焦点は米雇用統計

Market Overview-ECBは緩和スタンスを強化

3日の米国株式は、米雇用統計(3月)を前にした調整により小幅に反落。米金利はほぼ横ばい圏で推移した。一方、ロンドンタイム以降の外為市場ではユーロ売り圧力が強まり、円相場では円を買い戻す動きが強まった。

注目された欧州中央銀行(ECB)理事会では、予想通り政策金利を据え置き、金融政策に大きな変更は見られなかった。焦点はドラギ総裁の会見だったが、量的緩和(QE)を含めたあらゆる政策手段を動員する可能性について言及。ハト派色を一段と強めた印象をマーケットに与え、上述の通りユーロ相場は下落。ユーロドルは、一時的によせ1.3700を下方ブレイクする展開となった。しかし、対ドルで日足の一目/雲の上限を維持したこと、対円で下落幅が限定的だったことを考えるなら、ドラギ会見がハト派的な内容になることは外為市場である程度想定済みだったのだろう。さらに昨日のユーロ相場の値動きは、これまでのような「口先」のみでは、ユーロ高に対する抑制効果は限定的になっていることを示唆している。今後、域内のデフレ懸念がさらに強まり、その結果ユーロ高が加速した場合、ドラギ総裁は「口先」だけでは乗り切れなくなる可能性が高まったと言えるだろう。

ただ、マーケットの焦点が米国経済の復活と金融政策に集中している以上、中長期スパンでユーロドルが緩やかな下落トレンドを辿る見通しに変更はない。

 

Today’s Outlook -米雇用統計待ち

本日の外為市場は、米雇用統計(3月)が発表されるまでレンジ相場となろう。その雇用統計だが、リスク要因は「冴えない雇用統計」にろう。先月の連邦公開市場委員会(FOMC)後に高まった米早期利上げ懸念を引きずり続けていれば、リスク要因は「強い雇用統計」にあっただろう。しかし、今週初めのイエレン発言により、その懸念は一時的にせよ後退している。よって、「強い雇用統計」に対するリスクは後退し、むしろ素直に「米国経済の持続的な回復期待」が意識され、マーケットではリスクオンムードがさらに強まる可能性があろう。その場合、マーケットは米株高、緩やかな金利上昇、ドル買い優勢の展開になると思われる。円相場では円安優勢の展開となろう。

逆に、上述の「冴えない雇用統計」となった場合は寒波以外の影響、医療保険制度改革法(オバマケア)や新興国リスクの悪影響が米企業の雇用や生産活動の阻害要因になっていると、マーケットに意識させる可能性があろう。そのような懸念が強まれば、現在のリスクオンの土台である「米国経済の持続的な回復期待」が後退することで米金利には低下圧力がかかり、ドル売り優勢の展開となる可能性がある。史上最高値圏にある米国株式では利益確定売り圧力が強まることで、外為市場では円を買い戻す動きが強まろう。

尚、非農業部門雇用者数が25.0万を大幅に超える増加となり、同時に失業率も低下するといった「強過ぎる雇用統計」となれば、米早期利上げ懸念を再びマーケットに意識させる可能性が高まろう。よって、こちらもリスク要因として捉えておきたい。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 104.50:レジスタンスポイント 104.00:レジスタンスポイント
サポート 103.10:一目/雲の上限 102.79:3月31日安値

104円台の到達に成功。上値の焦点は、オプションバリアが観測されている104円ミドルのトライとなろう。このレベルをも突破する展開となれば、節目の105.00がターゲットに入ろう。尚、このレベルにもオプションバリアが観測されている。一方、下値の焦点は、日足の一目/雲の上限を維持出来るか、この点が注目される。尚、ビッドは103.50、103.20、103.00レベルにそれぞれ観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3850:レジスタンスポイント 1.3830:一目/基準線
サポート 1.3698:4月3日安値 1.3685:一目/雲の下限

日足の一目/基準線に上値が抑えられ反落。上値は、このテクニカルをローソク足の実体ベースで突破出来るかどうかが焦点となろう。下値の焦点は、1.3700前後の攻防となろう。テクニカル面では日足の一目/雲の攻防へとシフトするかが注目される。尚、朝方のオーダー状況だが、1.38前半にはオファーが断続的に並んでいる。ビッドは、1.3795から1.3650レベルにかけて断続的に並んでいる。

Today’s Chart

ドル円チャート
ユーロドルチャート

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