米国ウィークリー 2016/3/8号

雇用市場好調も3月利上げの可能性は低い?

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  • 3/4に発表された2月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比24.2万人増となり1月分は速報値の同15.1万人増から同17.2万人増へ上方修正された。2月は市場予想の同19.5万人増及び節目の20万人を大きく上回り、失業率は前月と同水準の4.9%と良好な雇用動向が確認された。ただ、平均時給は前年同月比2.2%増に留まり、前月比では0.1%減と約1年ぶりのマイナスとなった。労働者が景気回復のメリットを十分に享受できていないとの見方ができるため、FRBにとっては満足できる内容ではなかったと思われる。
     

    雇用統計の結果を受けた株式市場は、雇用市場が好調であるものの3月の利上げ実施は難しいと受け留め、3/4の米国株は上昇となった。金利先物市場の動向から、3/15-16のFOMCで利上げが決定される確率は10%を割り込んでいる。ただ、中期の利上げ見通しの確率は、年央までが40%と雇用統計発表前日の35%から高まり、12月は68%と同64%から上昇している。

  • G20を経て主要国の景気刺激策への期待が高まる中、中国・人民銀行は2/29に預金準備率を0.5%引き下げると発表。昨年10月以来の緩和を好感し上海総合指数は月初来4営業日で6.93%の上昇。また、3/5に開幕した第12期全人代では、李克強首相が2016年の実質GDPを6.5-7%とすると表明。2015年の目標7%前後からは引き下げだが、機動的な財政・金融政策により経済の失速を防ぐとしており、現実に即した目標と言えよう。一方、2016-20年までの第13次新5ヵ年計画では構造改革を進め、年平均6.5%以上の「中高速成長」を想定。2010年比でGDPと所得水準倍増の実現を目指している。

    原油はロシアやサウジアラビアなどによる産油国の増産凍結に向けた進展、米国の産油量が2016年末に日量850万バレル/弱と昨年ピーク比100万バレル減との見通しなどからWTI原油先物価格は2ヵ月ぶりの水準まで上昇。原油や金属市況上昇によりブラジルボベスパ指数は過去5営業日で18.01%もの上昇。順調な米国景気や中国、ブラジルなど新興市場の懸念が緩和により、資源関連や金融などの買い戻しが続く展開を予想する。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(3/4現在)

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主要イベントの予定

●8日(火):
EU財務相理事会
・中国2月の貿易収支
ユーロ圏10-12 月のGDP(改定値)
●9日(水):
1月の卸売在庫
シリア和平協議再開
・ECB量的金融緩和開始から1年
●10日(木):
新規失業保険申請件数(3/4終了週)
2月の月次財政収支
・米カナダ首脳会談
ECB理事会
ECB 金融政策発表、ドラギ総裁が記者会見
・中国2 月の新規融資、経済全体のファイナンス規模、マネーサプライ
●11日(金):
2月の輸出物価指数
・EU外相理事会
  ●14日(月):
3/13から夏時間が開始(サマータイム)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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