米国マンスリー2016年4月号

注目される経済指標、金融政策とマーケット動向

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GDP見通しは2%台前半推移へ

2015/4Q(10-12月)の米実質GDP成長率の確定値は1.4%と改定値の1.0%から上方修正された。GDPの約7割を占める個人消費は改定値の2.0%増から2.4%増となった。今後は企業利益や輸出が改善となるかがポイントとなろう。

2016/1Q(1-3月)以降の市場見通しは2%台前半に留まる。アトランタ連銀によるGDPNowでは1Qの成長率見通しは3/28時点で0.6%と3/11時点の2.3%から大幅に下方修正されている。4月のFOMCの判断材料の一つとなろう。(庵原)

2015/4Qは上方修正となったGDP成長率~見通しは2%台前半での推移】

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改善続く雇用市場と金融政策

3月のFOMCは、利上げペースを年4回から2回とハト派的な内容になった。ただ、FRBが注目する雇用市場は改善が続いており、利上げ時期を巡って動向が注目される。

非農業部門雇用者数の前月比増加幅は6ヵ月移動平均で2014/6以降20万人超、失業率は2016年に入って4.9%と5%を切るほぼ完全雇用の状況。一方で、平均時給は2月に前月比0.1%減となり、小売売上高が1月同0.4%減、2月同0.1%減と2016年に入ってマイナスとなっている点は懸念材料である。金融政策の重要な決定ファクターである雇用統計に注目したい。(庵原)

【改善が続く労働市場~金融政策の決定ファクターとして注目】

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改善となるか?~ISM景況指数

景気の先行指標であるISM景況指数は、製造業が2014/8の58.0をピークに悪化し2015/10から2016/2まで5ヵ月連続で景気の好不況の分岐点である50割れとなっている。

非製造業も2015/7の59.6からピークアウトしたが、足元では揃ってボトムアウトの兆しも見られる。原油など商品市況が底打ちし、ドル高基調に反転の兆しも見られ米国企業の輸出競争力回復、エネルギーなど資源関連への設備投資拡大となる可能性もあり、予想EPS拡大に期待したい。ISM景況指数の改善は連動する株価の押し上げ要因となろう。(庵原)

【景気の先行指標であるISM景況指数~相関する株価を押し上げるか?】

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実質金利低下し弱まるドル高基調

3/29、イエレン議長は講演で追加利上げに慎重な姿勢を示し、日米金利差縮小を背景に円買い・ドル売りが優勢となった。FRB要人から追加利上げに関するコメントが相次いだが、早期利上げ観測は後退した。

FRBは2015/12に利上げに踏み切ったものの、米10年国債利回りは2015/12の2.3%台から2月に一時1.6%まで低下し足元では1.8%台。日欧との実質金利差は一気に縮小し、ドル高要因が剥落している。3/29のイエレン議長の発言を受けて、金利先物が示す4月の利上げ確率はゼロとなり、6月も前日の38%から26%に低下。ただし、経済指標次第では、金利上昇・ドル高に戻る可能性もあり動向に留意したい。(庵原)

【米国の実質金利は低下しドル高基調にブレーキ】

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景気減速が続くなか、政策に注目

中国国家統計局によれば、2月の製造業PMIは49.0と前年同月の49.9から悪化し節目の50を7ヵ月連続で下回った。さらなる刺激策が必要となりそうだ。李克強首相は3/5の全人代で2016-2020年の5年間のGDP成長率目標を6.5%以上に設定。また、楼継偉財政相は景気下支えのため、財政赤字の対GDP比率を2016年予算案の3%から引き上げる可能性を示唆した。

同首相は「ゾンビ企業」への対処、鉄鋼や石炭業界の過剰生産能力解消、国有企業改革など経済構造改革が必要であると強調。米国の金融政策やマーケットに影響を及ぼす中国の景気動向に留意したい。(袁)

【米金融政策や相場に影響する中国景気指標と株価動向】

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利益見通しと注目セクター・銘柄

2016/1Q(1-3月)のS&P500種構成企業の増益率見通しは前年同期比▲9.3%と減益だが、2Q(4-6月)は同▲2.6%と減益幅が縮小。3Qは同5.1%増益、4Qが同10.1%増益と増益率が高まる予想である。 

セクター別には、エネルギーと素材が引き続き大幅減益の見通し。反面、一般消費財・サービスは自動車&部品、小売などの増益率が高いほか、ヘルスケア、通信サービスのソフトウェア&サービスの利益も順調に伸びると予想される。個別には、ゼネラルモーターズ(GM)アマゾン(AMZN)メルク(MRK)ベライゾン(VZ)などに注目したい。(袁)

2016/1Qは減益見通しも一般消費財、ヘルスケア、通信が増益へ】

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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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