続く綱引き状態 リスクオンの拠り所は米株のみ

Market Overview-米株堅調もウクライナ情勢が重石に

15日の米株式相場は好調な企業決算を背景に続伸したが、対照的に欧州株式は終始上値の重い状況が継続。債券市場では、米10年債利回りが、目先の下限とされる2.60%台を一時割り込む展開に。欧州債券市場でも独利回りが昨年5月以来の水準(1.470%付近)まで低下した。そしてNYタイムの外為市場では円買いが散見される等、グローバル市場ではリスク「オン」と「オフ」の「綱引き状態」が続いている。

直近の米経済指標や企業決算の内容がリスク選好の先導役である米国株式のサポート要因となっていることで、リスクオンの土台は崩れていない。しかし、米株反転の影響を相殺しているのが緊迫化するウクライナ情勢だ。暫定政権が特殊部隊を投入し東部で展開している親ロシア勢力の強制排除に乗り出したことで、混迷の度合いはさらに深まった。上記の欧州株式や債券市場の値動きの背景にはこのウクライナリスクがあることは言うまでもないが、今後ロシアの出方次第では、静観を決め込んでいる米国との対立が激化する懸念がくすぶり続ける。よって、欧州株式の自律反発は当面望めないだろう。質への逃避から独連邦債利回りにも低下圧力が続くだろう。対照的に米経済指標と企業決算で好調な内容が続き、米国株式での底打ち感がさらに強まれば、米欧ファンダメンタルズ格差と金利差拡大観測を背景に、外為市場ではユーロドルが緩やかに下落トレンドを辿ると考える。

 

Today’s Outlook -米中経済指標とウクライナ情勢

ウクライナ情勢以外のリスクオフ要因は、中国の景気減速懸念だろう。日本時間11時より同国の国内総生産(GDP、1-3月期) をはじめ、小売売上高(3月)と鉱工業生産(同月)が発表される。注目はGDPだろう。前年同期比7.3%増と、前回の7.7%増から成長率が鈍化する見通しとなっている。パラジウムの利食い売りの他、同国の成長モメンタムがさらに後退するとの懸念も意識され、15日のNY金先物(6月限)はウクライナ情勢が緊迫化しているにも関わらず大幅に反落。海外タイム以降の豪ドル相場も軟調な地合いとなった。中国リスクまで意識される展開となれば、綱引きの「綱」はリスク「オフ」サイドへ引っ張られるだろう(つまり株安・円高)。

海外タイムで注目すべきは、米経済指標と企業決算となろう。唯一のリスク「オン」材料として米国株式を下支えする内容となれば、外為市場での円高圧力を後退させよう。ドル相場の焦点は、米金利の動向となろう。米株続伸を背景に金利への低下圧力が後退すれば、ドル高優勢の展開となろう。しかし、緊迫化するウクライナ情勢を考えるなら、反発しても上昇幅は限られる可能性が高い。よって、ドル買い圧力が強まっても限られる可能性が高いだろう。

Today’s Chart Point

レジスタンス 102.67:一目/基準線(日足) 102.20:レジスタンスポイント
サポート 101.20:一目/基準線(週足)/td> 100.75:2月4日安値

下値は引き続き101.20レベルの攻防に注目。下方ブレイクする展開となれば、重要サポートポイント100.75を視野に入れる展開となろう。レジスタンスの焦点は目先、102.20レベルの攻防となろう。このレベルには厚いオファーが観測されている。上方ブレイクすれば、日足の一目/基準線(赤ライン)トライとなるかが次の焦点となろう。

ユーロドル

レジスタンス 1.3900:レジスタンスポイント 1.3889:ボリンジャー上限
サポート 1.3794:21日MA 1.3780:4月9日安値

焦点は、1.39台の再トライか21日MAの下方ブレイクか。1.39台へ再上昇するためには、1.3890前後で推移しているボリンジャーバンドの上限を突破する必要がある。一方、1.3795前後には21日MAが推移している。尚、朝方のオーダー状況だが、1.3875から1.3900にかけてはオファーが断続的に並んでいる。ビッドは1.3790から1.3775にかけて観測されている。

 

Today’s Chart

ドル円チャート
ユーロドルチャート

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