ドル円、100.75トライは米株次第

Market Overview-ドル円、攻防分岐の100.75

日銀は、声明文から「デフレ」の文字を削除。会合後、黒田日銀総裁は会見で特別の意図はないが、物価目標である2%達成への道筋を順調にたどっているとの自信をあらためて示した。また、喫緊の課題である潜在成長率の引き上げ策については、中央銀行ではなく政府と民間企業の領域と明言した。早期追加緩和導入の可能性がさらに後退し、且つ6月に打ち出される成長戦略で、黒田総裁が言及した潜在成長率を底上げする政策、つまり構造改革案が示されるかどうか定かでない現状を鑑みるに、5月の国内株式と円相場は海外要因、特にリスクオンの先導役である米国株式の動向に、より左右される状況に陥った。

その米国株式だが、昨日はダウ工業株30種平均、S&P500種株価指数ともに反発。注目された連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、出口戦略に関して議論はされたが具体的手段についての決定はなく、且つ景気認識にも変更がなかった。米債券市場では金利が小幅ながら反発したが、連邦準備理事会(FRB)の超低金利政策にコミットしたスタンスは今後も継続することから、米金利の低空飛行は続くだろう。そして、米株式にとってはポジティブ要因となろう。だが、その米株は次第に上値の重い状況となっている。米ファンダメンタルズの改善傾向は今後も続く可能性は高く、最高値圏での攻防は続くだろう。しかし、直近は中国とウクライナリスクといった外部要因が、米株の上値を重くする可能性がある。そのような展開は、国内株式を支えている唯一の土台が崩れることを意味する。米金利低下によるドル売り圧力に、米株安による円買い圧力まで加われば、ドル円は攻防分岐の100.75トライの可能性が高まろう。下方ブレイクとなれば、次の焦点として節目の100円が浮上しよう。

 

Today’s Outlook -焦点は欧米中経済指標

本日は、アジア時間からNY時間まで経済指標にらみの展開となろう。日本時間10時45分に発表されるHSBC製造業購買担当者景気指数(5月、PMI)速報値は、引き続き景気判断の分かれ目となる50.0を下回る予想となっている。あらためて同国の景気減速懸念を強める内容となれば、豪ドルの圧迫要因となろう。上海株式が2000.0ポイント、国内株式が1万4000円台を再び割り込む展開となれば、外為市場では豪ドル売りとともに円買い圧力も強まろう。

欧州時間は、16時以降、順次発表されるユーロ各国の製造業&サービス部門購買担当者景気指数(5月、PMI)速報値に注目。特にユーロ圏のそれらは前回よりも低下する見通しとなっている。予想以上に冴えない内容ならば、欧州中央銀行(ECB)の「6月緩和強化」をマーケットにあらためて意識させよう。その場合、ユーロドルは重要テクニカルポイント200日MAを下方ブレイクする展開を想定したい。

NYタイムは、新規失業保険申請件数、中古住宅販売件数(4月)そして景気先行指標総合指数(同月)に注目。これらの結果、米株が高値圏維持となれば、ドル円は100.75を維持する状況が継続しよう。逆に総じて冴えない内容は、米株の圧迫要因となり、上述の通り100.75トライor下方ブレイクを想定したい。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.00:レジスタンスポイント 101.92:21日MA
サポート 100.75:2月4日安値 100.50:サポートポイント

101円台を一時的にせよ割り込んだことで、下値の焦点は100.75にシフト。このレベルには厚いビッドが観測されている。一方、下の水準にはストップが置かれており、100.75ブレイクならば、100.50&100.00を目指し下落スピードがさらに加速しよう。上値は、輸出の売りが観測されている101.70レベルの突破が焦点となろう。

 

ユーロドル

レジスタンス 1.3750:レジスタンスポイント 1.3722:一目/雲の下限
サポート 1.3635:200日MA 1.3550:サポートポイント

200MAブレイクの可能性を意識する展開となろう。そのような展開となれば、次の焦点は1.35台の維持となろう。最初のサポートポイントは、厚いビッドが観測されている1.3550レベル。テクニカル面では、1.3994からの38.20%戻し1.3517レベルの攻防に注目したい。上値は、引き続き一目/雲の下限から1.3750レベルのレジスタンスゾーンを突破出来るかが注目される。

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