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米国ウィークリー 2017/5/23号

上値は重いが下落分を取り戻す展開へ!

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  • 5/17、トランプ大統領のFBIへの捜査妨害疑惑が浮上し、政権運営への不安が高まりNYダウは前日比372ドル安と大幅な下落となった。5/15には、ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズが電子版で同大統領がロシア側に機密情報を漏らしたとの報道があったばかり。このため、リスク回避の動きが強まり株式は売られ、安全資産である債券が買われて上昇基調にあった10年国債利回りは5/10の2.4%台から5/18には一時2.1%台に低下した。

    しかし、その後株式市場は反発し、過去5営業日の下落は小幅に留まった。5/18、5/19の2営業日で5/17の下げのほぼ半値分を取り戻し、短期的に下落分を埋める展開が続くと予想する。売られた半導体関連などハイテクや金融などが買い戻される展開を予想する。ただ、主要株価指数は高値圏にあり、BloombergによるS&P500の予想PERは、2015年以降の15-19倍程度のレンジに対して18倍を超えてきており、上値はやや重い展開になると見ている。
  • 目先は、トランプ大統領に解任されたコミー前FBI長官が5/30以降に上院情報特別委員会の公聴会に出席して行う証言内容が注目される。大統領が2月にコミーFBI長官(当時)と会談した際、ロシア疑惑に関連して捜査対象となっていたフリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の捜査中止を要請し、コミー氏が会話の直後に詳細なメモを取っていたことをニューヨーク・タイムズ紙が報じた。ただ、故意に捜査に介入し司法手続きの妨害があったことを証明することは難しく、大統領訴追の可能性は小さいと思われる。弾劾についても、下院の過半数で発議され、上院の出席議員の2/3以上の賛成で訴追・罷免となるが、上下両院で与党共和党が過半を占めており、可能性は低いと見られる。

    ただ、ロシア・ゲート捜査でホワイトハウス高官1人を重要参考人として捜査しているとの報道もあり、引き続きマーケットの波乱要因となる可能性があり、動向には注意したい。一方、市場の注目度は大きくないが、5/23には2018会計年度の予算教書が提出され、経済成長率3%を目指し減税やインフラ投資など予算案が公表される。公約に比べ予算規模が小さくなったとしても、実現可能性が高まる内容であれば、マーケットが好感する可能性もあろう。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(5/19現在)

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■主な企業決算 の予定
●5月23日(火):トール・ブラザーズ
●5月24日(水):ティファニー、HPインク
●5月25日(木):コストコ・ホールセールダラー・ツリー、ベストバイ

■主要イベントの予定
●23日(火) :
4月の新築住宅販売件数
5月の製造業PMI(速報値)
2018年度の予算教書発表
●24日(水) :
4月の中古住宅販売件数
FOMC議事録(5/2-3分)
・ECB総裁、講演(マドリード)
●25日(木) :
・新規失業保険申請件数(5/20終了週)
NATO首脳会議(ブリュッセル)。トランプ大統領が出席、仏大統領と昼食会
OPEC定例総会(ウィーン)
●26日(金) :
1-3月期のGDP(改定値)
4月の耐久財受注
5月のミシガン大学消費者マインド指数(確定値)
●29日(月) :
「ドライブ・シーズン」開始(9/4まで)
・メモリアル・デー(戦没者追悼記念日)の祝日

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員庵原浩樹
フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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