コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

個別銘柄レポート:メルク

ガン免疫治療薬「キイトルーダ」が化学療法との併用試験で良好な結果

ig_trading_floor_4

ニューヨーク | 大手製薬会社 | 業績フォロー

BLOOMBERG MRK:US | REUTERS MRK.N

  • 2017/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比3.1%増の104.33億USD、純利益が▲8.72億USDと赤字幅が拡大。調整後EPSは0.98USDと市場予想の0.93USDを上回った。
  • ガン治療薬「キルイーダ」やワクチン「ガーダシル」「ガーダシル9」が伸びたが、税制改革に伴う一時費用が響いた。
  • 2018/12通期会社計画は、売上高が412-427億USD、調整後EPSが4.08-4.23USD。2018/12通期の市場予想は、売上高が前期比4.0%増の417.22億USD、純利益が同3.1倍の80.29億USD。

What is the news?

2017/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比3.1%増の104.33億USD、純利益が▲8.72億USDと前年同期の▲5.94億USDから赤字幅が拡大した。一方、調整後EPSは0.98USDと市場予想の0.93USDを上回った。ガン免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ」が世界各国で適応症を増やしたことにより販売が伸びた。唯一の第一選択薬である転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者向けが同製品の伸びに大きく貢献。ヒトパピローマウイルスの感染に起因する疾患の予防ワクチンである「ガーダシル」も、中国での上市のほか2016/12末の仏サノフィとのワクチン合弁子会社の解消に伴い2017/12期から計上されることとなった欧州19ヵ国の売上などが寄与し好調であった。しかし、税制改革に伴う一時費用として計上した26億USDが重しとなり、赤字幅が拡大した。

主要な医薬品の売上高は、糖尿病治療薬の「ジャヌビア」、「ジャヌメット」が前年同期比1.0%増15.2億USD、「キイトルーダ」は売上高が同2.7倍の12.97億USD、「ガーダシル」、「ガーダシル9」が同16.8%増の6.33億USD、高脂血症治療剤の「ゼチーア」、「バイトリン」が同41.7%減の5.09億USD、HIVインテグラーゼ阻害剤の「アイセントレス」、「アイセントレスHD」が同8.6%減の3.08億USD、C型肝炎治療薬の「ゼパティア」が29.3%増の2.96億USD、アニマルヘルス製品が11.0%増の9.81億USDであった。

How do we view this?

2018/12通期会社計画は、売上高が412-427億USD、調整後EPSが4.08-4.23USDである。通期市場予想は、売上高が前期比4.0%増の417.22億USD、純利益が同3.1倍の80.29億USD。同社は、主力のがん治療薬「キイトルーダ」が、転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対して、抗がん剤の「アリムタ」、「シスプラチン」、「カルボプラチン」を併用した初回治療を評価した第3相臨床試験KEYNOTE-189において、2つの主要評価項目(全生存期間及び無増悪生存期間)を達成したと発表。KEYNOTE-189のデータは今後の医学学会で発表され、規制当局に提出される予定。化学療法との併用により、同薬の利用拡大が期待される。

phillip_fig_Merck_Mar_01
配当予想(USD) 1.92 (予想はBloomberg)
終値(USD) 54.57 2018/2/22

会社概要
1891年に独E.Merckの米国子会社として設立したグローバル・ヘルスケア企業。医療用医薬品、ワクチン、バイオ医薬品、アニマルヘルス製品を提供。140カ国以上で事業を展開。がん、生活習慣病、新種の動物病、アルツハイマー病、HIVやエボラなどの感染病をはじめとして、世界中で人々の命やコミュニティを脅かしている病気の治療や予防のために、研究開発の最前線に立ち続けている。また、様々なプログラムやパートナーシップを通じて、医療へのアクセスを推進する活動に取り組む。
世界140ヵ国以上で事業を展開。米国およびカナダ以外の地域ではMSDの名称で知られる。


企業データ(2018/2/23)
ベータ値0.99
時価総額(百万USD) 148,673
企業価値=EV(百万USD) 164,724
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 758

phillip_fig_Merck_Mar_02
主要株主(2018/2) (%)
1. Vanguard Group 7.25
2. BlackRock 6.79
3. State Street Corp 4.35
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


【レポートにおける免責・注意事項】
本レポートの発行元:フィリップ証券株式会社〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町4番2号
TEL:03-3666-2101 URL: http://www.phillip.co.jp/
本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員 庵原浩樹
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。フィリップ証券は、レポートを提 供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。当資料に記載されている内容は投資判断の参考として筆者の 見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身 の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害につ いても責任を負いません。当資料の一切の権利はフィリップ証券株式会社に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じま す。
<日本証券業協会自主規制規則「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則平14.1.25」に基づく告知事項> 本レポートの作成者であるアナリストと対象会社との間に重大な利益相反関係はありません。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IGアカデミー

無料のオンラインコースや各種ウエビナー、セミナーなど、IGが提供する豊富な学習プログラムを通じてトレードの方法を学び、トレードに関する知識を深めることができます。