焦点は雇用統計とFOMCへの警戒感

Market Overview-1.27ミドルへと向かうユーロドル

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欧州中央銀行(ECB)は4日の定例理事会で、政策金利を0.1%引き下げ0.05%とすることを決定。また、上限金利の限界貸出金利を0.30%、下限金利の中銀預金金利をマイナス0.20%にそれぞれ引き下げた。大方の予想を覆す今回の決定に外為市場は当然のごとくユーロ売りで反応。ユーロドルはあれほど堅かった1.3100はおろか、節目の1.3000すらもあっさりと下方ブレイクし安値1.2920レベルまで急落。ユーロ円も8月8日以来となる136円割れの展開となった。ユーロドルの下落はドル円の上昇を誘発し、早朝から年初来高値を更新する展開となっている。

昨日のECBの行動は筆者にとって予想外だった。欧州マーケットが「株高・金利低下・ユーロ急落」で反応したのは当然だろう。

だが、虚を突いたECBの行動以上に注目すべき点は、米経済指標の内容だろう。米ISM非製造業景況指数は59.6と市場予想を上回り、2005年8月以来の水準を回復。新規受注の大幅な伸びを背景に2011年3月以来の高水準となったISM製造業景況指数と合わせ、直近の経済指標がファンダメンタルズの持続的な改善傾向を示していることで、9月16-17日の連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感が今後強まると考えられる。そのような思惑が外為市場で支配的となれば、ユーロドルの下落をけん引するのは「ユーロ売り」ではなく「ドル買い」となろう。そして1.27ミドルレベルのトライが次の焦点として浮上しよう。また、ドル円の上昇の原動力も株高による「円売り」ではなく、ファンダメンタルズ改善と利上げ期待を背景とした「ドル買い」となろう。

一方、ユーロ相場だが、今後とも根強い売り圧力に直面しよう。ECBによる量的緩和(QE)の導入期待がくすぶり続ける可能性が高まったからだ。昨日公表されたECBスタッフ予想では、今年のユーロ圏域内総生産(GDP)見通しが0.9%増と、6月予想の1.0%増から下方修正された。また、インフレ見通しも6月予想の0.7%から0.6%へと引き下げられた。さらにドラギ総裁は会見で地政学リスクに対する懸念と経済の下方リスクに言及。月次のインフレ率と7-9月期GDPでユーロ圏経済の継続的な低迷が確認されれば、年末もしくは来年初めが更なる緩和強化、つまりQE導入の転換点となろう。

Today’s Outlook -マーケットの耳目は米雇用統計に

本日、マーケットの耳目を集めるのは米雇用統計(8月)だろう。焦点は質の面でも労働市場の改善傾向が示された場合だろう。雇用増に加え、労働参加率や平均時給の上昇が確認されれば、上述したFOMCへの警戒感がさらに増そう。米金利、特に2年債利回りには上昇圧力がかかり、ドル相場全体をサポートしよう。ユーロドルは1.27ミドルに向け下落幅が拡大しよう。

一方、ドル円は米国株式の動向に左右されよう。労働市場の改善を素直に好感し最高値圏の維持に成功するならば、ドル円は上値トライの展開となろう。逆に早期利上げ懸念が強まることで米国株式が崩れるならば、反落リスクを想定したい。また、後者の展開となれば、グローバル株式の不安定化と米金利変動リスクを背景に、新興国通貨も対ドルで下落幅が拡大する可能性があろう。

TECHNICAL ANALYSIS HIGHLIGHTS

ドル円

レジスタンス 106.50 レジスタンスポイント 106.00 レジスタンスポイント
サポート 105.36:9月4日安値 105.00:心理的節目

本日早朝、ついに年初来高値を更新した。次の焦点は106円台への到達となろう。106円台の攻防へシフトすれば、106円ミドルをトライするかが注目される。106.00には厚いオファーとオプションバリアが観測されている。一方、下値は105円台の維持が焦点となろう。

ユーロドル

レジスタンス 1.3057:5日MA 1.3000:レジスタンスポイント
サポート 1.2900 サポートポイント 1.2788 リトレースメント61.80%

節目の1.3000をあっさりと下方ブレイクしたことで、1.27台への下落リスクが一気に高まった。目先は1.29台の維持だが、米経済指標次第では今後ドル高圧力が強まることで1.3994からの61.80%戻し1.2788レベルを視野に入れる展開となろう。一方、上値は1.3000がレジスタンスとして意識され、ユーロのショートカバーを抑えるかどうかが注目される。

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