米国ウィークリー 2016/8/30号

想定覆すイエレン発言で9月利上げの可能性も!

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  • ビッグイベントにおいて、これほど大方の事前予想が相次いで覆されることはあったであろうか?英国民はEU離脱を選択し、世界だけでなく当事者の英国民さえ大いに驚かせた。一方、イエレンFRB議長は年内利上げとも受け取れる踏み込んだ発言を行い、ソフトでハト派的な発言を見込んでいた多くの投資家や我々市場関係者は大きな衝撃を受けた。歴々のFEDウォッチャーも流石に慌てふためいたのではないだろうか。

    8/26、イエレン議長は、カンザスシティー連銀主催のジャクソンホールでの経済シンポジウムで、“In light of the continued solid performance of the labor market and our outlook for economic activity and inflation, I believe the case for an increase in the federal funds rate has strengthened in recent months”と講演でコメント。米国経済は金融当局の目標に近づいており、利上げの論拠は強まりつつあるとの認識を示した。
  • 想定外のタカ派的発言は、早期利上げを想起させるに十分であった。1.5%台のレンジ内で推移していた10年国債利回りは1.6%台に乗せ、ドル・インデックスは上昇し、講演直前に99円台まで円高が進んだドル・円は、足元で102円台乗せなど円安が進展。株価は下落したが、9月月初の経済指標が良好であれば、堅調な展開となろう。講演後8/26現在の市場予想の利上げ確率は、9月が8/25:32.0%に対し42.0%、11月が8/25:37.8%に対して47.0%、12月は8/25:57.4%が64.7%にまで上昇。昨年12月の利上げ後、イエレン議長が追加利上げに向け踏み込んだ発言を行ったのは今回が初めてである。

    FRBは前回2015/12の利上げは遅すぎであり、今回は早期に可能と判断される適切な時期に行いたいとの考えを示したものと見ている。Brexitやイタリアの銀行の不良債権など欧州金融機関が抱える経営不安など、近い将来市場に影響を及ぼす可能性がある諸問題は残されている。しかし、これらの問題が浮上しないうちに金融正常化への道筋をつけたいFRBは、新大統領選挙及び就任の影響を排除し、イエレン議長をオオカミ少年(少女?)にさせないためにも、9月に利上げを実施する可能性が高まったと見る。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(8/26現在)

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■主要企業の決算予定
●8 月 30日( 火) :中国工商銀行、中国銀行
●31日(水) : セールスフォース

■主要イベントの予定
●8月30日(火):
6月のS&Pコアロジック/ケース・シラー住宅価格指数
8月の消費者信頼感指数 
・8月のユーロ圏景況感指数
●31日(水):
・MBA住宅ローン申請指数
8月のADP雇用統計
・8月のシカゴ購買部協会景気指数
●9月1日(木):
・新規失業保険申請件数(8/27 終了週)
8月の自動車販売台数
8月のISM製造業景況指数
中国8月の製造業PMI、非製造業PMI、中国8月の財新製造業PMI
●2日(金):
7月の貿易収支
8月の雇用統計、失業率 
・7月製造業新規受注
●5日(月):
中国8月の財新非製造業PMI
・7月のユーロ圏小売売上高

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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