「綱」の行方は米中経済指標次第

Market Overview-続く綱引き状態

12日のグローバル株式市場は、緊迫した状況が続くウクライナ情勢や中国の景気減速リスクを背景に上値の重い展開となった。ダウ工業株30種平均は続落する展開へ。欧州株式も軟調な地合いとなったことで、主要な新興国株式も冴えない商状となった(ブラジル・ボベスパは終値ベースでプラス圏を維持)。一方、債券市場では米独債へ、そして商品市場では金(COMEX)への逃避需要が強まり、且つ外為市場ではNY市での爆発騒ぎもあり円買いが散見される等、12日のマーケットは総じてリスクオフムード優勢の展開となった。

しかし、続落したとはいえダウ平均は依然として史上最高値圏での攻防が続き、S&P500種株価指数やナスダック総合は中国の景気減速懸念が意識される中でも堅調さを保っている。また、昨年5月下旬のように急激に円を買い戻す動きみ見られない状況を考えるなら、リスク「オン」と「オフ」がせめぎ合う「綱引き状態」は継続していると言える。

本日の外為市場も株式、特に米国株式にらみの展開となろう。それ(株式動向)によって、ドル相場のトレンドに大きな影響を与える米金利の動向も左右されるからだ。その株式を左右するのは、下記「Today’s Outlook」で指摘している米中経済指標だろう。中国経済指標は「綱」をさらにリスクオフへと引っ張るのか、そして米国経済指標は「綱」を再びリスクオンへ引き戻すことが出来るかどうか、これらの点に注目したい。

 

今日のチャート

ドル円 出所:ProRealTImeチャート
ユーロドル 出所:ProRealTImeチャート

 

Today’s Outlook -米中経済指標

アジア時間午前に、豪州の雇用統計(2月)が発表される。内容如何で豪ドル相場が上下に振れる展開となろう。だが、アジア時間でマーケットが注目する経済指標は、日本時間14時30分に発表予定となっている中国の鉱工業生産(2月)と小売売上高(同月)だろう。先週末の経済指標に続き冴えない内容が続けば、中国株式の重石となることで、アジア株全体がリスクオフ優勢の展開となる可能性が高まろう。そのような展開となれば、外為市場では円買い圧力が増すだろうが、中国経済との結びつきを考えるなら、冴えない中国経済指標の結果は、豪ドル円にとってよりネガティブ要因となろう。逆に総じて市場予想を上回れば、株式市場でのリスクオフムードが若干後退することで、外為市場では円売り優勢となる可能性が高い。

海外時間の注目は、やはり米国の経済指標だろう。日本時間21時30分に発表される小売売上(2月)や新規失業保険申請件数が総じて強い内容となれば、米国の景気回復期待を背景に3日続落している米国株式(ダウ平均)を下支えしよう。また、米金利の低下圧力も後退することで、円相場全体で円売り優勢の展開となろう。

問題は総じて冴えない内容となった場合だ。米国の景気回復期待は、現在のマーケットにおいては唯一のリスクオン要因である。その期待が後退するとなれば、綱引きの形勢はリスクオフ優勢となろう。中国経済指標の結果までが冴え内容となれば、資源輸出に頼る新興国の株式&通貨を中心にリスクオフムードがより強まろう。

 

Today's Chart Point

ドル円

レジスタンス 103.76:3月7日高値 103.65:リトレースメント61.80%
サポート 102.48:一目/転換線 102.00:サポートポイント

→上値の重い状況は続いており、目先は102.50前後での攻防が焦点となろう。このレベルには実需のビッドが観測されており、且つすぐ下には日足の一目/転換線(チャート画像:緑ライン)が推移している。ビッド&テクニカル面で重要サポートポイントと言えるだろう。このポイントを完全に下方ブレイクした場合は、厚いビッドが観測されている102.00が次の焦点として浮上しよう。一方、トップサイドは、米国経済指標が総じて強い内容となった場合、リトレースメント61.80%をトライするか、まずはこの点が注目される。103.50以上から104.00にかけてはオファーとストップが混在する状況となっている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3950:オプションバリア 1.3915:3月7日&12日高値
サポート 1.3852:3月7日安値 1.3800:サポートポイント

→昨日は1.3915で再び上値が抑えられた。アジア系のオファーが観測されているこのポイントは、本日も重要レジスタンスとして意識されるだろう。 1.3915の突破に成功した場合は、オプションバリアが観測されている1.3950が次の焦点として浮上しよう。一方、下値は1.38台の維持が焦点となろう。1.3840以下から1.3750にかけては断続的にビッドが観測されている。

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