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米国ウィークリー 2018/2/6号

期待と懸念の狭間で高まるボラティリティ

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  • 2/2のNYダウは、前日比665.75ドル安の25,520.96ドルと急落。足元で長期金利の上昇ピッチが強まり、1/29に一時2014年以来となる2.7%台に乗せて以降、株式市場は反落の動きを強めた。NYダウは、1/26にマークした過去最高値26,616.71ドル(ザラバ)から2/2の終値までの5営業日で1,095.75ドルの下落。年初来、最高値まで1,897.49ドル上昇(7.7%高)したが、上げ幅の約58%の下落となった。上昇分の半値以上の押しとなり、25日移動平均の25,725.95ドルを下振れたことで、もう一段の下落の可能性もあろう。


    1/30の一般教書演説ではトランプ大統領が1.5兆ドル(約165兆円)の大型インフラ投資計画について触れ、1/31に発表されたFOMC声明ではFRBが政策金利引き上げ継続をより明確にする表現に変更され、3月の利上げの可能性も示唆された。また、物価見通しはインフレ率が今年上昇し、中期的に目標の2%近辺で安定すると予想するなど、前回見通しから強めのトーンに引き上げられた。更に2/2発表の1月分雇用統計では平均時給が前年同月比2.9%増と市場予想の同2.6%増及び昨年12月分の同2.5%増を大きく上回り、インフレが高まりFRBが利上げを急ぐとの観測が強まり金利が上昇し、株価が売られた。
  • 同日の米10年国債利回りは、2.8%台に乗せと引き続き急上昇となり、市場参加者は利益確定売りを急いだものと見られる。債券が売られ金利が上昇する展開が落ち着くまでは、株式市場も軟調な展開が続く可能性があろう。ただ、米国の企業業績は見通しも含め好調で、景気は当面良好な見通しであり、米国のファンダメンタルズの急激な悪化懸念は小さいと見られる。また、一時、20倍を超えていた予想PERはNYダウ、S&P500ともに17倍台まで低下しており、株式益回り(PERの逆数)はともに5%台後半と、依然として2.8%台の長期債利回りに比べ高く、魅力的な水準にあると言えそうだ。

    短期的には金利動向を見据えた様子見姿勢が強まると予想されるが、投資家の高まったキャッシュポジションは、徐々に株式市場に戻ると予想する。企業業績への期待により年初から大幅高となった株式市場だが、金利急上昇による先行き懸念から大幅反落し、2017年に平均約11で推移したVIX指数は2/2に17.31と急伸。2018年は今後もボラティリティが高まる局面がありそうだ。(庵原)


S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(2/2現在)

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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(2/2現在)

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■主な企業決算 の予定
●6日(火): GM、ディズニー、ギリアド、BP、BNPパリバ
●7日(水): 21世紀フォックス、プルデンシャル、テスラ、ウニクレディト、ABNアムロ、リオ
●8日(木):バイアコム、ニューズ、NYT、ツイッター、AIG、エヌビディア、コメルツ銀行、ソシエテG

■主要イベントの予定
●6日(火):
12月の貿易収支
・12月の求人件数
・セントルイス連銀総裁、講演
●7日(水):
・12月の消費者信用残高
・ダラス連銀総裁、ニューヨーク連銀総裁、シカゴ連銀総裁、サンフランシスコ連銀総裁、講演
●8日(木):
・3日終了週の新規失業保険申請件数
・フィラデルフィア連銀総裁、ミネアポリス連銀総裁、カンザスシティー連銀総裁、講演
暫定予算期限切れ
・ECB経済報告
・中国1月の貿易収支
・中国10-12月の経常収支(速報値)
●9日(金):
・12月の卸売在庫
・中国1月のPPI・CPI
23回冬季五輪・平昌大会開会(25日まで)
●10日(土):
・中国経済全体のファイナンス規模、新規融資、マネーサプライ(1月、15日までに発表)
(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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