1月20日までは調整相場継続も

Market Overview

11日の海外外為市場は、上下に激しく振れる展開となった。トランプ次期大統領はこの日開かれた記者会見で、貿易不均衡についてあらてめて不満を表明。日本を名指しで2回批判する言動があった。会見後、ドル円は一時114.24レベルまで急落する展開に。ただ、海外株式市場が底堅さを保ったこともあり、すぐに反発。115円台を回復し本日の東京時間を迎えようとしている。一方、米ドル相場は軟調地合いとなった。原油価格が持ち直したことが好感され資源国&新興国通貨買い圧力が対ドルで強まった。また、米金利の低下傾向が続いたことで欧州通貨も対ドルで堅調に推移。ユーロドルは安値1.0453レベルから一気に1.0623レベルまで急伸する局面が見られた。

海外株式動向だが、国際商品市況の反発とそれに伴うエネルギーセクターが株高のけん引役となり、欧米株式はそろって堅調に推移。ただ、トランプ次期大統領の会見では具体的な経済促進政策の言及がなかったこともあり、上昇幅は限定的だった。トランプ会見で目新しい材料がなかったことで、米国債券市場は横ばいで推移。米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは2.40%手前でキャップされた。

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Analyst's view

注目されたトランプ次期大統領の会見だったが、従来の主張を繰り返すにとどまり新味に欠ける内容となった。また、米メディアとの亀裂の深さをあらためて確認させられた会見となった。肝心のマーケットの反応だが、米国株式は株高トレンドを維持。国際商品市況(CRB指数)もレンジ相場となっている。一方、米金利の低下傾向は継続中。この点は、トランプ政策に対する期待先行ムードが後退していることを示唆している。ただ、下落トレンドが緩やかである点を考えるならば、現在は米大統領選挙後の行き過ぎた金利上昇(=債券価格下落)の調整相場と言える(チャート①)。よって、現在の米ドル安も行き過ぎた上昇の調整局面と捉えることができるだろう。次のビッグイベントはトランプ次期大統領の就任式が開催される1月20日。それまでは、米経済指標データが各市場の変動要因となるだろう。市場予想を上回る内容が続くならば、米金利の調整圧力が後退すると同時に米ドルのショートカバーが散見されよう。逆に総じて市場予想を下回る内容となれば、米金利の押し上げ要因はトランプ政策の具体策という点に絞られることから、1月20日まで米金利は低下傾向を辿るだろう。これに連動し米ドルも調整相場が継続しよう。ただ、後者のシナリオ(=米ドル調整相場の継続)となってもドル円の下値は限定的だろう。世界的な株高維持が継続しているからだ。このトレンドが維持される限り、米ドル安の影響をリスク選好の円売りが相殺しよう。目先、ドル円の下限は昨年113.00レベルと想定したい。このレベルを下方ブレイクしても、118円台上昇の起点となった111円ミドルレベルで反転する展開を現時点では想定している。尚、111円台まで下落する要因として警戒すべきはトランプ発言(ツイッター)だろう。今回の会見では中国とメキシコに付随するかたちで日本を批判してきたが、トヨタの経営戦略に突然介入する等、いつ日本に矛先が飛んできてもおかしくない状況にある。日本批判のトーンを強める言動があれば、期待先行相場の脆さが露呈し111円ミドルまで下落する可能性は十分あろう。


【チャート①:米金利チャート】

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【チャート②:ドル円日足チャート】

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