米国ウィークリー 2016/4/12号

決算シーズン入りで個別物色の様相が強まろう

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  • イエレン議長の発言に加え、4/6に発表された3月分のFOMC議事録によりFRBのハト派色がより鮮明となった。主要通貨に対してドル安が進み、金利は低位での推移となった。議事録では、一部の当局者が米経済は完全雇用またはそれに近い状態にあり、インフレ率は上昇し始めているとの認識を示した。しかし、多くの参加者は、世界の経済・金融情勢が依然として米経済の見通しに相当な下振れリスクをもたらしているとの見解を表明。米国経済は比較的堅調に推移しているが、世界経済の減速により米国企業の設備投資計画が縮小し、米国の輸出が抑制される恐れがあるといった懸念が表明された。

    主要通貨に対するドルの総合的な価値を示すドルインデックスは、2015/12/2の100.51をピークに下落基調を辿り、4/8で94.15とこの間に6.3%の下落となっている。ドル安は米国企業の収益サポート要因として、米国株を押し上げてきたが、上げ一服でむしろ利益確定の売りが優勢となった。また、2016/12期1Q(1-3月)の決算発表シーズンを控え、様子見ムードも強まり積極的な買いが手控えられた面もあろう。
     
  • Bloomberg集計による4/8時点の1Q業績見通しは、S&P500社ベースで前年同期比10.1%減と2桁の減益である。エネルギーや素材が大幅な減益見通しと足枷となっているが、エネルギーセクターを除くベースでも同5.3%減益である。金融、資本財、ハイテクなどの景気敏感セクターも減益の見込みであり、業績への懸念も相場の上値を抑えている側面もあろう。1Qの増益見通しのセクターは、一般消費財・サービスが同9.3%増、ヘルスケアが同4.3%増、通信が同12.3%増と10業種のうち3業種に留まる予想となっている。

    4/5、IMFのラガルド専務理事は講演で、中国の景気減速や原油価格の低迷で「世界経済の見通しは一段と悪化した」とコメント。4/12に発表されるIMFの2016年の世界経済見通しでは、成長率が今年1月時点の3.4%から下方修正となる模様。個別銘柄は、ディフェンシブを中心に良好な決算が見込まれる企業をピックアップしたい。このほか、リグカウントや米原油在庫減少、4/17の産油国会議への期待から原油関連にも注目したい。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(4/8現在)

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主要企業の決算発表予定

●12日(火):CSX
●13日(水):JPモルガン、サンディスク
●14日(木):ウェルズ・ファーゴ、デルタ・エアラインズ、バンク・オブ・アメリカ
●15日(金):シーゲイト・テクノロジー、シティグループ
●18日(月):IBMネットフリックスモルガン・スタンレーペプシコ

主要イベントの予定

●12日(火):
3月の月次財政収支
IMFの世界経済見通し(WEO
●13日(水):
ベージュブック(地区連銀経済報告書)
3月の小売売上高
3月の生産者物価指数(PPI
●14日(木):
3月の消費者物価指数(CPI
G20財務相・中銀総裁会議(4/15まで、ワシントン)
●15日(金):
・4月のNY連銀製造業景気指数
3月の鉱工業生産
4月のミシンガン大学消費者信頼感指数(速報値)
●18日(月):
・4月のNAHB住宅市場指数
原油「増産凍結」で産油国会合(4/17、カタール)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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