2つの焦点

Market Overview-焦点1:リスク選好継続の鍵を握る米株

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8月29日のグローバル株式市場は再びリスク選好優勢の展開に。米ファンダメンタルズ改善期待を背景にダウ工業株30種平均の月間ベースの上昇幅は535ドルと、2月の622ドル以来、半年ぶりの大きさとなった。一方、S&P500種株価指数も前日比0.3%高の2003.37と過去最高値を更新。こちらは月間の上昇率は3.8%と、8月としては2000年以来の大幅な上げとなった。また、ロシア・ウクライナ情勢が緊迫化し続ける中でも欧州&新興国株市場も総じて堅調に推移した一方、NY金先物12月限(COMEX)は反落。外為市場では円安優勢の展開となる等、29日のマーケットはリスクセンチメントの改善傾向がかろうじて続いていることを示唆する展開となった。

今週の焦点は2つある。ひとつは、上記のリスク選好トレンドが継続するかどうかだ。この鍵を握るのは、言うまでもなくリスク選好の先導役である米国株式の動向だろう。その米国株式の動向は経済指標に左右されよう。明日のISM製造業景況指数(8月)を皮切りに5日(金)の雇用統計(同月)まで重要経済指標の発表が目白押しとなっているが、総じて米国のファンダメンタルズ改善が確認される内容となれば、米株高維持となろう。また、米金利への低下圧力も後退することで、外為市場ではドル高トレンドが継続しよう。

だが、ひとつ懸念がある。それは、「強すぎる」経済指標の内容が続いた場合、ファンダメンタルズ改善「期待」よりも早期利上げ「懸念」が台頭するリスクだ。特に雇用統計が市場予想をはるかに上回る水準(非農業部門雇用者数が30万人以上)となり、且つ労働参加率の上昇や賃金の伸びまで確認されれば、「懸念」が「期待」を上回る可能性が高い。「懸念」の台頭は、9月連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感につながり、米金利の変動リスクを高めよう。特に将来の米金融政策の方向性を反映しやすい2年債利回りは急上昇する可能性が高い。また、日欧の金利低下に追随している10年債利回りでも上昇圧力が強まろう。金利変動リスクの高まりは米株反落リスクを高め、米株の不安定化はグローバル株式市場の不安定化を招こう。その結果、ドル円は105円トライどころか目先のサポートポイントである103円をトライしてもおかしくないだろう。

Market Overview-焦点2:ドル相場のトレンドを左右するユーロドル

もうひとつの焦点は、ユーロドルの動向だ。4日の欧州中央銀行(ECB)理事会で政策金利は据え置きの見通しとなっている。追加緩和導入の可能性も低いだろう。

しかし、8月29日に発表されたユーロ圏消費者物価指数(8月)は前月比で0.3%と、域内の低インフレ傾向が改めて確認された。このような状況を踏まえ、ドラギ総裁やクーレECB専務理事から緩和強化の可能性を指摘する発言が相次いだことを鑑みるに、新たな政策導入に対するECB内のコンセンサスは確立されていると思われる。よって、今回の理事会で緩和強化を見送っても、ドラギ総裁が理事会後の会見でインフレ見通しを引き下げ、量的緩和も含めた追加緩和導入の可能性に言及するならば、ユーロドルは今週中にも1.30台の攻防へとシフトする可能性が高まろう。上述した米経済指標の結果によっては、早くも節目の1.3000をトライする可能性も否定できないだろう。

尚、本日は中国の経済指標以外マーケットを大きく動かす材料はない。また、米国市場はレーバーデー祝日のため休場。材料と市場参加者が限られること、そして明日以降の欧米イベントを見極める必要があることも考えるなら、本日の外為市場はレンジ相場に終始しよう。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 105.00:レジスタンスポイント 104.50:レジスタンスポイント
サポート 103.50:8月22日安値 103.00:サポートポイント

今週も厚いオファーとオプションバリアが観測されている104.50の突破が上値の焦点となろう。このレジスタンスポイントを上方ブレイクするならば、節目の105円を目指す展開となろう。このレベルにも厚いオファーとオプションバリアが観測されている。一方、下値は103円台の維持が焦点となろう。103.50から103.00にかけては断続的にビッドが並んでいる。また、103.50&103.40下にはストップの観測がある。

ユーロドル

レジスタンス 1.3220:8月22日安値 1.3200:レジスタンスポイント
サポート 1.3104:2013年9月6日安値 1.3100:サポートポイント

今週は1.3100トライを想定したい。1.3120-1.3100には厚いビッドが並んでいる。しかし、上述した米経済指標とECB理事会の内容次第では、1.30台の攻防へとシフトする可能性があろう。上値は先週に続き1.3220レベルの突破が焦点となろう。このレベルから1.3300にかけては断続的にオファーが並んでいる。

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