リスクオンの先導役を失えばさらなる円高に

Market Overview-米株崩れるか?

3日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落。S&P500種株価指数、ナスダック総合も揃って下落した。昨日発表された1月の個人消費支出(PCE)は0.4%増と市場予想を上回り、2月のISM製造業景況指数も新規受注の伸びが寄与し53.2と、8か月ぶりの低水準となった前回から改善。しかし、これまで持ちこたえてきた米国株式が揃ってリスクオフとなった背景には、緊迫化するウクライナ情勢がある。震源地である欧州では、主要な株式相場が軒並み下落し、ロシアのMICEX指数 は2008年11月以来最大の下落となった。また、東欧のポーランド、ルーマニアそしてハンガリーの株式相場も3%超の下げとなった。

好調な米経済指標の影響を打ち消したウクライナ情勢だが、本日はこの問題を背景にグローバル株式がさらにリスクオフのムードを強める可能性がある。理由は2つ。ひとつは、情報が錯綜していることだ。ウクライナの報道によると、ロシア黒海艦隊がウクライナの南部クリミア半島に駐屯しているウクライナ海軍に対し、現地時間4日午前5時(日本時間同日正午)までに投降しなければ攻撃すると、最後通告したとの情報が流れている。しかし、ロシアのインタファクス通信はこの報道を「全くのでたらめ」と否定する等、情報戦が激しさを増していることがうかがえる。クリミア半島では、身元は不明だがロシア軍とみられる大規模部隊が展開し、ウクライナ軍の基地や施設を包囲しており、不測の事態がいつ発生してもおかしくない状況にある。マーケットでもこの点については神経を尖らせていることから、引き続き錯綜するウクライナ情勢の報道に対し、ネガティブに反応する一日となろう。

もうひとつは、米重要経済指標の発表が予定されていないことだ。米国株式を反転させる数少ない材料である経済指標の発表が予定されていないとなれば、ウクライナ情勢次第で本日の米国株式も上値の重い展開となる可能性がある。そのような展開となれば、グローバル株式市場はリスクオンの先導役を失うことになり、世界の株式相場に株安が連鎖しよう。結果、株式との相関性が強い円相場では、クロス円を中心に円高圧力が強まるだろう。また、安全資産への妙味が増すことで米国債券市場への資金シフトも加速することから、米金利に低下によるドル売り圧力も強まろう。

今日のチャート

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Today’s Outlook -豪州イベントに注目

経済イベントで注目すべきは、豪州経済指標と豪準備銀行(RBA)理事会だろう。日本時間9時30分に10-12月期の経常収支と1月の住宅建設許可件数が発表される。前者は、経常収支ということもあり豪ドル相場へのインパクトは限られる可能性がある(豪ドル相場は貿易収支に反応しやすい)。一方、後者の住宅建設許可件数の予想値0.5%増と、前回の2.9%減から大幅に改善する見通しとなっている。市場予想を上回るようなら、豪ドル相場の押し上げ要因となろう。
そして注目のRBA理事会だが、政策金利は2.50%で据え置きの見通しとなっている。焦点は声明文となろう。前回声明では、経済判断やインフレ評価を若干引き上げ、「豪ドルは依然として不快なほど高水準」の文言が削除された。また、「金利安定期間を継続することが賢明」とも指摘しており、明らかにRBAのスタンスに変化が見られた。今回は、前回の内容を踏襲する可能性が高いが、タカ派スタンスをより鮮明に打ち出せば、マーケットでは利上げの前倒し観測が強まることで豪ドル相場を押し上げよう。逆に、中国をはじめとした新興国リスクを意識し、前回よりもハト派寄りとなれば、豪ドル相場の押し下げ要因となろう。豪ドル/米ドルの中心レンジは0.8850(日足のサポートライン)-0.9000(節目)、豪ドル円の中心レンジは90.06(リトレースメント61.80%)-91.70(21日移動平均線)をそれぞれ想定したい。

 

Today's Chart Point

ドル円

レジスタンス

102.30:レジスタンスライン

102.00:レジスタンスポイント

サポート

101.01:一目/基準線(週足)

100.75:2月4日安値

→101.00レベルで推移している基準線(週足)での攻防に注目。下方ブレイクすれば、重要サポートポイント100.75が視野に。上値は102円台へ再上昇できるかがポイント。朝方のオーダー状況を確認すると、101.00、101.80そして100.75には厚いビッドが観測されているが、これら水準下ではストップも置かれている。100.75を下方ブレイクした場合は、ドル安/円高が加速しよう。オファーは102.00&102.30レベルに観測されている。

ユーロドル

レジスタンス

1.3833:リトレースメント61.80%

1.3825:2月28日高値

サポート

1.3675:21日MA

1.3627:89日MA

→重要レジスタンスポイント1.3833の突破に失敗し反落。あらためてこのレベルでの売りの強さが確認された。下値は1.36台の維持が焦点となろう。テクニカル面では、21日MAと89日MAの攻防に注目したい。朝方のオーダー状況だが、1.3850以上ではオファーとストップが混在している。ビッドは1.3700から1.3600にかけて断続的に観測されている。

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