加速する期待先行相場 ドル円は110円台へ

Market Overview

18日の海外外為市場でも米ドル買いの勢いは止まらず。この日の議会証言でイエレンFRB議長は12月利上げの可能性を示唆。トランプ政策への期待も重なり、ドルインデックスは2003年4月以来となる100.96レベルまで米ドル高が進行した。ドル円は109.99レベル(弊社ProRealTime chart)まで、ユーロドルは1.0620レベル(同)までそれぞれドル高進行した。ドル高の進行が原油先物相場の圧迫要因となったことで、資源 / 新興国通貨も対ドルで軒並み下落した。尚、ドル円は早朝に110円台への到達に成功。今年高安のリトレースメント50.00%レベルにあたる110.35前後まで急伸する局面が見られた。

海外株式では米国株式の騰勢が続き、S&P500指数は最高値に迫る展開となった。欧州株式及び新興国株式も軒並みリスク選好の展開となった。米国債券市場では金利の上昇トレンドが継続。米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは2.3%台を維持した。一方、米金融政策の方向性を織り込みやすい2年債のそれは1.04%台と今年1月5日以来の水準まで急騰した。

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Analyst's view

17日の議会証言でイエレンFRB議長は、12月の利上げについてあらためて言及してきた。トランプ政権が誕生することでFEDの金融政策が修正を迫られるのではないか、という懸念は一部であったものの、今夏以降のFEDスピーカーによる利上げに向けた地ならし発言や直近の良好な指標データを考えるならば、12月利上げは市場のメインシナリオであり今回のイエレン発言に特段のサプライズはない。よって、現在の米金利の上昇は12月利上げよりも、トランプ政策とその効果に対する期待の側面の方が意識されている可能性が高い。その効果とは米国内のインフレの加速だろう。大規模な減税とインフラ投資を軸に米国経済のエンジンである内需と個人消費の拡大を目論むトランプ政策が軌道に乗れば、来年以降、FEDや市場が想定している以上にインフレが加速する可能性が高まろう。インフレが加速すれば、FEDの利上げペースも現在想定されている2回以上となる可能性が出てくる。このような期待が先行し、現在の市場は米国の独り勝ち状態となっている可能性が高い(17日のレポートを参照)。もちろん現実的には、市場の期待通りに政策が実行出来ないリスクがある。特に、共和党の内紛リスクには注意が必要だろう。伝統的に小さな政府を指向する共和党が、トランプ次期大統領が提唱する経済政策(=大規模な財政緩和政策)を全面的に支持する可能性は低いからだ。米議会の「ねじれ」が解消しても、共和党内で新たな「ねじれ」が生じれば、米国市場と米ドル相場のリスク要因となろう。

 

ただ、繰り返しなるが現在のマーケットは、米利上げとトランプ政策を軸とした期待先行相場である。この期待を挫くイベントがない限り、外為市場では所々で調整が散見されながらも米ドル高トレンドは継続しよう。ドル円は目先、4月下旬の戻り高値111.50レベルのトライが焦点となろう。この水準をも突破した場合は、5月下旬の戻り高値112.00をターゲットにドル高がさらに加速しよう(チャート参照)。

一方、ユーロドルは1.05レベルの攻防シフトが最大の焦点となろう。RSIは売られ過ぎの水準まで低下しており、短期的にはユーロのショートカバーが入ってもおかしくない状況にある。しかし、現在の米国市場における株高と金利上昇の共存関係が崩れるムードは感じられない。よって、ショートカバーによるユーロの上昇余地は限られ、むしろ米欧間の利回り格差も拡大傾向を維持することで、1.05トライの方を常に想定しておきたい。


【チャート:米金利】

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【チャート:ドル円】

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