米国ウィークリー 2016/9/6号

9月利上げのメインシナリオは崩れず!

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  • 9/2発表の8月の雇用統計は、事前の市場予想をやや下回る実績となったが、フィリップ証券ではFRBによる9月利上げのシナリオは維持されると見ている。非農業部門雇用者数は、前月比15.1万人増と市場予想の同18.0万人増を下回り、8月単月としては利上げするには力強さに欠ける内容となった。

    しかし、非農業部門雇用者数は、7月が同25.5万人増から27.5万人増に上方修正され、6月は同29.2万人増から同27.1万人増に下方修正された結果、過去3ヵ月平均では同23.2万人増と節目の同20.0万人増を大きく上回った。季節要因などから雇用者数の振れ幅が大きくなることを考慮すれば、3ヵ月平均で雇用動向を分析することは妥当と言えよう。このほか8月の雇用統計では、失業率が4.9%(市場予想4.8%、前月4.9%)、平均時給が前年同月比2.4%増(市場予想が同2.5%増、前月は同2.6増)と軒並み市場予想を下回った。しかし、近い将来の利上げを排除するような内容ではなく、FRBは金融正常化を進めるための年内利上げ実施の考えに変わりはないものと見ている。
  • 一方で、マーケットは年内利上げをまだ、織り込む状況にはない。雇用統計後の利上げ確率は、9月が32.0%、11月が36.4%、12月が59.0%などと、8/26のジャクソンホールでのイエレンFRB議長による講演後に比べ低下している。利上げ観測後退との見方から、9/2のS&P500、NYダウ、ナスダックの主要3指数は小幅ながら上昇となった。一方で、為替市場では一旦はドルが下落したが、ドル・インデックス、ドル・円ともにその後すぐに堅調な動きを示した。また、1.5%台で推移していた10年国債利回りは、再び1.6%台に乗せるなど、株式、為替、債券の各市場で受け止め方はまちまちの展開となった。

    利上げへの見方が錯綜するなか、セクター別では金融の上昇が目立つ。24業種分類では銀行セクターが過去5営業日で2.25%上昇とトップパフォーマーである。一方で年初来騰落率は未だ2.91%の下落。近い将来の利上げは、利ザヤ拡大など収益環境の改善、良好な雇用や堅調な景気をFRBが確認したことを意味するため、銀行など金融セクターや景気敏感セクターにとって追い風であり、引き続き株式市場の牽引役となる可能性もあろう。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(9/2現在)

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■主要イベントの予定
●9月6日(火):
8月の労働市場情勢指数(LMCI
8月のISM非製造業景況指数
・4-6月のユーロ圏GDP(確定値)
●7日(水):
地区連銀経済報告(ベージュブック)
・MBA住宅ローン申請指数
7月の求人件数
・独7月の鉱工業生産
・カーニー英中銀(BOE)総裁、発言
●8日(木):
新規失業保険申請件数(9/3終了週)
・7月の消費者信用残高
ECB政策金利を発表、ドラギ総裁が記者会見
中国8月の貿易収支
日本8月の景気ウォッチャー調査
日本4-6月のGDP(改定値)
●9日(金):
7月の卸売在庫・売上高
・独7月の貿易収支 
中国8月のCPI(消費者物価指数)、PPI(生産者物価指数)
           

 (Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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