米国ウィークリー 2018/3/20号

イベント通過でリスクオンの展開も!

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  • 米国の輸入制限発動を3/23を控え、市場では様子見ムードが強まっている。中国を標的とした通商政策では、米通商法301条に基づく知的財産権侵害などにより中国からの輸入品のうち最大で600億ドル(約6.4兆円)、少なくとも年間300億ドル(約3.2兆円)の輸入関税を課すことなどを検討。中国が報復した場合には世界貿易に影響を及ぼし、拡大する世界経済を押し下げる懸念もある。

    米国の2017年のモノの貿易赤字は前年比8.1%増の7,962億ドル(約84.4兆円)と2008年以来9年ぶりの大きさ。このうち対中貿易赤字は約半分の3,752億ドル(約39.8兆円)を占め、トランプ大統領は対中貿易赤字を1,000億ドル(10.6兆円)減らすよう求めてきた。全米商工会議所のドナヒュー会頭は、中国製品への一方的な関税は米国の経済成長に打撃を与える破壊的な貿易戦争を引き起こす恐れがあると警告。関税が年間300億ドル相当の製品に課された場合、税制改革で家計が得た節税効果の1/3以上が帳消しになると指摘している。
  • 中国では、3/17には全人代で習近平国家主席が再選され、国家副主席には王岐山・前共産党中央規律検査委員会書記が選出され、事実上のナンバー2として習主席の2期目を支えることとなった。同主席は、経済改革派として1990年代にはモルガン・スタンレー(MSとの中国初の投資銀行設立に寄与し、ゴールドマン・サックス(GSのトップを務めたポールソン元米財務長官らウォール街の重鎮との長期的な関係を築いてきた。同副主席の手腕などにより、懸念される米中関係の貿易摩擦が緩和される可能性もあり、動向が注目される。

    米国では経済政策の要のコーンNEC(国家経済会議)委員長が辞任し、国際協調派のティラーソン国務長官が解任され、後任には対北朝鮮強硬派のポンペオCIA長官が指名された。米朝関係の行方の先行き不透明に加え、イラン核合意(米英独露仏中6ヵ国とのイランの核開発活動の制約とイラン制裁緩和に関する合意)破棄の可能性も浮上し、動向を注視したい。ただ、多くの悪材料の中でも、NYダウは、25日移動平均線水準と下値は堅い。世界貿易は拡大が続き米国景気指標も概ね良好な一方、長期金利は落ち着いた推移。FOMCを含め一連のイベント後には、リスクを取る動きが強まり、半導体関連を中心としたハイテク株や景気敏感株などが主導する堅調な展開も予想されよう。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(3/16現在)

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■主な企業決算 の予定
●20日(火):フェデックス
●21日(水):エルメス、テンセント
●22日(木):マイクロン、ナイキ

■主要イベントの予定
●20日(火):
FOMC21日まで)
・ユーロ圏3月の消費者信頼感指数(速報値)
中国全人代、閉幕
●21日(水):
10-12月の経常収支
・2月の中古住宅販売件数
FOMC政策発表、経済予測とFRB議長記者会見
●22日(木):
・17日終了週の新規失業保険申請件数
・1月のFHFA住宅価格指数
・2月の景気先行指数総合指標
・ ECB経済報告
・ EU首脳会議(ブリュッセル、23日まで)
●23日(金):
・2月の耐久財受注
・2月の新築住宅販売件数
・アトランタ連銀総裁、講演
・ミネアポリス連銀総裁、講演
・ボストン連銀総裁、講演
暫定予算期限

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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