米国マンスリー2015年9月号

ファンダメンタルズを確認し米国の先行きを占う

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中国経済減速の懸念が広がる

財新/マークイットが8/21に発表した8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.1と、約6年半ぶりの低水準。また、6ヵ月連続の50割れとなった。市場予想の中央値48.2及び7月改定値の47.8を下回った。発表を受けて中国経済の減速懸念が広がり、軟調だった世界の株式市場は下げ幅を一層拡大した。

PERに着目するとS&P500種株価指数が17倍、日経平均が18倍、上海総合が20倍前後で推移していたため、株安の背景には短期的な過熱感もあったとみられる。(北浦)


中国経済減速で世界的に株安が連鎖



 

9月利上げ観測が後退

8/20公表の7/28-29分FOMC議事録では、大半のFOMC参加メンバーが利上げ時期は近づいているとの考えを示した。その一方、開始時期については追加的な情報が必要だとの見方も示しており、市場では9月利上げ観測が後退した。
多くの参加者が利上げ開始へのカギと見る労働市場は、年初より改善傾向にあるが、数人の参加メンバーの間で、一段の改善が必要だとの意見も出ている。8/7発表の7月米雇用統計では非農業部門雇用者数増と賃金上昇が確認され、利上げを支える内容と言えよう。(北浦)

雇用統計では労働市場の改善が示された
 

 


質への逃避による金価格上昇

8/24にWTI原油先物価格は前営業日比2.21ドル安の38.24ドルと40ドルの大台を割り込んだ。中国に加え世界景気の先行き不透明感が高まり、原油需要縮小との見通しから原油価格は大幅に下落している。
一方、世界的な同時株安、米国の利上げ時期の先送り観測もあって債券は買われ金利は低下し、金価格が7/24を底に反転上昇している。質への逃避から安全資産としての金を買う動きが強まっている。関連銘柄としてニューモント・マイニング(NEMバリック・ゴールド(ABXなど金鉱株に注目したい。(袁)

世界同時株安、米利上げ先送り観測などから金利は低下、金価格は上昇



好調な米住宅市場と関連銘柄

7月の中古住宅販売は前月比2.0%増の559万戸と市場予想の543万戸を上回り、2007/2以来8年5ヵ月ぶりの高水準となった。販売戸数は増加し、販売価格は上昇基調にある。住宅着工件数や新築住宅販売件数も増加トレンドと米国の住宅市場の好調を示している。
足元、外部環境は厳しいが、引き続き米国の住宅関連市場の動向に関心が集まりそうだ。個別銘柄では、増収増益の決算に加え、格付けが上方修正された不動産建設大手のレナー(LEN決算純利益が倍増となった住宅建築・販売の最大手のD.R.ホートン(DHIを取り上げたい。また、増益決算や業績見通しを上方修正した建設資材販売のホーム・デポ(HDにも注目。(袁)

好調持続の米国不動産市場



上方修正見通しのセクターに注目

2015/3Q(7-9月)の主力企業は、8/21時点で前年同期比5.5%減益と6/26時点に比べ減益幅は拡大の見通し。エネルギーセクターが同60.9%減益と同32.5%減益から大幅な下方修正となった影響が大きい。
一方、一般消費財・サービスは同3.6%増益から同10.1%増益、ヘルスケアは同6.6%増益から同7.8%増益、通信が同5.3%増益から同11.1%増益にそれぞれ上方修正となっている。これらセクターの中からアマゾン・ドット・コム(AMZN)、ネットフリックス(NFLXギリアドサイエンシズ(GILDファイザー(PFEAT&TTベライゾン・コミュニケーションズ(VZなどに注目したい。(庵原)

2015/12期3Q(7-9月)も減益見通しだが上方修正セクターに注目



GDP見通し~個人消費が牽引役

2015/3Q(7-9月)の実質GDP成長率見通しは前期比年率2.7%増。GDPの約7割を占める個人消費が引き続き好調で、民間投資回復も成長率の押し上げ要因となりそうだ。
NRF(全米小売業協会)によれば年末商戦に向け既に小売業の玩具や冬物衣料などの輸入が始まっている模様。輸入量は8月が前年同月比3.6%増、2015/2H(7-12月)で前年同期比4.2%増の見通し。足元の新学期セールは苦戦の模様だが、年末に向け百貨店やディスカウント・ストアに加えネット販売企業などの動向が注目される。(庵原)

民間投資回復、好調な個人消費からGDP成長率は加速へ




 

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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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