米ドル相場のボラティリティ拡大を警戒

Outlook

今週の外為市場は、米ドル相場が上下に大きく振れる展開を警戒したい。米ドルの買戻し材料として注視すべきは、米指標データとユーロロングのポジション調整となろう。一方、米ドル売り要因として警戒すべきイベントは、トランプ米大統領の一般教書演説である。ドル円の攻防分岐は、厚いビッドが観測されている108.00。一方、ユーロドルのそれは、直近高値1.2536を想定したい。米国イベント以外で注視すべきは、30日のカーニーBoE総裁の議会証言、31日の1月中国製造業PMI、第4四半期豪消費者物価指数そして1月ユーロ圏消費者物価指数速報値となろう。

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Market Analysis

米長期金利は2.6%台の水準を堅持する一方、米株も最高値圏での攻防が続いている(チャート①参照)。直近の欧米株式のボラティリティにも大きな変動は見られない。さらに、原油先物相場が堅調に推移し続けていることも考えるならば、現在の市場センチメントはリスク選好優勢と言える。年初からの下落幅も考えるならば、ドル円はいつ反転相場へ転じてもおかしくない。その圧力を強める材料として今週注目すべきは、米指標データとなろう。特に注視すべきは2月1日の1月ISM製造業景況指数と2日の雇用統計である。後者の指標データでは、引き続き賃金動向が市場の関心を集めよう。リスク選好相場に良好な米指標データが合わされば、対ユーロでの米ドルショートカバーを中心に米ドルの買い戻し圧力が強まろう。その過程でドル円には反転圧力が強まろう。この展開の場合、テクニカル面での攻防分岐は日足転換線が推移する109.88前後となろう(チャート②参照)。転換線の突破となれば、110円台への再上昇が焦点となるだろうが、これを達成できるかどうかは、対ユーロでの米ドルの買戻しの水準レベル次第となろう。そして、トランプ米大統領の一般教書演説も110円再上昇の鍵を握る可能性がある。

26日のドル円は海外時間に109円台を回復する局面が見られるも、NYタイムの引けは108.70だった。反発しても109円台すら維持できない現在の状況は、米ドル売り圧力が根強いことを示唆している。このような状況の中、30日に予定されているトランプ米大統領による一般教書演説が米通商政策(対中政策)のリスクを高める内容となれば、米ドル売り圧力をさらに強める要因となり得る。通貨オプション市場でドルプットへの需要が拡大するに伴いリスクリバーサルも拡大傾向にある(チャート③参照)。市場関係者がドル円の下落を警戒する中、上記の米指標データが発表される前に一般教書演説で米ドル安圧力が強まれば、ドル円は一時的に108.00を下方ブレイクする可能性があろう。その場合、最大の焦点は昨年の安値107.31の維持となろう(チャート②参照)。一方、ユーロドルは直近高値1.2536レベルを突破する展開を想定したい(チャート④参照)。1.2540上にストップが観測されている点を考えるならば、1.2536を突破する場合、さらにユーロドルが上値トライの展開となることを市場参加者が想定していることがわかる。一方、調整相場へ転じる場合は、1.21台の維持が焦点となろう(チャート④照)。


【チャート①:米株と長期金利】

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【チャート②:ドル円チャート】

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【チャート③:ドルプット / リスクリバーサル / ドル円】

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【チャート④:ユーロドル】

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