米国ウィークリー 2016/4/5号

雇用・景気改善のなか金利低下・ドル安でリスクオンへ

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  • 4/1に発表された注目の3月の雇用統計は、市場予想を上回り引き続き雇用市場の改善が確認された。非農業部門雇用者数は前月比21.5万人増と市場予想の同20.5万人増を上回り、平均時給は市場予想の同0.2%増を上回る同0.3%増と2月実績の同▲0.1%からプラス転換となった。一方で失業率は5.0%と2月の4.9%から悪化したが、労働力人口に復帰した人が増えたことが背景にある。具体的には、失業により暫く職探しをあきらめていた人々が、労働市場に戻りつつあることを示す労働参加率が3月に2014/3以来最高となる63.0%まで回復。FRBが金融政策に向けて注視する賃金上昇や労働参加率の改善が続くか今後の動向が注目される。

    FF金利先物からみた利上げ確率は、3/29のイエレンFRB議長のハト派的な発言により4月が6.0%→0.0%、6月は38.0%→28.0%となりその後20.0%まで低下したが、4/1の雇用統計を受けて6月の利上げ確率は20.0%→24.0%と僅かに高まった。同日発表された3月のISM製造業景況指数は市場予想の51.0に対して51.8と2015/9の50.0以来、好不況の分かれ目の50を上回り、7ヵ月ぶりの拡大となった。先行指標となる新規受注は58.3と2月の51.5から大幅に改善し、生産指数は2月の52.8から55.3となるなど低迷していた製造業の企業マインドの改善は米国経済の先行きに明るい材料となったと言えよう。
     
  • 良好な経済指標を好感し4/1の米国株式市場は上昇した一方、為替市場では引き続きイエレン議長が利上げを「慎重に進める」ことは適切だとの指摘の影響からドル安基調が続いている。10年国債利回りは1.9%台まで上昇していたが、足元では1.7%台まで低下している。ドル安基調が米国製造業の収益改善に寄与するとの思惑から投資家のリスク許容度が高まり、米国株式市場は堅調な推移が続くことが予想される。また、イエレン議長がリスク要因に挙げた中国の3月の製造業PMIが2月の49.0及び市場予想の49.4に対して50.2と9ヵ月ぶりに節目の50を上回ったことも株式市場のサポート要因となろう。

    一方、3月の自動車販売は市場予想を下回り13ヵ月ぶり低水準と今後の動向を注視したい。原油高も一服しており銘柄選択は慎重に行いたい。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(4/1現在)

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主要企業の決算発表予定

●6日(水):モンサント
●11日(月):アルコア

主要イベントの予定

●5日(火):
2月の貿易収支
3月のISM非製造業景況指数
・大手33銀行「資本計画」、「ストレステスト結果」をFRBへの提出期限
●6日(水):
FOMC議事録(3/15-16分)
IMFが世界経済見通し(WEO)が公表
中国3月の財新サービス業PMI
●7日(木):
新規失業保険申請件数(4/2終了週)
・2月の消費者信用残高
イエレンFRB議長、バーナンキ前議長、グリーンスパン元議長、 ボルカー元議長の討論会
ECB理事会議事録(3/10分)
●8日(金):
・2月の卸売在庫
シリア平和協議再開(ジュネーブ)
●11日(月):
G7外相会合
・ヤフー資産売却、買収提案の提出期限

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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