米株、最高値圏での攻防が続くか

Market Overview-続く米株にらみの状況

16日の米国株式で、ダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。S&P500種株価指数も前日比0.4%高の1877.86と堅調に推移した。この日発表された住宅関連の経済指標が総じて市場予想を上回り、投資家のリスク許容度が拡大したことが背景にある。 米株反発を受け、債券市場では米金利への低下圧力が後退。ユーロ売りも合わさったことで、米ドルのトレンドを示すドルインデックスは節目の80.00を維持した。しかし、米金利が小幅な反発に留まった事実を鑑みるに、当面は次回の連邦公開市場委員会(FOMC)まで米金利の低空飛行は継続する可能性が高い。よって、ドル円でのドル高は期待できず、円相場のトレンドはより株式市場、特にグローバル株式の先導役である米国株式の動向に左右される展開となろう。

その米国株式だが、今週はイエレン連邦準備理事会(FRB)議長の講演やFOMC議事録、そして週後半の住宅関連指標に左右される展開となろう。 イエレン議長や議事録でFRBの超低金利にコミットした政策スタンスの長期化が再確認されれば、米株は史上最高値圏での攻防が継続しよう。その結果、グローバル株式も堅調に推移することで、外為市場では根強い円売りが継続しよう。ただし、通貨ペアによってパフォーマンスにばらつきが見られよう。豪ドル円は、中国リスクが意識されない限り、株高を背景に上昇幅が拡大する可能性が高い。一方、ユーロ円は、域内のディスインフレ懸念とそれに伴う「6月緩和強化」が意識されやすい状況にある。よって、他のクロス円と比較しユーロ売り圧力が円安圧力を相殺し、上昇幅が限られよう。ポンド円も早期の利上げ観測後退が上値を抑える可能性がある。しかし、域内の景気減速と緩和強化に直面しているユーロ相場の現状を考えるなら、ユーロポンドでユーロ安/ポンド高優勢となる可能性が高い。また、1.67台を維持したポンドドルの状況も鑑みるに、ポンド円はユーロ円ほど上値の重い展開とはならないだろう。  

また、米株高の一方で米金利の低空飛行が継続すれば、新興国通貨は対ドルで堅調に推移しよう。逆に、米住宅関連指標が良好な結果となり、素直に米株高・米金利反発で反応する展開となれば、対主要国通貨でドル買い圧力が強まろう。ドル円は102円前半で推移している21日MAを突破し、89日MAトライなるかが注目される。 ユーロドルは金曜日に発表される独IFO企業景況感指数(5月)が市場予想を下回った場合、1.35台の攻防へとシフトする展開を想定したい。米金利の下げ止まりは、対ドルでの新興国通貨売り圧力も強めよう。

 

Weekly Outlook -注視すべきリスク要因は

株安を誘発するリスクイベントとして今週注視すべきは、22日の中国HSBC製造業購買担当者景気指数(5月、PMI)速報値と25日のウクライナ大統領選挙だろう。中国PMI指数は、4か月連続で景気判断の分かれ目である50.0を下回る状況が続いている。また、大統領選挙を控え、ウクライナの地政学リスクが再燃する可能性も否定できない。ディスインフレ懸念に加え地政学リスクにまで直面すれば、欧州株式ではリスクオフムードが強まろう。その影響が米株に波及するリスクを常に想定しておきたい。また、中国の景気減速リスクまでが意識され、リスクオンの先導役である米株が崩れるような展開となれば、外為市場では円買い圧力が強まろう。一方、資源国&新興国通貨は軟調な地合いとなろう。

尚、21日の日銀金融政策決定会合では現状維持の公算が大きい。よって、無風で通過する可能性が高い。短期筋の仕掛けによる株安・円買いが散見されても、トレンドの決定要因はやはり米株の動向次第だろう。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.10:21日MA 102.00:レジスタンスポイント
サポート 101.20:サポートポイント 100.75:2月4日安値

重要サポートポイント101.20(200日MA、黄ライン)トライを想定。下方ブレイクした場合は、厚いビッドが観測されている101.00が次のターゲットとして浮上しよう。このサポートポイントをも下方ブレイクする展開は、攻防分岐の100.75トライを意味しよう。尚、このサポートポイントにも厚いビッドが観測されている。上値は目先、21日MA(赤ライン)の攻防となるかが注目。

 

ユーロドル

レジスタンス 1.3750:レジスタンスポイント 1.3722:一目/雲の下限
サポート 1.3627:200日MA 1.3600:サポートポイント

200日MAトライが現実味を帯びてきた。このMAを下方ブレイクすれば、1.35台の攻防へシフトする展開を想定したい。1.3600&1.3550にはビッドが観測されれている。一方、上値は1.3750レベルを突破出来るかが焦点となろう。1.3730から1.3780レベルにかけてはオファーが断続的に並び始めている。

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