ユーロドルの動向に要注意

Market Overview-真のドル高トレンドはまだ先

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米ドルのトレンドを示すドルインデックスは22日、目先のレジスタンスポイント81.00を視野に小幅に続伸。ジワリと強まるドル高トレンドだが、この背景にはユーロ売りも大きく影響している。ユーロドルは心理的節目1.3500だけでなくサポートポイント1.3477をも一気に下方ブレイクする展開に。ユーロ円は今年2月以来となる136.58レベルまで下落すれば、ユーロ/豪ドルは昨年11月以来となる1.4312レベルまで、ユーロポンドにいたっては2012年9月以来の水準(0.7890前後)までユーロ売りが進行した。

では、ユーロ売りの背景には何があるのか。欧米諸国がロシアへの制裁強化に乗り出すタイミングにもかかわらず、昨日のNY金&原油先物相場は反落した一方で、主要な欧州株式が総じて反発した事実を考えるなら、ウクライナの地政学的リスクが意識されてのユーロ売りの可能性は低い。やはり根底には、近い将来における欧州中央銀行(ECB)による緩和強化とイエレンFRBの宗旨替えに対する警戒感があるのだろう。特に後者の警戒感に関しては、ドル円が101円台で底堅さを増していること、そして資源国通貨の一角に対し徐々にドル買い優勢のムードが強まっていることが示唆している。

だが、今後ドル買い局面が散見されても、ドル相場全体の上昇幅は限定的となろう。米株高と米金利の低空飛行が同時に発生しているからだ。

昨日発表された米消費者物価指数(6月、CPI)は概ね市場予想の範囲内であり、イエレンFRBが早期利上げを考慮するほどの強さはない。米利回りに低下圧力がかかったのはセオリー通りの反応と言えるだろう。だが、インフレ抑制は米株にとってはポジティブ要因となる。実際、インフレの伸びが抑制されていると同時に、米ファンダメンタルズの改善傾向が意識されたことで22日の米株は反発。要は、以前より指摘している株高オンリーのリスク選好となったわけだが、この状況下において外為市場では、新興国通貨や高金利通貨への投資妙味が増すと同時に、低金利と流動性の面からドルや円には売り圧力がかかりやすい。実際、昨日の新興国通貨は対ドルで底堅い展開となっている。また、豪ドルやNZDもNY外為市場ではドル買い圧力が後退した。昨日も指摘したように、イエレンFRBのスタンスが変化するにはさらなる経済指標データの内容が必要であり、経済イベントの観点からもスタンスの変更を示唆するならば8月下旬以降となろう。よって、『米株高+低金利』の状況が、しばらくドル買い圧力を相殺すると考えられる。

Today’s Outlook -ユーロドル、1.3400トライも

アジア時間は、豪ドル相場の変動要因として豪州の消費者物価(4-6月期、CPI)に注目したい。

だが、マーケットの焦点はやはり米企業決算に集中しよう。好調な企業決算を背景に株高を維持するならば、外為市場では上述した通り新興国&高金利通貨が堅調に推移しよう。対照的に円相場は総じて円売り優勢の展開となろう。

株高の影響を受け米金利への低下圧力が後退するならば、ドル買い圧力が強まるだろう。しかし、米金利がレンジ内で推移する限り上昇幅は限定的となろう。だが、ユーロドルの動向には注視したい。米欧の金融政策のコントラストが意識される中、ドル買いにより厚いビッドが並んでいる1.3450をも下方ブレイクする展開となれば、1.3400を視野に下落スピードが加速する可能性が高いからだ。

Today’s chart point

ドル円

レジスタンス 101.80:7月16日高値 101.57:21日MA
サポート 101.00:サポートポイント 100.75:2月4日安値

引き続き101円台を維持する状況が継続している。だが、上値の重い状況に変化がない事実を考えるなら、101円割れを常に意識すべきだろう。100円台への攻防へとシフトした場合の攻防分岐は、100.82(5月21日安値)&100.75(2月4日安値)となろう。それぞれのポイントではビッドが置かれている。しかし、下の水準にはストップも同時に置かれており、これらをヒットする展開となれば、100円トライを想定する段階へシフトしよう。一方、上値は目先、21日MA(赤ライン)での攻防が焦点となろう。尚、101.65から102.00にかけては断続的にオファーが並んでいる。

ユーロドル

レジスタンス 1.3530:7月22日高値 1.3500:心理的節目
サポート 1.3450:サポートポイント 1.3400:サポートポイント

さらなる下落に要注意。目先の焦点は、厚いビッドが並んでいる1.3450レベルでの攻防だが、このサポートポイントをも下方ブレイクする展開は、1.34台トライの可能性を高めよう。この水準では再び厚いビッドが並んでいる。一方、上値は1.35台への再上昇が焦点となろう。昨日高値レベルには、早速オファーが観測され始めている。

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