市場で各ゾーンの利回りは上昇した。特段、利回りを押し上げる新規の材料がない中での上昇は、マーケットがイエレンFRBの宗旨替えの可能性にナーバスになっていることを示唆している。FOMCを意識したドル高トレンドの見通しに変更はない。

問題は、米早期利上げ懸念に加え、下記で述べる2つのリスク要因までが意識されることで、「リスク回避のドル高」となる可能性があることだろう。その点を見極める上で重要な指標となるのは、やなり米国株式市場だろう。

週明けのダウ平均とS&P500は反落。直近の上昇スピードを考えれば、昨日の下落は利益確定売りの範囲内だろう。しかし、米早期引き締め懸念がくすぶり続ける中、景気動向に敏感な原油市場では、NY原油先物10月限(WTI)で下落トレンドが継続し、昨日の北海ブレント原油に至っては昨年6月以来となる1バレル=100ドル割れの局面が見られる等、軟調な地合いが続いている。これら原油価格の動向は、国際通貨基金(IMF)が指摘している世界経済の下振れリスクに対する懸念を反映している可能性がある。特に、中国の予想外の輸入減拡大(1.6%減→2.4%減)により、あらためて同国内需の弱さが確認された。今後、中国経済の先行き不透明感が強まれば世界経済の下振れ懸念が意識され、結果、米株の圧迫要因となる可能性があろう。また、政治リスク要因として浮上してきたスコットランドの独立問題の行方にも注視すべきだろう。18日に予定されているスコットランドの独立を問う住民投票の結果次第では、長い間独立機運がくすぶっているスペインのカタルーニャ地方やバスク自治州、そしてベルギーのフランドル地方にまで拡散する可能性も否定できない。東欧の地政学リスクに加え新たな政治リスクまでが浮上すれば、ユーロ圏経済をさらに圧迫し、欧州株安が米株の圧迫要因となろう。

Today’s Outlook -米国マーケットの動向を注視

本日は株式市場、特に米国株式市場と金利の動向に注視したい。ファンダメンタルズ改善期待を背景に「株高・金利上昇」ならば、外為市場では主要国通貨全般に対してドルは全面高となろう。
問題は「株安・金利上昇」となった場合だろう。利益確定売りの範囲内における株安ならば、昨日と同様の値動きとなろう。
一方、米株の下落幅が拡大した場合は欧州通貨、資源国通貨、そして新興国通貨でドル高となる一方、ドル円は株安による円高圧力の方が勝ることで反落する可能性が高まろう。

尚、日本時間17時30分に発表される英国の各種経済指標次第でポンドが上下に大きく振れる可能性がある点にも注視しておきたい。19時45分にはカーニー英中銀(BOE)総裁の講演も予定されている。

TECHNICAL ANALYSIS HIGHLIGHTS

ドル円

レジスタンス 107.00 レジスタンスポイント 106.50:レジスタンスポイント
サポート 105.50:サポートポイント 105.00:心理的節目

106円台への上昇に成功。次の焦点は107円台への上昇だが、そのためには106.20から106.50にかけて断続的に観測されているオファーを消化する必要がある。106.50にはオプションバリアの観測があり、レジスタンスポイントとして注目しておきたい。一方、下値は105円台の維持が焦点となろう。105.70、105.50にはビッドが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3000:レジスタンスポイント 1.2959:9月8日高値
サポート 1.2850:サポートポイント 1.2800:サポートポイント

1.28台への攻防へとシフト。目先のサポートポイントは、厚いビッドが観測されている1.2850レベルだろう。このレベルをも下方ブレイクするならば、1.2800を視野に入れる展開となろう。このレベルには、厚いビッドとオプションバリアの観測がある。一方、上値は昨日高値を突破出来るかが、目先の焦点となろう。

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