米国ウィークリー 2016/11/15号

新政権の政策好感したトランプ・ラリー!

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  • 注目された大統領選挙は、事前の予想に反しドナルド・トランプ候補が勝利し、2017/1/20に第45代アメリカ合衆国大統領に就任することとなった。NYやカリフォルニアなどの大都市以外の多くの州で、白人を中心に強いアメリカ復権を望む保守的な高齢層や、閉塞感・格差への不満を抱く中・低所得の労働者層の支持を得たものと見られる。

    選挙後、不透明要因後退と政策期待から米国株は大幅高となり、NYダウは11/11現在、過去5営業日で959.38ドル上昇の18,847.66ドルと連日の最高値更新。構成銘柄では金融、建機、医薬品の上昇率が目立つ。新政権では、10年で1兆ドル(約106兆円)のインフラ投資など財政出動からインフレ期待が高まっており、10年国債利回りは2%台に乗せてきた。ドッド・フランク法(金融危機再発防止のための金融規制改革法)撤廃も視野に入っており、引き続き金融セクターに注目したい。経済成長率で2倍の4%成長、法人税率35%→15%の大型減税を目指しており、景気刺激策による、インフラ投資関連や景気敏感株の株価動向にも注目したい。また、クリントン候補は薬価抑制案を示唆していただけに、医薬品・バイオセクターも注目セクターとなろう。
  •  一方で、ドル高進展でインドネシアや韓国など新興国では通貨や株価が大きく下落。保護主義的な貿易政策や財政出動に伴う利上げペース拡大の可能性が影響している。当面、動向に注意が必要だが、中銀介入などから為替は安定に向かうものと思われる。トランプ氏が撤廃を明言していたオバマケア(医療保険制度改革)は、一部維持を検討する模様。医療保険や病院などヘルスケア株の出直りもあろう。大統領選直前に集計された11月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は91.6と前月から上昇し、5ヵ月ぶりの高水準となった。消費者の景況感に明るさが増しており、クリスマス商戦も前年を上回る伸びが予想されているなか、トランプ効果で更なる消費拡大もあり得よう。

    ただ、外交問題やエネルギー政策などに不透明感が残るため、株価が乱高下する局面もあろう。短期的にはこれまでの大幅高から利益確定売りが出やすい状況を想定するが、投資家心理は良好な状況が続くとみる。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率11/11現在)

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■主な企業決算 の予定
●11月15日(火) : ホーム・デポ
●16日(水) : シスコシステムズ、テンセント
●17日(木) : ウォルマート、ギャップ、アプライド・マテリアルズ

■主要イベントの予定
●11月15日(火):
10月の小売売上高
11月のNY連銀製造業景気指数
7-9月期のユーロ圏GDP(改定値)
・独11月のZEW景況感指数
●16日(水):
10月の鉱工業生産
・10月の設備稼働率
・11月のNAHB住宅市場指数 
●17日(木):
日本の安倍首相がトランプ次期大統領と会談
・10月の住宅着工件数、建設許可件数
10月の消費者物価指数
イエレンFRB議長、議会証言 
●18日(金):
10月の景気先行指標総合指数
ドラギECB総裁、講演(フランクフルト)
・中国10月の新築住宅価格
●21日(月):
・10月のシカゴ連銀全米活動指数

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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