米国ウィークリー 2016/7/12号

ドル高・リスク回避も株高・リスクオンは継続か?

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  • 前月比28.7万人増。7/8発表の注目された6月雇用統計の非農業部門雇用者数は、市場予想の同18.0万人増を大幅に上回った。5月分の下方修正もサプライズであったが、ひとまず雇用不安を払拭する結果となった。同日の株式市場ではNYダウが前日比250.86ドル高(1.4%上昇)の18,146.74ドルと2015/5/19にマークした終値ベースの過去最高値18,312.39ドルまで約165ドルの水準に迫った。S&P500種株価指数はザラバで一時2,131.71と2015/5/21の終値ベースの史上最高値2,130.82を上回る場面もあった。

    市場の関心は米国景気動向に移り、英国のEU離脱問題などによる株価下落分を取り戻す展開となった。月初の重要経済指標である6月のISM景況指数は、製造業、非製造業とも市場予想及び前月水準を大幅に上回り、米景気の堅調ぶりを確認できた。また、6月の平均時給は前年同月比2.6%増と市場予想の同2.7%増こそ下回ったものの、前月の同2.5%増を上回り、堅調な個人消費を期待させるに十分なインプリケーションになったと見ている。

  • 7/6現在のアトランタ連銀のGDPNowによれば、米国の2016/2Q(4-6月)のGDP成長率は2.4%増である。6月の雇用統計が反映されれば、同成長率見通しは高まる可能性もあろう。7/29に発表される同成長率速報値の市場予想は現状2.6%である。また、7/6に発表された6月開催分のFOMC(6/14-15)議事録では、FRBが利上げを急いでいない姿勢が示唆された。離脱に向けた英国とEUの動向、7/15発表で鈍化見通しの中国4-6月GDP速報値やドル高など不透明要因もあるが、米国株は史上最高値を伺う展開を予想する。

    背景としてFRBのハト派的姿勢から10年国債利回りは過去最低水準(1.3%台)の推移が見込まれる一方、S&P500の配当利回り(2.1%)や株式益回り(5.5%)が安全資産を大きく上回っていることなどが挙げられる(データはBloomberg)。また、シーズン入りする2Q(4-6月)決算は、英・EU離脱の影響を織り込んだアナリスト予想を上回り株価サポート要因となる可能性もあろう。株価上昇の反面、安全資産の国債が買われるなど、リスク回避姿勢も見られるが、持たざるリスク顕在化による株価一段高もあると見ている。(庵原)


S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(7/8現在)

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■主要企業の決算予定
●7月13日(水):ヤム・ブランズ
●14日(木):ブラックロック、JPモルガン・チェース、AMD
●15日(金):ウェルズ・ファーゴシティグループ、USバンコープ

■主要イベントの予定
●7月12日(火):
EU財務相理事会
・5月の卸売在庫
●13日(水):
5月のユーロ圏鉱工業生産
中国6月の貿易収支
・6月の輸入・輸出物価指数 
6月の月次財政収支
地区連銀経済報告(ベージュブック)
●14日(木):
新規失業保険申請件数(7/9終了週)
・6月の卸売物価指数(PPI)
●15日(金):
・中国6月の鉱工業生産、小売売上高
6月の小売売上高
6月の消費者物価指数(CPI
6月の鉱工業生産
7月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
●18日(月):
・7月のNAHB住宅市場指数

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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