米国ウィークリー 2017/12/19号

クリスマス・プレゼントに間に合う?

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  • 税制改革法案を巡る最終案で合意と伝わった12/15、NYダウ、S&P500、ナスダックの主要3指数は揃って最高値を更新。共和党指導部が公表した税制改革の減税規模は10年で1.5兆ドル、主な概要は以下の通り。

    ①企業税制・・・10年間で6,538億ドルの減税:法人税率を2018年から35%→21%、海外子会社からの配当課税廃止、②個人税制・・・10年間で1兆1,266億ドルの減税;所得税率引き下げ、基礎控除引き上げ、子供の税優遇措置拡大、③国際課税・・・10年間で3,244億ドルの増税:企業の海外利益のうち現金に対して15.5%、現金以外(工場や機器・設備などより流動性の低い投資資産)に8%の課税、などとなっている。マッカーシー共和党下院院内総務は発表資料において、下院は12/19に同法案の採決を行う計画であり、クリスマスに間に合うように大統領に送付するだろうとしている。
  • 一方、米国企業も内部留保が過去最高の2.3兆ドル(約260兆円)近くと2001年の2倍に積み上がり、同法案が賃金上昇や成長加速につながるとした共和党の見通し通りにならないとの見方もある。ただ、株主の力が強い米国では、設備投資や株主還元を積極的に実施する可能性も高い。また、海外の利益を現金以外の流動性の低い投資資産にする方法を探る動きが強まることも想定されよう。現行法では国内外で米国企業の利益に対して35%の法人税が課されており、海外利益の米国への還流(レパトリ)を決めるまでは納税を先延ばしできる。

    一方、同法案にオバマケアが定める個人の保険加入義務の廃止が盛り込まれメディケア(高齢者向け医療保険)や社会保障のコスト管理が困難となること、1月の発表も見込まれるインフラ投資は余地が限定されることなど、注視する点もありそうだ。ただ、足元でハリケーンの影響が一巡した11月分の経済指標は良好で、切り上がったS&P500の2017/12通期予想PERも連続2桁増益見通しの2018/12通期のEPS予想が同法案成立で上方修正され予想PER低下も見込まれる。ただ、12/19の半導体メモリー大手マイクロン・テクノロジー(MUの決算は短期的に市場を左右する可能性があり注視したい。トランプ大統領は、近々実質減税の税制改革法案に署名し、「クリスマス・プレゼント」とツイートできるか、同法案の行方が当面の大きな注目材料となりそうだ。(庵原)


S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(12/15現在)

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■主な企業決算 の予定
●19日(火):マイクロン、フェデックス
●21日(木):ナイキ

■主要イベントの予定
●19日(火):
・11月の住宅着工件数
・7-9月の経常収支
●20日(水):
・11月の中古住宅販売件数
・英首相、党首討論
●21日(木):
・7-9月のGDP(確定値)
・16日終了週の新規失業保険申請件数
・10月のFHFA住宅価格指数
・11月の景気先行指標総合指数
・スペイン・カタルーニャ州議会選挙
●22日(金):
・11月の個人消費支出・所得
・11月の耐久財受注
・11月の新築住宅販売件数
・12月のミシガン大学消費者マインド指数(確定値)
・債券市場、短縮取引

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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