ドラギ発言とユーロドル

Market Overview-イベント前で方向感のない展開

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3日のグローバル市場はイベント控え、明確な方向感が見られない展開となった。グローバル株式市場では引き続きリスク選好優勢の展開に。主要な欧州株式はロシア・ウクライナ間での停戦合意への期待感から上昇。欧州中央銀行(ECB)による緩和強化観測もサポート要因となった。米国株式は、欧米イベント前の調整やアップル株の下落を受けS&P500とナスダックは軟調な地合いに。だが、根強い米ファンダメンタルズ改善期待を背景にダウ平均は小幅に反発する等、リスクセンチメントの改善傾向は続いた。この点は堅調な新興国株式の動向からもうかがえる。

一方、米債券市場では金利が小幅に低下。欧米イベントにらみの神経質な展開となった。また、東欧の地政学リスクの不透明感が完全に払しょくしきれてない点も利回り低下を誘発したとの指摘もあった。

そして外為市場では、イベント前にドルロングを調整する動きが強まり、ユーロドルは1.3160レベルまで反発した。ドル円は104.74レベルまで反落。104円後半で推移したまま、本日の東京時間を迎えている。


Today’s Outlook -注目のドラギ発言

上述した通り、グローバル市場は欧米イベントを控え明確な方向感の見られない展開となっている。特に外為市場では、欧米イベントを意識した調整地合いが強まっている。本日は欧州中央銀行(ECB)理事会が開催されるが、明確な方向感が出てくるならば、ドラギ総裁の記者会見後となろう。
政策金利は据え置きの見通しとなっている。6月の会合で導入を決定した新たな資金供給策(TLTRO)が9月18日に予定されていること(TLTROは全8回の計画)、その影響を見極める必要があることを考えるなら、今会合で大きな政策の変更はないだろう。
よって、焦点は理事会後のドラギ会見となろう。成長率とインフレ見通しを引き下げ、資産担保証券(ABS)の購入を示唆する可能性が高い。ただ、マーケットはこれらの点についてはすでに織り込んでいる。よって焦点は、量的緩和(QE)導入の時期や方策に関する言及の有無だろう。ジャクソンホール講演では具体的な言及がなかったが、本日の会見で具体的な指針を示せば、再びユーロ安が加速しよう。ユーロドルは目先の重要サポートポイントである1.3100を下方ブレイクし、節目の1.3000に向け下落スピードが加速しよう。一方、ユーロドルの下落はドル円の上昇を促し、年初来高値105.44に向け再びドル高トレンドが強まろう。逆にQEへの言及がなければ、緩和強化の織り込みはひと先ず一巡していることからユーロのショートカバーが強まろう。
尚、QE導入に関して何らかの言及があった場合だが、実際にQE導入に踏み切るにはさらなる材料が必要となろう。その材料とは月次インフレ率のさらなる鈍化と継続的なユーロ圏経済(7-9月期GDP)の低迷だ。これらが確認されれば、QEに対して強い抵抗感を抱くドイツの説得材料にもなろう。QE導入の転換点は、年末から来年初めにかけてと考える。


TECHNICAL ANALYSIS HIGHLIGHTS

ドル円

レジスタンス 105.50:レジスタンスポイント 105.44:年初来高値
サポート 104.31:9月2日安値 104.00:サポートポイント

節目の105.00を突破したことで新たなレンジへシフトした。目先、最大の焦点は年初来高値105.44の突破だろう。引き続き105.40から105.50にかけてはオファーが並んでおり、105円ミドル前後では上値の重い展開が想定される。尚、105.50にはオプションバリア、105.50上にはストップがそれぞれ観測されている。下値は、104円台の維持が焦点となろう。104.50、104.20そして104.00にはそれぞれビッドが観測されている。



ユーロドル

レジスタンス 1.3220:8月22日安値 1.3200:レジスタンスポイント
サポート 1.3104:2013年9月6日安値 1.3100:サポートポイント

1.3100トライを想定。1.3110&1.3100には厚いビッドが並んでいる。後者の水準にはオプションバリアの観測がある。しかし、上述した欧米経済指標の内容次第では、1.30台の攻防へとシフトする可能性が十分にあろう。上値は目先1.32台への再上昇が焦点となろう。13150&1.3160にはオファー、1.3200前後にも厚いオファーがそれぞれ観測されている。

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