米国ウィークリー2015/09/15号

FOMC通過で相場は安定感を取り戻せるか?

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・8月に大幅な調整となったNYダウは、5/19の高値18,351.36ドルから8/24には一時15,370.33ドルとこの間16.2%もの下落となった。先行きの投資家心理を示すVIX指数は年初来ほぼ20を下回る水準で推移していたが、8/24に一時53.29まで急伸した。9月に入ってからVIXは30台を割り込み9/11で23.20まで低下。NYダウは16,000ドルを下値に上値は16,500ドル程度で比較的堅調な推移を示しており、ボラティリティは小さくなってきている。

背景としては中国経済の先行き不透明感が強まる中、9月利上げの可能性が小さくなってきていることが挙げられよう。9/13、中国国家統計局が発表した主要経済統計によれば、建設工事や設備投資の傾向を示す1-8月の固定資産投資は前年同期比10.9%増と2000年通年以来の低水準に減速した。9月の利上げがなくなれば株高シナリオが描ける。しかし、一時的に好感しても利上げ時期の先送りは不透明感を残すこととなり、中国経済への不安もあって株価上昇が続くストーリーも描きにくい。

・FRBが重視する米国経済指標からみれば、9月利上げの条件は整ったとフィリップ証券では考えている。利上げ実施となれば一時的な金融市場の混乱を招くであろうが米国株式市場は十分に調整しており、既に新興国市場では資金流出、通貨や株価が大きく下落している。更なる大幅な調整が長期化するというシナリオの確率は低いと思われる。FOMC後、一時的に金融市場の値動きが荒くなることはあっても、安定を取り戻すのにさほど時間を要しないと予想する。足元のエコノミストの利上げを巡る予想は五分五分との報道もあり、既に市場では利上げへの備えも進んでいる可能性がある。

様子見姿勢を強めている長期投資家も、一部では金利動向の影響が小さい優良株への投資を行っている模様である。一方で、短期の投機筋はボラティリティが低下する中、大胆な投資戦略には踏み切れない状況にあると思われる。過去5営業日の米国株は主要3指数が揃って上昇。ディフェンシブのユナイテッドヘルス・グループ(UNH)や個別に材料のあるアップル(AAPL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)などの株価は上昇が続くと予想する。(庵原) 



S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(9/11現在)


主要企業の決算発表予定

●16日(水):フェデックスオラクル
●17 日(木): アドビ・システムズ
●21 日(月):レナー
 

主要イベントの予定

●15日(火):
8月の小売売上高
9月のNY連銀製造業景気指数
8月の鉱工業生産
・セールスフォース年次イベント「ドリームフォース」(9/18まで、サンフランシスコ)
・独9 月のZEW 景況感指数
●16日(水):
8 月のCPI
・9月のNAHB住宅市場指数
FOMCの開催(9/17まで)
●17日(木):
FOMC が終了経済予測の発表とイエレンFRB 議長の記者会見
4-6月期の経常収支
8月の住宅着工件数建設許可件数
●18日(金):
・8月の景気先行指標総合指数
●21日(月):
8月の中古住宅販売件数
(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)

 

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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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