新興国リスク再燃は米国経済次第

Market Overview-鍵は米国経済

先週の世界の主要な株式市場の週間騰落率は、強弱まちまちの様相となった。下落率トップはマイナス3.67%のロシアのRTS。次いで、マイナス2.72%の中国上海総合、マイナス2.09%のトルコBIST100となっている。ウクライナ情勢を巡り欧米諸国とロシア間の対立が激化する中、軍事衝突にまで発展すれば、欧州市場を震源地としたリスクオフの余波が他の市場へと波及しよう。

しかし経済規模で考えるなら、最も警戒すべきリスク要因は中国にある。今週は5日より中国で全国人民代表大会(全人代)が開催される。理財商品が債務不履行に陥る中、シャドーバンキング問題解決を巡り国際的な圧力を受けている習近平政権が打ち出す成長率目標と構造改革の具体策に注目が集まろう。しかし、後者の構造改革が中国経済の失速懸念を台頭させる可能性がある。事実、習近平政権の進めている綱紀粛正策の影響が国内消費に徐々に影響し始め、人民元の動向が不安定化し(一部では指導部の政策を嫌った資本流出との観測あり)、製造業購買担当者指数(2月、PMI )も8カ月ぶり低水準になる等、全人代を前に逆風が強まっている。全人代後、ウクライナ情勢が緊迫化するタイミングで中国経済の失速懸念までが台頭するならば、ファンダメンタルズの脆弱な新興国へとその余波が波及する可能性が高まろう。

だが、実際に新興国リスクが再燃するかどうか、その鍵を握るのは米国経済次第だろう。上述したようにリスクオンの先導役である米国株式は依然として堅調さを保っている。このため、1月に見られたリスクオフが強まっているムードは感じられない。しかし、その米国株式までが崩れるようなら、新興国リスクが再燃しよう。そのような展開となれば、外為市場では円とスイスフランに買い圧力が強まろう。

その米国経済(株式)の動向を見極める上で、今週もマーケットの耳目は米経済指標に集中しよう。7日の米雇用時計(2月)まで重要経済指標が目白押しとなっているが、これらが総じて強ない内容となれば、米景気回復期待を背景に米国株式は史上最高値圏での攻防が続くだろう。その結果、他の主要な株価指数でのリスクオフ圧力が後退し、新興国リスク再燃の可能性は後退しよう。逆に米雇用統計をはじめ冴えない内容となれば、米株安&金利低下を招き、且つ米株の下落が新興国リスクを台頭させることで、外為市場では上述した展開となろう。

今日のチャート

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Today's Outlook -米PCEとISM指数に注目

週明けの東京株式市場は、早朝の円高を背景に軟調な地合いとなる可能性が高いだろう。本日の中国経済指標次第では中国リスクが意識され、アジア時間は「円高→株安→円高」トレンドを辿る可能性がある。
欧州時間には仏・独・ユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表されるが、改定値ということもあり外為市場へのインパクトは限定的だろう。
マーケットの焦点は、上記の通り米経済指標に集中しよう。注目は、個人消費支出(PCEコア・デフレーター)とISM製造業景況指数だろう。インフレ指標として注目されているPCEが市場予想を下回るようなら、米金利低下とドル売り圧力を強めかねない。逆に市場予想以上ならば、マーケットトレンドはISM指数の結果次第ということになろう。そのISM指数の予想値は52.0と、前回とより改善する見通しとなっている。市場予想以上ならば米国株式のサポート要因となることで、米金利への低下圧力が後退しよう。ウクライナ情勢や中国リスクも考えるなら、外為市場では米景気回復期待と安全資産需要を背景にドル買い圧力が強まろう。
逆にISM指数も含めた米経済指標が総じて冴えない内容となれば、リスクオンの先導役(米株高)が失われることになり、外為市場ではリスクオフの円&スイスフラン買い圧力が強まろう。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス

102.50:レジスタンスポイント

102.00:レジスタンスポイント

サポート

100.75:2月4日安値

100.00:心理的節目

→100円台の攻防を意識したい。目先の焦点は、2月4日安値100.75だが、この重要サポートポイントを下方ブレイクする展開となれば、心理的節目の100.00を視野に下落スピードが加速しよう。一方、上値は102円台へ再上昇できるかが目先の焦点となろう。102円前後にはテクニカルが密集しており、ドル円の上値を抑える可能性が高い。

ユーロドル

レジスタンス

1.3833:リトレースメント61.80%

1.3825:2月28日高値

サポート

1.3700:サポートポイント

1.3627:89日MA

→重要レジスタンスポイント1.3833の突破が焦点として浮上してきた。このレジスタンスの突破に成功すれば、昨年12月27日高値1.3894レベルを目指す展開となろう。一方、下値は1.3630前後で推移している89日MAを維持できるか、この点が焦点となろう。

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