米国マンスリー2016年10月号

大統領選と業績動向と年末に向けた相場動向!

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世界経済見通しと金融政策と

9/21、OECDは2016年の世界の成長率見通しを下方修正した。日米欧の先進国・地域が振るわず、英国のEU離脱決定もマイナス要因に。

低成長見通しが貿易、投資、生産性、賃金を抑制し、「低成長のわな」に陥っていると警告。また、低金利とマイナス金利が金融市場を歪め、金融システムのリスクを高めているとも指摘。OECDは米国の緩やかな利上げ継続も求めている。2016年を底に世界経済は上向く見通しだが、長期見通しの平均値3.75%を大きく下回る。先行き不透明要因が多い一方、適正な財政出動などで成長路線を取り戻せるか注目される。(庵原)

【6月時点から下方修正となったOECDによる世界経済見通し】

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年末に向け波乱要因となるか?

9/26、大統領候補のクリントン候補とトランプ候補の第1回TV討論会が開催された。クリントン優勢との報道などから同日の米国株は上昇。

大統領選挙の年の米国株上昇率は、右図表の通り特段高い訳ではない。ただ、直近の3大統領の任期1年目前年の選挙の年については、ITバブルやリーマンショックなど影響を考慮する必要はあるが、総じて年末にかけて堅調な推移が確認される。一方、残された2回のTV討論会で形成逆転などとなれば、市場の波乱要因となる可能性もある。動向を注視する必要があろう。(庵原)

【大統領選挙と株価動向~大統領就任3年目の上昇率が顕著に高い】

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高止まりの消費者マインドとGDP

世界景気は未だ厳しい状況だが、米国の3Q(7-9月)のGDP成長率は、4四半期ぶりに2%台回復の見通しである。引き続き堅調な個人消費が牽引役として見込まれている。

先行指標でもある消費者マインドは高止まりしており、株価を含め動向に注目したい。年内利上げの有無、大統領選挙、欧州金融問題、不安定な原油価格など先行き不透明要因も多い。しかし、ガソリン安や低金利による家計負担の軽減、賃金、不動産価格の上昇や株高など資産効果が消費意欲を高め、成長率の押し上げも期待されよう。(庵原)

【消費者マインドは高止まり、個人消費が牽引し3Q以降のGDPは回復へ】

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年内1回利上げ可能性、12月に

FRB は9/21 のFOMC で金利の据え置きを決定した。FOMC声明文によれば、経済活動の拡大が加速、雇用の伸びなども堅調だったが、インフレ率は当局の目標である2%を下回った。反面、労働市場が一段と改善するなか、FRBは年内に1回の利上げを行う可能性を強く示唆した。

経済見通しでは短期的なリスクは概ね安定している模様と見られるが、11月の次回会合は大統領選直前でもあり、利上げ見送りの公算が高い。年内最後の12月のFOMCに注目が集まることとなろう。(袁)

FOMC声明文~労働市場の改善で年内1回の利上げの可能性も】

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経済指標改善で景気回復の兆し

中国国家統計局によれば、8月の製造業PMIは50.4と7月の49.9から改善し、景気拡大と悪化の分かれ目となる50を上回り約2年ぶりの高水準となった。一方、民間統計の8月の財新製造業PMIは50.0と7月の50.6から低下したが、前年同月より大幅に上昇した。また、小売売上高、鉱工業生産など重要な経済指標も堅調で経済減速懸念が続いた中国景気回復の兆しが確認された。

中国政府の財政・金融刺激策が想定以上に内需を下支えしたため、アジア開発銀行は2016年の同国GDPの成長率を6.5%から6.6%に、2017年を6.3%から6.4%に上方修正した。中長期的な景気回復ペースが加速する可能性があろう。(袁)

【中国経済~足元の景気改善、中長期的な景気回復加速も期待される】

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利益見通しと注目セクター・銘柄

9/23現在の2016/3Q(7-9月)のS&P500種構成企業の増益率見通しは前年同期比1.5%減と8/19時点の2Qの同2.3%減に比べて減益幅が縮小。4Qは同6.5%増益、2017/1Q(1-3月)と2017/2Q(4-6月)が同15.0%増益、同15.4%増益と大幅な回復見通しである。 

3Qのセクター別はエネルギー、資本財・サービスや通信サービスが減益見通しだが、ヘルスケア、素材、ハイテクのほか、金融も保険業が牽引し増益へ。新たに区分された不動産も堅調な見通し。個別には製薬のメルク(MRK、保険のトラベラーズ(TRV、ソフトウェアのアドビ・システムズ(ADBEや不動産のDRホートン(DHIなどに注目したい。(袁)


【2016/12期3Q(7-9月)企業業績見通しでは11業種のうち8業種が増益】

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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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