米国ウィークリー 2016/2/16号

為替、商品市況変動で振幅の大きな展開が続こう

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  • 過去5営業日のNYダウは1.43%の下落に留まったが、リスク回避の動きが強まる展開となった。10年国債利回りは2/11には一時1.53%と2012/8以来の水準まで低下し、急反発したNY金先物価格は同日、前日比5.8%高の1,263.90ドル/オンスと2015/2以来の高値水準まで上昇した。

    注目されたイエレンFRB議長の議会証言(2/10、11)では、マイナス金利の可能性を排除しない旨の発言がなされ、行き場を失ったマネーが国債や金などに流入する勢いを強めた。もっともFRBによるマイナス金利導入の可能性は当面あり得ず、従来想定の追加利上げ時期が先送りされることはあっても、FRBが利上げの可能性を放棄する考えがないことが示された。金融市場の混乱を受けて、市場参加者は年内追加利上げの可能性がほぼ消えたとみているが、イエレン議長の発言は慎重姿勢だが利上げシナリオを残している。金融政策に影響を及ぼすデータ次第で市場の乱高下は続く可能性がある。
     
  • また、WTI原油先物価格は2/11に前日比4.5%安の26.21ドル/バレルと再び2003/5以来の安値に沈んだ。石油受け渡しの中継点であるオクラホマ州クッシングの在庫が過去最高となったことなどが影響したが、翌2/12には同12.32%高の29.44ドルと7年ぶりの大幅高となった。資産運用会社による価格回復を見込む買いポジションが増えているなか、OPECが他の産油国と協力する用意があるとのアラブ首長国連邦・エネルギー相の発言が好感された。

    2/12にはドイツ銀行が約6,000億円の債券買い戻し計画を発表し、投資家の財務懸念払拭から、欧米の株式市場では金融セクターを中心に大幅反発となった。市場の混乱や日欧のマイナス金利導入などから年初来大幅安となっているドイツ銀行(DBKJPモルガン・チェース(JPMバンク・オブ・アメリカ(BACなどが軒並み大幅高となった。しかし、世界景気の先行き不透明感が払拭されたわけではなく、為替、商品市況の値動きは激しく、株式市場も値幅の大きい相場展開が続くものと予想する。旧正月明けの中国市場も注視したい。長期的な視点から、好業績銘柄をピックアップしたい。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(2/12現在)

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主要企業の決算発表予定

●17日(水):サンパワー、ニューモント・マイニング
●18日(木):ウォルマート・ストアーズ
●19日(金):VFディア、ケリング
●22日(月):アラガン、HSBC

主要イベントの予定

●16日(火):
2月のNY連銀製造業景気指数
・2月のNAHB住宅市場指数
日銀のマイナス金利適用開始
●17日(水):
FOMC議事録(1/26-27分)
1月の住宅着工件数、建設許可件数
1月のPPI(生産者物価指数)
・1月の鉱工業生産
●18日(木):
1月の景気先行指標総合指数
・2月のフィラデルフィア連銀景気指数
EU首脳会議(2/19まで)
●19日(金):
1月のCPI(消費者物価指数)
  ●22日(月):
・2月の製造業PMI(速報値)
IEA中期石油市場見通しの公表

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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